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【完結】年下夫は妻の訛りが愛おしい ~ただしヤンデレ風味~  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!
本編

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63/108

63.暗殺未遂事件になったようです

 時間はまだ深夜と呼ぶ時間帯で、王宮内は寝静まっていた。その空気を引き裂くように、騎士や侍女が動き回る。廊下や関係者の部屋に明かりが増やされ、王宮は昼のごとく輝いた。


「マリー、怖かったでしょう。もう大丈夫よ」


 駆け付けたディーお義姉様が私を抱き寄せる。用意されたワンピースに着替えた私は、ラーラの淹れたホットワインを飲んでいた。少し蜂蜜を垂らして、スパイスの香りがする赤ワインを味わう。ディーお義姉様が到着したタイミングで、ラーラがカップを受け取った。


 お陰でディーお義姉様の抱擁を、素直に受けることができたわ。強く抱くディーお義姉様は甘い香りがする。私も背中に腕を回して、抱きしめ返した。


「シリル様が守ってくださいました」


 こんこんとノックの音がして、開いている扉に寄り掛かるお兄様が首を傾げた。


「失礼、入室許可をもらえるかな?」


「お兄様! どうぞ」


 私はもうソールズベリーの王弟妃だし、ディーお義姉様もいらっしゃるから? 丁寧に一礼したお兄様は、心配そうな顔で私に話しかけた。


「何かされなかったか? 父上に申し上げて、きっちり抗議してもらおう」


「私は無事です」


 シリル様は厳しい顔で、騎士達に指示を出している。漏れ聞こえるのは、犯人捜しだった。この王宮内の構造を知る誰かが手引きしなければ、薄着の王女がこの部屋にたどり着くはずがない。それが貴族なのか、使用人なのか。どちらにしても、誰かが勝手に動いた結果でしょう。


 お兄様やディーお義姉様も同じ結論みたいで、この場にいないクリスお義兄様もその判断で動いているらしい。サルセド王国使節団のまとめ役を呼び出し、厳しく問い詰めているんですって。


「これは王弟暗殺未遂だ。しっかり調べろ」


「承知いたしました」


 敬礼して出ていく騎士を見送り、私は首を傾げた。夜這いではなくて、襲撃だったの!? 命を狙われるなんて、ソールズベリー王国は強くて有名なのね。もし弱小国なら、そんな卑怯な手を使わずに正面から攻めてくるでしょうし。


「……マリーのそういうところ、好きよ」


 口に出したら、ディーお義姉様が苦笑しながら頬を寄せた。お兄様が額を押さえて「教育のどこかに穴があったのか?」とぼやく。私、変なことを言ったの?


「義兄上殿、マリーはこれでいいんです」


 シリル様が擁護するような発言をしたので、私は思い切って尋ねた。知らないと気になるわ。


「何かおかしなこと、言ったかしら?」


 一斉に答えが返ってくる。


「いいや」


「何も問題ないわ」


「マリーはそのままでいいよ」


 えっと、このままでいいのね? ディーお義姉様の次は、お兄様の抱擁を受けた。シリル様もしがみついて離れなくなる。飲みかけのホットワインをラーラに返してもらったら、もう冷めていたわ。

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― 新着の感想 ―
『マリーは私が守るからこのままで良し!!』(その場の総意) 愛されマリーさんにホッコリ(⌒‐⌒)
お兄様とお義兄様の表記だけで入り乱れるとどちらなのか少し混乱しそうですが、名前も実兄のクリストフお兄様と義兄のクリストファーお義兄様と似ているので難しいですね。
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