表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】年下夫は妻の訛りが愛おしい ~ただしヤンデレ風味~  作者: 綾雅「可愛い継子」ほか、11月は2冊!
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/108

38.二人も護衛がつきました

 一日休んでいたら、翌日にはかなり回復したの。クリスお義兄様は、外交上の付き合いがあって忙しい。代わりに、ディーお義姉様がお見舞いに来てくださった。


「お騒がせして申し訳ございません」


 恥ずかしいと思いながら謝れば、ディーお義姉様はからりと笑った。明るい表情で教えてくれたのは、お酒について。ディーお義姉様は寒い地方の出身で、幼い頃からホットワインなどで体を慣らしてきた。ご両親から体質が遺伝して、かなり飲めるらしい。


 逆にクリスお義兄様はお酒に弱いそう。飲んでも顔が青くなるだけで、突然倒れてしまうとか。そのため、外交や晩餐でもグラスを持つけれど、ほとんど口をつけない。


「だから外交では、私が飲むのよ」


 体質だから仕方ないのよ、とディーお義姉様は困ったような顔をした。


「マリーは飲めるけれど、あまり強くないみたいね。頬が赤くなったら、飲むのをやめた方がいいわ」


 クリスお義兄様の時と違い、顔が真っ赤だったと言われた。成人前でまだ飲んだことはないけれど、兄弟なのでシリル様も飲めない可能性が高いとか。


「気をつけます」


「男性も女性も、地位が高いと狙われちゃうから。ベッドに連れ込まれたら、言い訳ができないわ」


 ベッドどころか、異性と二人きりで部屋にいるだけで問題です。恐ろしい方法で、交渉してくる人もいる。しっかり肝に銘じておかないと。


「それとは別なのだけれど……」


「この話は僕からするね」


 黙っていたシリル様が口を挟む。今回私を運んでくれたスタンフォード辺境伯が、隠居して王都に移り住むんですって。そこで私の護衛を務めたいと申し出があった……え?


「スタンフォード辺境伯、から申し出があったのですか?」


 様をつけてはいけないので、一瞬言い淀んでしまった。驚く私に、追加情報が届く。


「話を聞いたクロウリー辺境伯も、嫡子に跡を譲って護衛をしたいと言い出した。あの二人は何を張り合っているんだ」


 むっとした口調で、唇を尖らせるシリル様はご機嫌斜めだ。でも私は嬉しく感じた。他国からきた姫を守るなんて、気持ちと器の大きな方々なのね。そう感動していたら、ディーお義姉様は微妙な表情で目を逸らした。


「なんとなく理解したわ。マリーがこんな感じだから、心配で放っておけないのよ。孫を心配する祖父の心境じゃないかしら」


「……祖父役ならいい」


 ディーお義姉様の呟きに、シリル様の機嫌が少し上向く。


 ここへラーラがお茶を運び、話は一時中断となった。


「それで、お二人はいつから?」


「明日だよ」


「明日ですわ」


 声を揃えた二人に、申し訳ないけれど笑ってしまった。息がぴったりだわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ