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四季彩宝石箱  作者: 泉柳ミカサ
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おや?

ゆーたんがまた泣いている。


ゆーたんこと、愛娘のユウキは今年で三才になった。イヤイヤ期は去ったのも束の間、第一次反抗期の突入だ。

育児がこれほどまでとは思わなかった。あれほど愛しかったはずの顔も今では、私を困らせるためにわざと泣いてるんじゃないかと思うほどけたたましい。

「ゆーたん。どうしていうこと聞けないの?」

いけないとわかってはいるが、苛立ちがどうしても先走ってしまう。

「イヤだ。イヤだ。まだねむくないもん」

小さい体からは想像もつかない声で喚いている。

大袈裟だと、思った。

泣けば何かしてもらえる甘えがある。その証拠に、べそをかきながら薄目でこちらの様子を見ているではないか。

「じゃあ、絵本読もうか」

私は苛立ちを抑えながら微笑んだ。

「イヤだ。イヤだ。ぶーぶ、見たい」

ぶーぶとは、車を題材としたアニメだ。ゆーたんの大のお気に入りのアニメで、これを見ている間は静かにしてくれる。

それに甘んじてところ構わずスマホ越しに見せている。電車内から始まり、買い物中に風呂場までもだ。本物の車より目にしているだろう。

勿論、良くないのは自覚はしているが、しょうがない。

救いの手は国も夫からさえも来ないのだ。来るのは姑の煩わしい手と声だけだ。

あぁー百合子元気にしてるかな。もう何年も会っていない同級生の顔か過って涙が出てきた。

「そーだーな」

私は涙を堪えていった。

仕方なくスマホで絵本を読もうとした。画面をスクロールしていく。「桃太郎、金太郎、浦島太郎……ゆーたん何がいい?」

「なぁにそれぇ? わかーんない!」


おや? 確かになんだこれ。

親も親なら、子も子もか……。

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