第十八話 強化
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「〜〜〜〜ッ!!」
地面がだんだんと近づくに連れて光希は焦っていった。
(ヤバイヤバイヤバイ!!このままじゃ地面のシミになってしまう!なんとかしないと…。)
そう思って考えていると横に浮かんで自分と並んで落ちている球体を見てハッとし、すぐに行動を起こした。
「『我が誓い、ここで果たさんが為に!』」
ゴウッ
そういうと光希は白い光に包まれて、光が消えるとそこには変身して騎士の姿になった光希の姿があった。変身してすぐに光希は右腕へとエネルギーを溜め始めた。
(これでエネルギーの相殺をすれば…。)
そう考えて右腕へとエネルギーを送り、もう地面へと激突する瞬間にその右腕を地面へと振り切った。
ドガァーン!!
エネルギーが地面にぶつかり大きな音が響いた。その場には大きなクレーターができており、その中心には銀色の中世ヨーロッパの様な鎧を着た騎士がいた。その騎士は動かなかったがしばらくするとゆっくりと動き始め手足の確認をし始めた。
(あっぶねぇ…。あと少しで死ぬところだった。なんてことをしてくれたんだあのクソ天使(仮)。変身することを思いつかなかったら死んでたぞ。)
そう思いながら自分の手足の確認をして体に異常がないかを確認していた。
「なんとかギリギリ不第点といったところでしょうか。どうですか、今のでどこか体調が悪くなったりしましたか?まぁ今のくらいでどうこうなっていたらどうにもなりませんけどね。」
そう言ってやれやれと言いたげな雰囲気を醸し出しながら、なんとか地面のシミにならずに済んだ光希の近くへと天使(仮)がふわふわ近づいてきた。
「お前のせいで死にかけたんだが?」
「この程度で死んでいたら、その程度だったということです。ルシフェルを倒すのなんて到底不可能ですね。」
「……お前嫌なやつだな。本当に天使か?」
「えぇ、私は天使です。その証拠に嘘はつけません。」
「いや、嘘つかないって言われてもどうやって確認すればいいのか分からんのだが?」
あまりにも天使らしからぬ口調や様子に天使(仮)の(仮)はしばらく外せそうにないなと心に思った光希だった。そんな天使(仮)にいきなり移動させられ、決死のスカイダイビングをさせられて着いた場所を見回してみるとそこはジャングルのど真ん中にいる様な鬱蒼とした森の中の開けた土地の様だった。
「ところで、いきなり連れてこられたここはどこだ。ジャングルみたいなところだけど。」
「ここは生き物もおらず未だ人間から認知されていない小さな島の一つです。ここでならあなたの力を使用するトレーニングも制限なく行えると判断しました。」
「まだ見つかっていない無人島ってことか…。」
光希はあらためて周りを見回し、この場所でのトレーニング方法を考えていた。
(周りに人がいないということはこのジャングルで好きに力を試せるってことか…。まだどんなふうに力を使えばいいかわからないところもあったしそれはありがたいな。)
自分の強化トレーニングについて考えていた光希は、自身の強化も大事だが家族や学校などについては天使(仮)がどう考えているのか聞いてみないと分からないことに気づき質問した。
「なぁ、ここでのトレーニングについては理解したが家にいる家族や学校についてはどうするんだ?このままだと俺は急に消えて行方不明みたいになるんだけど。」
「そちらについては、ここでのトレーニングを終えたらまたいつでも向こうへと戻れますのでご安心を。こちらで騒ぎにならない様にタイムスケジュールも管理しておきます。」
「おおう、そうか。随分と良くサポートをしてくれるんだな。」
「えぇ、あなたのへの全面的サポートがいまの私の使命なので。」
「なんか遠回しに、すっげぇ嫌そうな感じがするんだが…。」
「そうですね、否定は致しません。使命でなければ、あなたのことなどどうでも良いと思っていたでしょう。」
それを聞き光希は怒ったりせずにそんな天使(仮)の言葉を聞き、どこか納得した様な表情で天使(仮)に答えた。
「なるほどな、確かに言われてなければ普通こんなことしないわな。ありがとな、えーとそういやまだ名前聞いてなかった。名前はなんでいうんだ?」
「…私は天使の中でも末端なため名前などはありません。お好きにお呼びください。」
「うーん、そう言われるとなかなか難しいな。天使の名前かぁ、有名どころはなんだか雰囲気が違いそうだからやめておいた方がいいかな?なら、俺が知ってる中だと『ハエル』とかどうだ?」
そう言って光希は天使(仮)の様子を伺う様に見ていた。天使(仮)はしばらく沈黙していたが、はぁと息を吐くかの様な動きをしたあと
「…まぁそれで構いません。」
とそう答えた。
だが言葉とは裏腹になんだか嬉しそうな雰囲気をしている様子を見て光希は、
(多分喜んでくれた様だから良かった。あんまり天使っぽくないから、悪魔のバエルから濁点とって悪魔の様な一面をもつ天使って意味合いも込めた名前としてつけたけど思ったより良かったな。これで嫌だって言われたら他にパッと思いつかなかった。)
と思いほっとしていた。
「…それでは、本題に戻りこれからギリギリまであなたの強化トレーニングを始めたいと思います。」
「あぁ、お手柔らかに頼むよ。『ハエル』。」
こうして光希の強化トレーニングは毎日の空いた時間に行われる様になった。
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