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プロローグ
ステージの上は、別世界だった。
スポットライトが私を包み込む。
客席は暗くて見えないのに、確かに誰かの視線を感じる。
音楽が流れる。
私はマイクを握りしめる。
震えていたはずの手が、不思議と落ち着いている。
「みんな、ありがとう!」
声が会場に響いた瞬間、
大きな歓声が返ってくる。
その波に、胸がいっぱいになる。
(これが、私の夢――)
目が覚めた。
天井が見える。
見慣れた、自分の部屋。
時計は朝6時。
「……夢、か」
でも、胸の高鳴りだけは消えなかった。
あの景色を、夢で終わらせたくない。
私はベッドから飛び起き、机の上に置いてある一通の封筒を見つめた。
《シャイニングスター学園・アイドル科 合格通知》
あの日から、私の人生は静かに変わり始めている。




