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【完結】年下夫は妻の訛りが愛おしい ~ただしヤンデレ風味~  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!
本編

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70.王弟暗殺未遂事件から五日後

 使節団の人を除いて、各国の代表が会議を行う。その連絡が入ったのは、王弟暗殺未遂事件から五日後よ。一応知らせてくれたけれど、私やシリル様に参加資格はないの。ソールズベリー王国の代表はクリスお義兄様、ヴァイセンブルク王国は王太子であるお兄様だった。


 今回の夜会に参加した国はもちろん、周辺国であとから事情を知った国も駆けつける。私達にできることはなくて、ディーお義姉様とお留守番ね。シリル様はいくつかの外交の仕事があり、他国の方と話していた。その間、私はラーラや護衛の二人と待つことになる。


「アーサー、ダレル。一緒にお茶しましょう」


 二人に声を掛けて、元辺境伯として並んでお茶を楽しむ。ラーラも一緒よ。ここは個人的な場で、王宮の庭だもの。護衛は必要ないし、お茶を飲んでいる間に侍女がする仕事もなかった。こういったお茶会は、形としては私的な交流に分類されるの。


 お兄様も側近の方々と、お茶を飲んでいたわ。もうすぐお姉様の結婚式の通知も来る頃だし、シリル様も一緒に参加できるか確認しなくては。


「妃殿下が他国の結婚式に……問題はないかと」


「護衛は我々が務めますゆえ、ご心配なく」


 強い二人が請け合ってくれたので、少し安心する。途中で心配なのは、事故と盗賊ね。どうしたって盗賊は出るの。王侯貴族を狙わなかったのは過去の話で、現在は商人も大商隊を組んで護衛付きで移動するようになった。貴族のほうが身軽で襲いやすいそうよ。


「姉姫様と仲が良かったですから、お喜びになりますよ」


「ありがとう、ラーラ。私もお姉様の晴れ舞台を見たいの」


 シリル様にお強請りして叶えてもらおう。そんな相談をして、ラーラから新しい化粧品の話を聞いて、流行している装飾品の話題まで。侍女同士の交流で得た情報なんですって。ラーラは私と一緒にこの国に来たから、馴染んでくれて嬉しいわ。


 アーサーやダレルからは、過去の武勇伝を聞いた。辺境伯家は、その言葉通り国境に存在する。当然、他国の侵攻を食い止めたり、盗賊の討伐をしたり。小説の英雄譚を聴くようで、心躍った。ダレルの領地は、サルセド王国と接している。多少のいざこざはあったみたい。


「鎖国しておりましたので、大々的な衝突はありません。ただ、稀に潜り込む者がおりまして」


 捕らえて、取り調べるみたい。こちらの情報を調べに来たなら、処罰する。もし逃げてきた民なら、監視付きで受け入れるそうよ。


「監視ってどのようにするの?」


「民の中にも元兵士や元騎士がいます。彼らの生活費の足しに、仕事を依頼するのです」


 戦いで手足を損傷したり、年老いて引退した人が多いと聞いた。なるほどと相槌を打って、続きを促す。生々しい話は割愛されちゃったけれど、知らない世界の話は興味深かった。


 数か国が集まっての会議は夜遅くまで続き、シリル様は夕方には戻ってくる。サルセド王国の使節団は、奥の離宮から王宮外へ出されていた。彼らが脱走したと連絡が入ったのは、翌朝のことで……会議で寝不足の各国代表を怒らせたみたい。本当に悪手ばかりの一行だったわ。

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― 新着の感想 ―
会議中に大脱走( *´艸`)ふふふ、脱走したら捕まえるだけよ(*≧ω≦)猫作者さんGO!!野生の力を解放するのですわ!!
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