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かくれんぼ
ガラガラ
「あら、いらっしゃい」
「志乃ちゃん、同級生のよしみでまた匿ってくれ」
「また、かくれんぼですか?」
「まぁね、ここにぴったりだ……取り敢えず、生と串焼きお任せで」
「はいはい………でも、堂島さんもいい歳なんだから遊びもほどほどにしないと、独身貴族のままですよ」
「それもそれでいいさ」
「そんな悲しいこと言わないでください」
「でも、今さらねぇ」
「……私なんてどうです?」
「え? 志乃ちゃん?」
「はい。これ、結構本気ですよ」
「……いつから?」
「ここを構えたときからです。じゃなきゃ、お店、こんな名前にしませんよ」
《客恋慕》