神詠世界概録
【この世界の姿】
この物語の舞台は、
剣と祈りが支配する中世風の王国世界。
そこでは、「魔法」は誰もが扱えるものではなく、
“神に選ばれし者の声”によってのみ発動される。
その声とは――歌である。
【魔法は“歌”によって発動する】
魔法は、ただ言葉を紡ぐだけでは起きない。
それは旋律と祈り、そして信仰によって響かせる力。
•歌詞が魔法の内容(回復・支援・浄化)を定め
•旋律がその効果の規模を決め
•リズムが速度や威力を調律する
この力を使う者は「歌詠士」と呼ばれ、
王国の守護組織「神詠騎士団」の中でも特別な存在とされている。
【女神アリアの導き】
この世界の人々は、「光と歌の女神アリア」を信仰している。
アリアは癒しと加護、浄化を司るとされ、
歌を通して彼女の祝福を受けるという信仰が根付いている。
攻撃魔法は存在しない。
それはアリアの慈愛に反し、「世界を壊す力」として忌避されているからだ。
ゆえに、歌による魔法はあくまでも――
**“誰かを救う”**ためのもの。
【騎士団と戦いの在り方】
神詠騎士団は、
前線で剣を振るう「剣士」と、後方で魔法を支える「歌詠士」で構成される。
戦場では、
歌詠士が歌を通して支援と癒しを与え、
剣士たちはその加護を背にして魔物と戦う。
なぜなら、
魔法を使える者はごくわずかであり、
彼らこそが、女神に選ばれた者とされているからだ。
【魔物とは何か】
この世界には、人を襲う“魔物”と呼ばれる存在がいる。
その姿は獣に似ており、時に凶暴で、
まるで本能のように“歌詠士”を狙う習性があるとされている。
それはまるで、
誰かが意図して“魔法”を断ち切ろうとするかのように――
(※その理由は、物語の中で明かされていきます)
【そして物語は始まる】
ひとりの少女が、
騎士団の門を叩く。
歌うために。
救うために。
……そして、
まだ誰も知らない“もうひとつの旋律”を、響かせるために。