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特等席
ショウマ
「ほらよ、お土産」
アカネ
「ありがとう。ショウマ君どこ行ってたの?」
ショウマ
「ハワイだよ、ハワイ」
トシヤ
「へぇ」
ショウマ
「おれのパパ、スゴいんだぜ。どこ行っても特等席なんだ。飛行機は常に窓際ファーストクラスで寝転べるし、ホテルはホテルで一面、海のオーシャンビュー……いいだろ」
トシヤ
「そんなの一時的だろ、全然スゴくないやい」
ショウマ
「なにぃ?」
トシヤ
「僕のパパ、勤め先は超高層ビルの最上階なんだぞ。しかも、特等席だ」
ショウマ
「特等席?」
トシヤ
「うん。いっつも窓際なんだ!」
アカネ
「そう……よかったね」