第五話 陰謀
読んで頂きありがとうございます。
光希に負け、ルーシーという分身を消滅させられた黒幕『ルシフェル』は暗い闇に包まれた空間で自分を邪魔したあの銀色の騎士のことで頭がいっぱいになっていた。
(なぜあいつが動けている。あいつには怠惰の種を植え込み衰弱死させるはずだったのになぜ効いていない。)
転生した男が来る前に光希という存在にはルシフェルにより怠惰の種を埋め込まれ、身体中の活動が鈍くなり最後は身体が動かなくなって衰弱死するように仕組まれていたのだ。そこで、目標の1人だった光希の姉の朱美に契約を持ちかけ魔法少女にして力を奪おうとしていたのだが、ルシフェルが光希から感じたのは今は力を失い動けないはずの天使たちの力の一部だった。それを感じ取ったルシフェルは天使たちがどうやってか力を回復してその後自分の邪魔をするようにあの男に力を貸し、唆したのだと考えまんまとやられたのだという考えに至った。
それに対して少し不機嫌になっていると近づいてくる影が2つ現れた。
「おや、これはご機嫌が悪いようで。何か嫌なことでもありましたかな?」
「そう?別にどっちでもいいじゃん?わたしには関係ないんだし。てゆーか、早くわたしたちもルシフェルの分身体みたいに外で暴れたいんだけどまだなの?あたし暇なのは死ぬほど嫌いなのよねぇ。」
初めにルシフェルに言葉をかけたのは銀髪の老紳士で紳士服のような装いで左目にモノクルをつけている悪魔だった。
次に話した女は髪の毛が茶髪でギャルとよばれるような容姿をしていて服装もギャルの軽装のような格好だった。
「なんのようだマモン、アスモデウス。貴様らにまだ用はない。大人しく小屋に篭っておけ。」
「ふぉふぉ私のようなものは待つのに飽きて、落ち着きがありませんでなぁ。いつまでも動かずにいると体が鈍ってくるのですよ。そのために動かずにはいられないのです。多めにみてくだされ。」
そう言ってルシフェルに頭を下げたマモンと呼ばれた男はにこやかに微笑みながら謝罪をした。
それをみてルシフェルは「フンッ。」と何も咎めず放置した。
「ねぇ〜、いい加減本当に暇なんだけど。まだ暴れちゃいけないのぉ。」
ぐずるように言うアスモは自分の気持ちをルシフェルへと愚痴る。
その様子にマモンは微笑み、ルシフェルは関心がないとばかりに遠くを見つめるのであった。
だがふと、ルシフェル何かを思いついたのかその顔をニヤリと歪ませアスモデウスにこう告げた。
「アスモデウス、お前に外に出て暴れさせてやる機会をやろう。」
そう言ったルシフェルの顔を見て、マモンは何を考えているのかと思案し、アスモはひさしぶりに外に出て暴れられることに喜ぶのであった。
「えっ!本当に!やったー!!やっと暴れられるのね!」
光希たちにまた悪魔の手が伸びるのだった。
次話もよろしくお願いいたします。