第十七話 怨嗟
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「クソックソックソックソックソックソックソックソォッ!!」
怒りを壁へとぶつけながら叫んでいるのは変身した光希によって気を失いマモンによって助けられたアスモデウスだった。舐めていた相手に対して気を失うなどと無様を晒してしまったこと、そしてそのままマモンに助けてもらって何もなし得ずに再び暗い闇に包まれたこの空間へと戻ってきたことに対して腹が立って仕方がなかったのだ。
(せっかくあのルシフェルが許可をして外に出たのに何もできずに帰ってくるなんて!!私は本当ならもっとできたんだ!全部、全部あいつが、あいつが悪いんだ!あいつさえいなければ!あいつさえ出てこなければ!!)
「…ッ、クソォォオオオ!!」
アスモデウスの叫び声は暗い闇の中響き渡っていた。そんなアスモデウスを連れて帰ったマモンはルシフェルに会い質問をしていた。
「ルシフェル、あの天使の力を使う男にあなたの分身体はやられた。そうでしたね。」
「……チッ、あぁそうだ。」
「なるほど。あなたの分身体ならあの程度の者ぐらいなら倒せるはずだっだのでは?私にはあの者がそこまで強いとは思えませんでしたが…。」
そう言ってルシフェルの様子を伺うマモンはそのモノアイ越しに見る目でルシフェルに対して一体何を隠しているのかと問うていた。それに対してルシフェルはまた舌打ちしながらもマモンへと自分の感じたものから推測し今回のことも交え導き出した答えを話し始めた。
「初めは天使の力だと思っていたが、どうやらあの祝福があいつにはあるみたいだ。」
「あの祝福とは。」
「やつの祝福だ。」
「なっ!!」
ここでルシフェルのいう『やつ』とは悪魔の宿敵である『神』のことである。
神の祝福とは普段は何も起こらず人に対しては何も意味を成さない為特に目立ったり注目したりされないのだが、悪魔との相対した時のみ悪魔に対してさまざまなデメリットを与える『対悪魔専用』の加護のことである。過去にも『神の祝福』を持つものにより悪魔祓いなどが行われてきており、その加護を持った相手に対して悪魔は手を焼いてきたのだ。そんな面倒なものを持った相手が、天使の力を使って悪魔である自分達を倒そうとしているのはとても厄介極まりないことだった。それを聞いてマモンは今後どうするべきか思案し始めた。それを見たルシフェルはマモンに対してこう告げた。
「マモン、あいつはできるだけ早めに潰せ。出ないと厄介な存在となる。」
「……えぇ、そうですね。なるべく早く消す様にいたしましょう。アスモも彼に対してはやる気があるようですし。」
そう言ってマモンは未だに響き渡るアスモデウスの怨嗟が込められた声を聞きながら光希をどう消すかを考えていた。
一方そんなことは梅雨知らず、光希は天使(仮)から戦闘力アップのためのサポートを受けようとしていた。
「では早速いきますよ。移動します。」
「えっちょっと待っ」
最後まで言えずに天使によって瞬間移動し、着いた場所はどこかの上空だった。
「ってって言おうとしただろうがぁぁぁぁぁぁぁあ〜〜〜〜〜!!」
「あまり口を開けない方がよろしいですよ。息がしにくくなりますし、口の中も乾燥してしまいます。」
「〜〜〜ッ!!!」
そう言ってすぐ横に浮かぶ光る球体に対して文句が言いたくても言えないで落下する光希は一体自分は何をさせられているのだろうと思いながら空中落下をしていたのであった。
(くっそおぉぉぉぉおお!!絶対こいつ後で殴ってやるぅぅぅぅゔゔ!!)
心の中で光る球体である天使(仮)に怨嗟の言葉を叫びながら光希は落ちていった。
その様子を見て光る球体は楽しそうに横についているのであった。
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