※読みたくない方は読まないことを推奨_本編の矛盾や解釈違いを可能な限り潰す為のページ
本項は『親友の作り方』本編で活かしきれなかった要素について記すものです。
こちらは読まなくても本編を読むに支障はありません。
それどころか、敢えて曖昧な描写に留めて考察の余地を残していた部分を確定させてしまう設定もあります。
それでも大麻の行動の矛盾や問題点、背景事情がどうなっているのかとか、色々考えていたのを出したくなってしまったので書きます。
そのような内容になりますので、本編の時点で満足している、想像の余地を潰して欲しくないという方は、お戻りいただけますと幸いです。
その① 登場人物の名前
恐川大麻・璃悔郷奇と、可能な限り現実的は無い名前を考えています。
大麻は文字通り『危険な薬』とそれに対する恐怖を強引に人名化しました。
郷奇については『黒いG』のアナグラムを無理矢理漢字化したものになります。
これは邪悪な計画を実行する大麻も、そうなるまで虐げた郷奇も、好ましいとは言えない人物だったからです。
某殺人ノートの漫画で現実の人の名前と殺人犯が被らないようにDOQネームを多用したのと、同じ理由で名前を付けました。
なのでこれらの名前で類似する、迷惑を被る等の方がおりましたら、お手数ですがコメント欄等でその旨をお伝えください。可能な限り早く対処いたします。
その② 大麻が用意した仕掛け
劇中で描写で来た大麻製のトラップは『花火と物置』だけでしたが、他にも色々ありました。
【暗躍】の項で『郷奇の生活圏の大部分に対応した道具と計画を揃えている』とあったのに、実際に描写したのがそこだけだったのは、私の構成力不足によるものです。
作品制作時で思いついていたトラップ類は下記になります。
・郷奇達のもう一つの秘密基地――近隣公園と民家との隙間――に、ペットボトルを炙って用意したダイオキシンを付着させた釘をばら撒く
・郷奇の自転車のブレーキ螺子を弛める
・隙をみて郷奇達の水筒に酒を注入する為の注射器を用意する
大麻が箍が外れたとはいえまだ小学生であり、知識や発想をそうそう緻密に出来ない――後作者もそこまで賢くない――という条件の中で用意したトラップになります。
なのでトラップは、完成度が高いものよりも今一つなものの方が多いです。
大麻もそのことは自覚していたので『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』と、質より量を優先しました。
その③ 郷奇の取り巻き達
大麻をいじめは、郷奇が周囲を扇動するものでしたが、中心になっていたのは郷奇とその取り巻き二人の、合計三人です。
郷奇は大麻の元友人だったことや漫画のキャラクターと似た名前だった偶然等から特に執着を向けられることになりましたが、後の二人については恨みしかありません。ただ箍が外れたことでいじめで生まれた感情全てが郷奇に収斂され、二人のことはどうでもよくなりました。
ただ『郷奇と家族になる』という計画上、大麻と郷奇の本当の関係を知り、両親の次に郷奇と縁が深い二人は邪魔な存在でした。なのでこの二人についてはある意味で郷奇とは比較にならない程粘着質な敵意を向けていました。
大麻は運任せの多い『花火と物置』で、郷奇以外の二人を後遺症が残るレベルで退場させることが出来ました。上記のように大麻の用意したトラップは不完全なものが多いので、実は奇跡といっていいくらい好都合な結果でした。
その④ 死神
死神の正体は大麻の両親のどちらか
敢えて決定的な言葉を使っていないのですが、大麻が死神を召喚した時のやり取りで
『黒魔術の本で召喚した死神から、邪悪な計画を頭に刷り込まれた』
『死神から何かを貰った訳ではないが、邪悪な計画を発想し実行に移せるように、理性や罪悪感に切れ目を入れられた』
と、主にこの二通りの解釈が成立するような描写をしています。
ですが私が考えている死神の真相は、突然前触れなく表れた魔法の本というご都合アイテムではなく、両親のどちらかか両方の黒幕説です。
この解釈は大麻が郷奇を兄弟にする計画の中で
『息子が夜中に義理の弟を縛り上げてスタンガンを当てるという凶行を止めなかった・気付かなかったのか』
という問題を解決するものです。
両親と大麻・郷奇の寝室は分かれています。ですが、養子に来たばかりの子供には細心の注意をもって接する筈なのに、十日以上凶行に気付かないというのは無理がありました。
魔法の本は父親の本棚になりました。つまり魔法の本は父親か、母親が夫の本棚に自分の本を置いていたかのどちらかであるのが普通です。
大麻の両親はいじめ被害にあった息子に対して、過度な干渉はせずとも、立ち直ることを強く望んでいました。
順序が逆転してしまいますが、邪悪な計画を実行出来る大麻の両親も常識外の思考の持ち主というのは、強引ではありますが成立出来ます。
なので大麻が『箍を外れる立ち直る』きっかけを作る為、郷奇にやったように息子の手足を縛って死神に扮装して、まるで黒魔術の加護を得たような演出をして見せる。
寧ろ大麻自身がそう演出を受けたことで、無意識のうちにそれをなぞるような郷奇の洗脳計画を進めていったと仮定することも出来ます。
何の前触れもなく現れた超越的存在によって大麻の『箍が外れた』。大麻が邪悪な計画を進めていくのを誰にも気付かれなかった。
というよりは現実的な辻褄合わせになると思います。
現在用意してあったバックホーンは以上になります。
他に矛盾点や気になる箇所等がありましたらお気軽にお問い合わせください。
また現在、乱世の世界で生き抜く子供達を主人公にした『童の雫が岩を穿つ』を執筆しております。
https://ncode.syosetu.com/n0798he/
私の小説に興味を持ってくれたら幸いです。
お付き合いいただき、ありがとうございました。