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モノクロ世界で生きる“私”は

ージリジリジリジリ


目覚まし時計の音が鳴って目を開ける。目を覚ますとそこは自分の部屋だった。久しぶりに懐かしい夢を見た気がする。


ベットから起き支度をする。クローゼットを開けまだ新品のシャツに袖を通す。着て制服のズボンを履こうとハンガーに手を伸ばした時隣にあったスカートが目に入った。


「………、スカート、履いて良いよね?」


ズボンの方に伸ばした手をスカートに伸ばし着替える。最後にリボンを掴み鏡の前へ。

櫛を手に取り長く伸ばした白い髪を丁寧に解いていく。髪を綺麗な二つ結びにし、胸元にリボンを絞める。


「よし、完璧」


ドアを開け一階に降りると朝ごはんのいい匂いがしてきた。台所に行くと姉さんが立っていた。


「おはよう」


「あ、永無。おはよう!制服似合ってて可愛いよ!朝ごはんは目玉焼きとトーストだよ!」


元気良く挨拶した姉さんに笑みを返し席に座る。手を合わせ目玉焼きを食べ始める。そしてトーストにジャムを付けようとした所で手が止まる。リンゴジャムとマーマレードの区別がつかない。どっちも薄い灰色に見える。マーマレードは余り食べれないのでこれでは困る。


「ごめん、姉さん。リンゴジャムはどっち?」


「あ、ごめん!左の方だよ。」


言われた通り左の方を手に取りトーストに付けて食べる。黙々と食べ、最後に牛乳を飲んで手を合わせた。


「ご馳走様」


鞄を持ち中身を確認する。テーブルに置いてあった弁当と水筒を鞄に押し込む。テレビの横にあったスマホを引っ掴み充電を確認しポッケにしまう。玄関の横に掛けてあった白衣の様なモノを羽織り扉に手をかける。


「あ、ちょっと待って永無。これ忘れてる!後、今日私夜勤だから夜は外で食べてきて!」


「ありがとう、姉さん。」


そう言って姉さんが手渡してきたそれを鞄につける。


「行ってきます」







学校に着いた。思ったより大きい。事前に言われてた通り職員室に向かう。職員室の扉に手をかけ数回ノックする。


「転入生の三日月永無です。篠原先生はいらっしゃいますでしょうか。」


そう言うと、扉が開き先生が出てきた。先生はボクの格好を上から下まで見ると手に持っていた書類に目を通し頷いた。


「よろしく、三日月。今日から担任の篠原仁也だ。今から教室に行くから着いてきてくれ。」


先生はそう言うと歩き出した。この高校は最低限の制服、指定のシャツ、ズボン又はスカートを履いていれば怒られない。だからボクの学校も問題がない。


それでも、ボクの格好は女子に見える。それで男だって言って攻撃されるのは怖い。だから“ボク”は学校では“私”と名乗ることにした。


「俺が入っていいと言ったら入ってくれ。」


そう先生は言うと教室に入って行った。

仲で話し声が聞こえる。廊下の白黒ポスターをボーッと眺めた。


「入っていいぞ。」


そう聞こえたのでドアを開け、中に入っていく。教室がざわついた。女子かよ、とか、白衣着てる、とか。いろんな声が飛び交った。


「自己紹介してくれ。」


「初めまして、“私”の名前は三日月永無です。家の都合で入学に遅れ今日から転入となりました。よろしくお願いします。」


「三日月は色覚が見えない障害を持っているからみんなフォローしてやってくれ。」


そう、先生が言うと教室がさらにざわついた。

“本当に見えないの?嘘ついてるんじゃない?”

“色覚が無いぐらいで障害者って大袈裟な。”

こうなることはわかっていた。だから私はそのまま曖昧に微笑んだ。そうすると先生が手を叩いて静かにさせた。


「三日月の席は空いてるあそこな、宵原の隣。」


私は指差された席に歩いていって座った。その席は後ろのドアのすぐ隣、端の席だった。そして軽く隣の宵原と呼ばれた男子生徒に会釈した。

宵原くんは無反応で前を見ていた。


午前中の授業。特に変わったこともなく終わることができた。スタートが遅れた分不安だったが家で勉強しといてよかった。弁当を取り出そうと鞄を漁っているとすぐ隣のドアの方がうるさくなった。何が起こっているのかと思って顔を上げ扉のほうを見ると、顔を不機嫌そうにした宵原くんと先輩らしき人が話していた。


「翔妬、はよいくで。みんな待っとるから。」


「少しはゆっくりさせてくださいよ。先輩。」


なるほど、翔妬と言うのが宵原くんの名前らしい。それよりも私は先輩の方に興味があった。何処かで聞いたことがあるような気がするのだ。宵原くんの影になっていたが動いてくれたおかげで顔が見れた。その瞬間私はあっ!と声を上げた。先輩の方も私に気づいたようだった。


「…エイ?」


「………エイって呼ばないでよ。…朝島さん。」


エイ、と呼ばれた瞬間に確信できた。エイ、と呼ぶのは小学生の時からずっと一緒に過ごしてきたあの5人組しかありえない。その中で関西弁を喋りメガネをつけてるのは朝島さんしかいない。


「すまんすまん。ひさしぶりやな!元気しとったか?てか、この高校に居たん?」


「私は今日、転入してきたの。で、宵原さんに用があったんじゃ無い?」


「せやせや。一緒に飯食おうと思ってな。そうだ!永無も一緒について来いよ。拒否権はなしな。」


「「は?」」


見事に宵原くんと私の声がハモった。が、朝島さんはそんな事お構いなしに宵原くんと私の首根っこを掴むと引っ張って行った。朝島さんはサッカーもやってるから体格がいい。……抵抗しても無駄だった…。


私どうされるんだろ。

初めまして、夜桜狼華です!

ここまでお読みいただいてありがとうございます。初めてこのような作品を書いたので大変でした。これからもどんどん頑張って書くのでぜひ、評価とブックマークの方をお願いします!また、ダメ出しでも意見でもなんでもいいのでどんどん感想を送ってください。全部読ませてもらって返信を希望する方には返信させていただきます!


それではまた次話でお会いできることを楽しみにしています!

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