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第三話 改変

本作品を読んでいただきありがとうございます。

「貴方はこの後に起こる出来事をご存じのようですね。それでは用件のみをお伝えいたします。あなたに彼女たちを守るために、彼女たちを悪魔たちから救い出ために力を貸してほしいのです。」


(確か、天使たちは悪魔によって動きを制限されて結局最終回の戦いの時だけしか魔法少女に力を貸すことができなかったんだよな?なんで天使がこんな早く動いているのかは分からないけどあんな悲しい終わり方を変えられるならやることは決まっている。)


光希(みつき)は目の前の自らを天使と名乗る光る球体に向かって答えた。


「悪魔から彼女たちが救えるならなんだってしますよ。だから、力を貸してくれませんか?天使様。」


「ありがとうございます。では、あなたに悪魔に対抗する力を授けます。あなたに主の加護があらんことを。」


そういうと光る球体から小さな光る球体が出てきて光希(みつき)の胸の中に吸い込まれて行った。

すると、胸の中に吸い込まれたと思った瞬間に眩い光が視界を覆い目の前が真っ白になった。


「うわっ!」


光希(みつき)が光に驚き声を上げた。そして、光が収まりゆっくりと目を開けるとあの空間に行く前までいた元の場所だった。


「さっきのは、本当にあったことなんだよな…。」


夢が現実かわからずにいると前に人がいるのが見えた。

そこには、桜崎(さくらざき)はると諸悪の根源であるルーシーがいたのだった。


「そうはさせるかよ。」


光希(みつき)はルーシーを見つけると自分の中にある力が共鳴し、どのように使えばいいか自然と理解できた。



「大いなる神よ、勤勉(きんべん)なる天使の力をお貸しください!『我が誓い、果たさんが為に!』」


ゴウッ!!



光希(みつき)の周りを白い光が包み込み、身体の各所に光がまとわりつくとパッと消えそこには銀色の鎧が装着されていた。

脚、腕、胴、頭と鎧の装着が完了すると周りを包み込んでいた白い光が消えていき、そこには中世のヨーロッパの騎士のような全身甲冑の姿をした光希(みつき)が立っていた。


(アニメではなかった展開だがこの鎧は魔法少女たちの男版ということか?まさか、光希(みつき)が変身することになるとは思わなかったけど、これで彼女たちを守れるならやることは決まってる!)


変身をし、最初に魔法少女に変身することになる少女、『桜崎(さくらざき)はる』に近づいていた諸悪の根源のルーシーを射程内に入れると光希は強く拳を握っていた。







桜崎(さくらざき)はる 視点


「僕と契約しないか、桜崎(さくらざき)はる。契約をすれば君の願いは叶う。」


「私は……」


私は、桜崎(さくらざき)はる。

私には救いがないと思っていた。

今日もいつも通り両親の怒鳴り合いの声を聞きながらの登校。

何も変わらない1日が始まると思っていた。

だけど、


「君、僕と契約して魔法少女にならないか?」


いきなり現れたイタチのような身体にタヌキのような四肢と尻尾を持ったいきもの?が言葉をかけてきた。


「…えっ?…あ、あなたが喋ったの?」


私は目の前の出来事が信じられずに思わず言葉を発してしまった。


「うん、そうだよ。僕はルーシー。僕と契約して君の願いを叶えないかい?」


「…願い?」


「うん、君の願いは何かな?世界一の財宝?それとも絶対的な力?なんでも叶うよ?言ってごらん?」


「…なんでも、叶う。」


私の頭によぎったのは朝に見た両親の顔。

お互いにお互いを信用せず「浮気をしているのではないか」「そっちこそ、こっそりと内緒で何かしてるじゃないか」と怒鳴り合う両親の顔。

昔は、そんなことはなかったのにここ最近で急にお互いの顔を合わせるたびに怒鳴り合うようになった。

そんな両親とまた仲良くしたい。一緒にどこかに出かけたい。そんな思いが私の胸の中に渦巻いていた。



「僕と契約しないか、桜崎(さくらざき)はる。契約をすれば君の願いは叶う。」


「私は……」



また、一緒に仲良く両親と暮らしたい。



そう言おうとしたその時、私とルーシーと名乗ったせいぶつ?の間に銀色の鎧を着た騎士が割り込んできた。


「お前の思い通りにはさせないぞ!ルーシー!!」


そう言った銀色の騎士は私を守るようにルーシーに立ちはだかり、ルーシーは何かを感じたかのような反応を見せると、キッと睨んで愛らしい見た目からは想像できないほどの低い声で銀色の騎士に向かって叫んだ。


「邪魔をするな!たかが天使の末端の力を借りただけの人間風情ガァぁあ!!」

次話もよろしくお願いいたします。

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