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第一話 転生

初の作品のためいろいろ勉強しながらの投稿となります。

投稿の頻度はできたら週一でと考えていますが見切り発車で作成しているところもあるので投稿が遅延する可能性もあります。

この作品は完結まで描き切ろうと思っていますので最後までよろしくお願いいたします。

気がつけばハマっていた。


男は深夜にテレビの前で真剣に見ていた。

画面に映る最後に残った魔法少女を。

「メモリア・プリンシパリティ」通称メモプリ。

深夜に放映されている魔法少女アニメ。

その最終回を男は1秒も見逃さないとばかりに見ていたのだ。






今までの戦闘によってか少しボロボロになっているピンク色の髪をツインテールにした魔法少女は、黒い3対の羽を持つ巨大な黒い影と対峙していた。

何度も攻撃を避けたり受けたりしながら魔法少女は相手の様子を伺っていた。そして相手の行動を読み取り隙をつくり出した。




「…っ…明美(あけみ)ちゃん、私も今そっちにいくね。」


何か覚悟を決めるように魔法少女は呟くと彼女を膨大なオーラが包み込む。


「『慈愛深き神よ、我が誓いに応え、我が前に立ちはだかる闇を祓い給え。メモリア・プリンシパリティ!!』」


「な、なんだと、この『ちから』は…こんなところで、ぐわぁぁぁあ!!」


黒い影は何かに驚いた様子を見せ防御するもそのまま魔法少女の攻撃を耐えられずそのまま塵となった。


「…ぁ…みんな…やっと守れたよ…」


魔法少女と最後のラスボスとの戦いが終わり魔法少女は消えゆくラスボスを見ながら佇む。

その後、魔法少女も付き物が落ちたかのように微笑むと体が輝き始めだんだんと消え始めた。そして、最後には何もなかったかのように大地に風が吹いていた。

エンディングが流れ始めて今までの魔法少女たちが守った人たちのその後の様子などが流されてアニメの最終回は終わっていった。






最終回を見終わった男はふぅと息を吐き見終わった後の余韻に浸っていた。


「まさか、魔法少女全員がいなくなる悲しい終わり方になるとは。必殺技を打つたびに思い出を代償にして、最後にはみんなの記憶にある思い出だけでなく存在自体が消えていくか…。作品にケチをつけるわけではないけど、あの子たちの覚悟に見合った幸せな終わり方を見てみたかったなぁ。」


と感想を口に出して今までの物語を思い返し、明日の仕事のために就寝の準備をし始める。


「あの魔法少女たちは自分を犠牲にしてまだ叶えた願いを見ることもできず、その後のことも知ることができないんだよなぁ。しかも彼女たちの願い事は全部仕組まれたこととか救いなさすぎ。後己の存在を代償とか、もう少しライトな内容にできなかったのか?作品は好きだけど最後はやっぱできればハッピーエンドにして欲しかったなぁ、みんなが笑顔でその先の人生を歩めるようなハッピーエンドに。はぁこんなモヤモヤしたまま明日も仕事かぁ、明日は悪いけどいつもより楽に仕事を済ませてもらぉ……。すぅ…すぅ…。」







寝ているとペチペチと頬を誰かに叩かれる感覚がした。


「…ぇ…ねぇ…起きてよ…早く起きないと遅刻するよ?」


「…ん?…だれ?」


「ちょっとぉ、誰とは悲しいじゃない。私よ、あなたの姉である『新木朱美(あらきあけみ)』よ。」


ふふっとこちらに笑いかける緑色の髪をポニーテールにした活発そうな少女の姿を見て男は衝撃を受けた。それは、目の前にいる少女には見覚えがあったからだ。


「えっ?朱美姉(あけみねえ)?本当に?」


「それどういう意味よ、私の顔を忘れでもしたっていうの?寝ぼけていないで早く学校の用意しなさいよ。」


こちらを見ている少女を見て狼狽えながらも、男は今起こっていることを考えまとめてみる。


(待て、落ち着け、とりあえず何があったのか落ち着いて考えよう。明日の仕事のために寝て、起きたらあの魔法少女アニメの魔法少女になる少女『新木朱美(あらきあけみ)』に起こされている状況。うん、訳がわからない。これは夢じゃないのか?最後にあのアニメのことを考えながら寝たからこんな夢を見てるのでは?)


そう考えいまだにこっちを見て少し怪訝そうな顔をしている新木(あらき)朱美(あけみ)を見る。


(うん、きっとそうだろう。ここは夢の世界だ。なら、どうせならこの世界を好きに色々見て回ってもいいんじゃないか?夢の中で好きな世界に行けるなんて滅多にないことなんだし。)


そう考えた男は、とりあえず今の自分の立場を理解するため起きようと体を起こし、ふとベッドの横にあった姿見(すがたみ)を見てまた衝撃を受ける。


(えっ?嘘だろ?なんで、なんで俺、新木(あらき)朱美(あけみ)の弟である『新木光希(あらきみつき)』になってんだ!?)


男は寝て起きたら、昨夜見ていたアニメの世界にいて魔法少女の弟になっていた。


読んで頂きありがとうございました。

よろしければ、この作品を引き続きよろしくお願いいたします。

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