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記念日
午後十時、バーにて
マサヒコ
「あれ、ユウジんとこって何年目だっけ?」
ユウジ
「かれこれ13年かなぁ……」
マサヒコ
「もうそんなになんのか、よく持つなぁ。なんか秘訣とかあんのか?」
ユウジ
「お互い深く干渉しないとかだけど、やっぱり一番なのは記念日かな」
マサヒコ
「記念日?」
ユウジ
「女は記念日にうるさいだろ。だから、そこをしっかり祝うんだよ。そこで大事なのが相手の誕生日」
マサヒコ
「どういうことだ」
ユウジ
「俺の誕生日、2月14日で、嫁も同じ。これの意味することわかるか?」
マサヒコ
「いや」
ユウジ
「いっしょくた、に出来るんだよ。誕生日、初デート記念日。告白記念日、婚約記念日、結婚記念日……ついでにバレンタインがすべて一日で済む。今は長男をその日に産ませる予定だ。ほら、いっしょくた、にした方が楽だろ」
マサヒコ
「それ、今日だぜ」
ユウジ
「!!?」