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第十五話 姉弟

小説を読んで頂きありがとうございます。

光希(みつき)達は新木家へと着き桜崎(さくらざき)はるを家へと招き入れた。


「ただいま〜。」

「ほらはるちゃん、遠慮せずにあがって。」

「うん、それじゃあお邪魔します。」


3人がそれぞれ玄関に上がっているとリビングからスタスタと足音が聞こえてきた。


「あら、どうしたの?今日は早いわね。なにかあったの?」


そういってリビングから現れたのは、新木家の母『新木陽子(あらきようこ)』だった。母の陽子(ようこ)朱美(あけみ)の母親とわかるぐらいに似ている。朱美(あけみ)の髪が明るい緑色をしているのに対して、髪は少し深い緑色をしていて見た目は2人の子供がいるとは思えないほど若く見える。


「うん、学校で謎の爆発事故があってそれで急に学校終わったの。はるちゃんは、親が仕事で帰ってくるの遅いみたいだったから親が帰ってくるまでの間、家に来てもらおうと思って誘ったの。女の子が1人になるよりいいと思って。」

「あっあの、お邪魔します!朱美(あけみ)さんの友達の桜崎(さくらざき)はると申します!」

「まぁそうなの、大きな怪我とかがないなら良かったわ。それに、おともだちね。遠慮しなくてもいいわよ、可愛い子ならいつでも歓迎するわ。さぁ早く上がって。朱美(あけみ)、部屋はどこにするの?」

光希(みつき)の部屋にしようかなって。ゲームもたくさんあるし。」「えっ?」

「そう、分かったわ。なら後でお菓子と飲み物持っていくわね。」「えっ?」

「うん、ありがと。」


そういって朱美(あけみ)桜崎(さくらざき)はるを連れて2階へと行き、母の陽子はリビングへとお菓子と飲み物をとりにいった。


「えっ?」


流れるように決まっていった話についていけず、自分の部屋を強制的に使われることになったところから混乱して光希(みつき)は1人玄関に残されて立っていた。




その後、思考が復活した光希(みつき)はとりあえず自分の部屋へと一度荷物を置きにいこうと2階の自室に向かった。2階に上がる際にはついでにと母親にお菓子と飲み物を持たされて階段を登り自分の部屋へと入っていくと


「これが3歳の時の光希(みつき)よ。可愛いでしょ?」

「うわぁ可愛い。こっち見て笑ってる。」

「でしょう?それでね、こっちの写真もいいのよ。」

「可愛ぃ〜。本当にどの写真も素敵だね。私もこの時の光希(みつき)くんに会いたかったぁ。」

「そうでしょそうでしょ。私なんかこの時よく光希(みつき)を離さなかったんだから。本当にこの時の光希(みつき)も可愛すぎて。」

「それ分かるかも。私もきっとずっと一緒にいたくて、離したくなかったと思う。」


なぜか光希(みつき)のアルバムを見て小さい時の光希(みつき)を可愛がっていた。




(あの写真に写っているのは俺じゃないのは分かってる。でもあれは俺でもあるんだよな、チクショー関係ないはずなのにメチャクチャ恥ずかしい…。)


俺は自分の部屋へと入ると、なぜか俺のアルバムを見てキャッキャとはしゃいでいる2人がいた。2人は可愛い子供を見ているだけかもしれないが、俺からするととても複雑なものである。


(写真に写っている本人が部屋に入っても夢中で見てるなんて普通に恥ずかしいぞ。そもそも俺が光希(みつき)になる前の光希(みつき)は今の俺ではないんだ。あれは俺ではない。あれは俺ではない。あれは俺ではない。あれは…)


朱美(あけみ)達の見ているアルバムに写っている光希(みつき)は自分ではないと自己催眠をかけるように自分に言い聞かせていた。しかし、光希(みつき)はアルバムに写っている光希(みつき)は今の自分ではないとずっと思っていると考えないようにしていたことをいやでも考えさせられることになった。それはそれまでの光希(みつき)はどこにいったのかという問題についてだった。


光希(みつき)は確かに自分が転生して光希(みつき)になるまでこの世界には存在していた。だが途中から自分に入れ替わった。それはもしかしたら自分が来たために本来の光希(みつき)を乗っ取ってしまったり、殺してしまったことになるのではないかとも考えられる。もしそうなのだとしたら自分はどうなってしまうのだろう。そう考えたくなかったため思ってはいてもずるずると考えを先延ばしにしていたのだが、どれだけ考えてもいい答えは出ずに生活して来てしまったのだ。


(もし本当に俺が光希(みつき)くんを乗っ取ったような感じになっていたのなら、俺はこの今の家族になんでいえばいいんだ。)


そんなふうに考えてははぁとため息を吐き落ち込んでいた。そんな光希(みつき)の様子に気づき朱美(あけみ)がこちらの様子を伺う。


光希(みつき)?どうしたの、もしかしてどこか体調悪いの?身体が重いとか、だるく感じたりする?もしそうなら早くいってね。すぐに病院に連れて行くから。」


そう言ってこっちを心配してくれる朱美(あけみ)姉を見て、また申し訳なさに押しつぶされそうになりながらも光希(みつき)光希(みつき)として大丈夫だと伝えた。


「大丈夫だよ。ちょっと今日のパニックで疲れただけだから、体調とかは全然悪くないよ。全然元気だから大丈夫。」

「そう?ならいいんだけど…。」


光希(みつき)の言葉を聞いて、まだ光希(みつき)の体調を気にしながら朱美(あけみ)はそれ以上は何も言わなかった。そんな2人を見てはるは姉弟(きょうだい)っていいなと思いながら朱美(あけみ)の弟への過保護さを感じ、本当に大事なんだなと微笑ましく2人の様子を見ていた。

そして3人はその後ゲームなどをして時間を潰し、はるの帰る頃には姉弟(きょうだい)2人で送ってはるを家まで送りその日は過ぎて行った。





そんな3人を観察するように光る球体が今日一日彼らの近くにはいた。その球体は3人がそれぞれ就寝するまで見届けるとその後グラウンドの方へと消えていった。

小説を読んで頂きありがとうございました。

次話もよろしくお願いいたします。

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