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DOUBLE ENCORE
「みんなサンキューな、アンコールみたいな臭ぇことやってくれて」
ファンの手拍子に応え、TAKUMIがステージに戻ってきた。小さな会場に黄色い歓声が沸く。
「アンコールなに歌うんだろう? どう思うマサル」
「んーあぁ」
「どうしたの? あんだけ楽しみにしてたでしょ。あまり楽しめなかった?」
「いや、なんでもねぇよ。それよりユミコこそちゃんと楽しめよ」マサルがちらちらと腕時計を見ながらいった。
アンコールの曲は二人とも好きな曲だった。ジャンプするユミコに反して、マサルはしきりに貧乏揺すりをしている。
曲が終わり、そして、また小会場はアンコールの手拍子に溢れた。
「また、アンコールとかあるのか」
「そうみたい、でもこれはウンが良くないと出てこないらしいよ」
「へぇ……」
ユミコ、マサルともに祈った。そしてーー
「キャー出たっ!!」
「あぁ……出てちまった……」
「みんなサンキュー、ダブルアンコールみたいな臭ぇこと……おい、ホント臭ぇな」




