7/1059
IQ5億の女
「犯人はあなたです」
殺人現場に臨場して二十秒、冠菊樹里奈は一人のメイドを指差した。
「ど、どうして私が旦那様を……」
「簡単なことです。何故なら――」
冠菊は現場入り僅か二十秒間で得た情報を元に、推理を飄々と語った。
メイドが落ちるのに五分とかからなかった。
「さすがは名探偵、冠菊樹里奈。今回も秒で解決ね。世界中がその頭脳欲しがるわけよ」
現場に居合わせた婦警がいった。
「いえ、当然の結果です」
「しかし、調子に乗らないことね」
「どういうことです?」
「私、IQ5億の女なんで」
「お前がかい」