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#OP  きっかけのイヘン

不定期更新、乱文の極み、よく分かりにくい表現など、おおよそ小説家志望の作品に相応しくないものになると思います。

それでも興味のある方はどうぞ、見てやってください。

感想、シナリオや表現に対しての意見などを頂けたら、馬鹿みたいに喜びます。

#  #  #


とても暑い夜。


寝苦しいなんてモンじゃない、中から熱が込み上げてくるような錯覚に襲われ、俺はベッドを抜け出した。


寝ぼけた思考で向かった先は夜の海だった。

自宅から徒歩5分で着ける其処は、昼間の輝くような青色を隠していた。

最近は熱帯夜が続いて困る、とタバコに火をつけ思う。紫煙までもが暑さを訴えるように、風の無い海岸でゆっくりと消えた。

この猛暑はいつから続いていただろうか。そんなことを思い出すのも億劫になるほど、まとわりつくような湿った空気は体中ののやる気を削ぎ落とす。

そんな頭だからか、海岸で潮風が全く吹かないという異常に気づくまで時間がかかった。

それがいつもと違うのはわかるのだが、それがおかしいことなのか、と聞かれたら答えはわからない。そもそも家から近いとは言っても、頻繁に海を見に行くことは無かったし、もしかしたら無風の海岸沿いというのはたまに在り得る現象なのかもしれないからだ。


もしかしたら、近代になって顕著に取り上げられるようになった温暖化の所為か。

もしかしたら、台風でも近づいていて、この無風は嵐の前の静けさを示しているのか。

もしかしたら、何か世界に居てはいけないモノが天変地異のようなものを引き起こしているのか。


―――もしかしたら、まだ自分は夢の中に居るのかもしれない。


暑い夜は嫌いだ。自分と世界との境界線が曖昧になるから。

バターのように融解して、今にもアスファルトに溶け込んでしまいそうな熱さ。

不思議と、強烈な日が差す日中より、蒸すような夜に限ってそう感じるのだった。


こんな熱い夜は、直ぐに眠ってしまおう。

思えばなかなか寝付けないから此処に来たのに、眠りにつくのが最善の方法なんて、馬鹿げてる。


そんな他愛も無い思考をゆらゆらさせながら、俺は散歩をしてみよう、と思い海岸を後にする。


歩いて5分ほどして、ふと気づいた。



何で、波の音がしなかったんだろう―――


あの小豆を転がすような音は、全く聞こえなかった。


まあ、そんな日もあるだろう。

そう、思うコトにした。

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