日経平均について
今回は知らなくても損する事の無い日経平均についての事柄を記述していく。
そもそも日経平均と言うのは、日本の株価の平均値ではない。
日経平均とは日本経済新聞社が東証1部に上場する銘柄の中から225銘柄を選出した物の平均株価の事である。
日本の東証1部に上場している企業は2000社以上ある。225社と言うのは、その中の1割程度の会社にすぎないのだ。
しかも、225社と言うのは日本経済新聞社が作為的に選出したものだ。
個人的にはそんなものを参考にする程度ならTOPIXを参照した方が自分の購入している株の金額近い数値なのである。
TOPIXは日経平均の範囲が広い物だと考えていただければよい。
簡単に説明すると、東証1部に上場している株式全体の平均値だ。
更に日経平均の問題点はある。
それは、寄与度ランキングと言うものを検索してもらえば分かり易いだろう。
端的に言えば、どの株が日経平均にどの程度影響を与えているかだ。
1番影響を与えている(寄与度が高い)とされている企業F社の場合
そのウエイトが9%以上あるとされている。
寄与度ランキングの範囲を上位5銘柄全体まで広げた場合
全体の25%近くはこの5銘柄の株価変動で決まるとされている。
端的な話をしてしまうと、225社選出されていたとしても、その内の10数社社程度の影響で価格が決まっていると言っても過言ではないと言う事だ。
それもそのはず。
F社の株価が1株5万円以上なのに対し、日経平均の安い株は300円前後だ。
日経平均が500円上がりました(又は下がりました)などとニュースになった場合を考えてほしい。
300円の株式が1日でそれだけの金額の動きがあると考えることが出来るだろうか?
答えは勿論、不可能だ。
株をやった事が無い人でも300円の株が500円下がる事が不可能と言うのは理解出来るだろう。
株を少しは知っている人なら、1日に動く出来る幅が存在している事をしているので、不可能と言う事も分かるはずだ。これは値幅と呼ばれるもので、限界まで動いた状態が所謂ストップ高、ストップ安と言われるものだ。
そんな訳で、日経平均は見るだけ無駄なのだ。
因みに、日経平均が3万円前後を行き来している2021年のTOPIXは1900円前後だ。
先程も述べたように、TOPIXはあくまでも東証1部に上場している株式の平均なので、それ以外の2部上場やマザーズなどに上場している株式は除外されている。
しかし、自分の購入している株価と乖離している日経平均を気にするくらいならば、TOPIXの方が平均金額として参考に出来る言って良いだろう。
中には、日経平均株価と同程度の金額の取引をしている人も居るんじゃないの?と疑問に思う人も居るかもしれないが、日経平均3万円の時に株価が3万円を超えている企業は10社に満たないと言う現実を知ってほしい。(投資法人など除く)
これは観測した時期により多少誤差は生じるが、10社前後しか日経平均の株価より高い株が無いと言う認識で大丈夫だ。
そうは言っても、日経平均もTOPIXもあくまで平均の話だ。
実際、問題になるのは自分の所持している株の価格であり、利回りだ。
平均株価の話をしてもあまり意味が無いのだ。
これは例えるなら、自分の母親にテストの点数を聞かれ、クラス平均や学年平均の点数を言っているようなものだ。
耳を傾けるだけ無駄と言えるだろうだろう。
平均は平均として、全体の流れを見るだけの参考資料程度の物で良いだろう。
平均値が下がったからと言って、自分の購入している株価が絶対に下がるという訳でもない。逆に、日経平均が大きく上がった場合でも所持している株の株価が下がる事も有る。
よって、日経平均やTOPIXは全体の流れを見るだけの物で、気にしすぎるのは長期運用を考える上ではあまり意味をなさない。
本作の基本概念は株の長期運用による利益確保が目的なので、全体平均の株価が上がった下がったと言う一時の事を気にするだけ無駄と言う物だ。
あくまでも今後の流れを予想するだけのものとして捉えてほしい。
以上が知らないでも損する事の無い日経平均についての話だ。
……と言う事で、今回のお話は終了する。
今更ながら、考えてみると証券会社の話を記述していないことに気が付いたので次回はそんなお話。
次回予告……
『証券会社の選び方について』をお送りします。
乞うご期待!?