第九話 魔法少女
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「アハハハハッ!!ホラホラホラァ!どうしたのよ!こんなものなのかしら!早くルシフェルと戦った時の力を出しなさいよぉ!」
ドガァン!ドガァン!ドガァン!
光希はアスモデウスの振るう爪から放たれる斬撃を必死に避けながらこちらに攻撃を仕掛けてくる相手の動きを観察していた。
攻撃を仕掛けてくるのは、
邪淫の悪魔『アスモデウス』
敵の幹部とされる1人で、性格はプライドが高くダメだと言われるとやりたくなる捻れた性格をしている女悪魔で、黄と黒が入り混じった髪をしていて真っ黒な爪での攻撃が主で斬撃を飛ばしたりして相手を執拗に攻撃してくる。
アスモデウスの攻撃を避けながら光希は相手の動きから、相手が考えていることを予測して頭を悩ませていた。
(こいつ!俺が変身したくないのをわかって楽しんでやがる!アニメではあんまり気にしてなかったけど鬱陶しい性格してるな!)
光希は今後自分が変身することを誰にも言わずこれ以上派手にシナリオを変えることを避けようと思っていた。そのため、人目が多く目立っている状態で変身することは自分の正体がバレる可能性があり絶対に避けたかった。そう考えてどこか周りから見られることの少ない場所を探して変身するためにそっちへ行こうとするが、その行動を読んでかアスモデウスが邪魔をする。避けては邪魔をされるが繰り返され、次第に光希の体力に限界が近づいてきていた。
「はぁはぁ…。」
「あれぇ。もう終わり?つまんなぁ〜い。ルシフェルと戦ったやつがこんなもんなの?もうちょっと遊べるやつだと思ってたのにぃ〜。んー、じゃあもういいや、飽きたし。」
そういってアスモデウスはもう興味はないと光希にとどめを指すため鋭い爪から斬撃を飛ばし、もう体力もなく死んだだろうと考え他に次の目標を見つけようとその場から背を向け去ろうとしていた。その時、
ガキィン!
突如、金属が勢いよくぶつかり合ったような音が響きわたった。
「光希に何してんのよ!この蜂女!!」
「光希くんにはこれ以上手は出させません!」
斬撃が放たれたはずの場所では光希を守るように光の膜のようなものがあたりを包み込み、その現象を引き起こしたと思われる人物がそこには立っていた。その人物を見ると、そこには朱美姉と桜崎はるがアニメで見た魔法少女の姿で立っていた。
「私の可愛い弟に怪我させたこと、後悔させてやるわ!」
「無抵抗の人にこんな仕打ちをするなんて、あなたにはお説教が必要のようですね!」
2人はかなり怒っていて光希を傷つけたアスモデウスに向かって怒りの感情をぶつけるように叫んだ。
その言葉を聞いたアスモデウスは興味を無くした様子が消え、目の前にいる2人の魔法少女に対して強い敵意を向けすごい形相で睨みつけた。
「あ"ぁ"!!うるさいんだよ!気持ち悪い天使の気配を纏いやがった小娘が!私のやることに口を出すんじゃないよ!私は好きなようにやるだけだ!邪魔すんじゃねぇ!!」
敵の幹部に襲われていた光希の危機に駆けつけたのは、前世でよく見た桜崎はるが変身する『魔法少女ジエル』と朱美姉の変身する『魔法少女リエル』だった。
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