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龍ノ旅人(旧題 仮免龍神が行く!)  作者: まなしし
第1章 神界編
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3話 修行開始、新たな力

アフロディアが愛が呼んでるとか言って泉から出て行くと、ここには修行をしてくれる4柱が残った。


「では、修行を始める前に」


そう言って龍神が指を弾くと、僕のボロボロの服装が一瞬でしっかりとしたブーツ、長ズボン、半袖に変わった。


「それが当分のお前さんの服装だ。精神体だから汗も排泄も食欲もない。まぁ疲労と痛覚はあるがな。服装がボロボロになっても泉で纏めて修復してくれるから問題ないぞ」


お、おう。泉凄いな、泉先輩と呼ぶ事にしよう。ありがたやありがたや。


「それから、修行の時間区分だな」


そう言いつつ更に指を弾くと全員の手に懐中時計が現れる。


「神は時間の感覚がズレてるからな。泉での治療含め6時間、俺、アスラ、トート、エルマの順だ」


元人間としては真っ青なスケジュールだが、これでようやく修行が始まる。


龍神除く3柱はそれぞれ納得した様子で泉から消えていった。


泉はとうとう龍神と僕の2人だけになった。先ほどの喧騒は息を潜め、優しい光と静寂が空間を満たす。


「あの、この神癒の間ってどこへもつながってないように見えるんですけど」


「基本は転移で移動するからな、出入り口はないぞ」


さっきの3柱が消えた事からうすうす気付いていたが、やはり転移だったのか。


「僕転移とか使った事ないんですけど」


「神界では簡単に出来る。移動したい場所か神を頭に思い浮かべて 転移 と念じればいい」

そう言うやいなや、目の前から龍神が消えた。

誰もいなくなった泉で気合いを入れ直すと、僕は龍神を頭に思い浮かべて転移と念じた。




視界が歪み一瞬の浮遊感を感じた後、目の前は泉ではなく、雑木林が広がっていた。


「上手く転移出来たようだな、行くぞ」


そう言いながら龍神は獣道を歩き始める。僕は初転移の喜びを噛み締めながら後をついて行く。少し歩くと開けた広場のような場所に出た。遥か遠くに広大な滝がうっすらと見え、水の落ちる音やよくわからない生き物の鳴き声なども微かに聞こえてくる。


「お前さんにはこれから“龍気”の扱いを学び、使いこなせるようになってもらう」


そう言うがいなや、 またあの銀の光を体から放出し、今度は手のひらに集め始めた。解放と同時に襲われた謎の圧迫感に僕は思わず後ずさりしてしまう。光の奔流は10秒程で収まり、龍神の手のひらにはゴルフボール大の光の塊が存在感を放っていた。


「これは……?」


「俺の“龍気”の一部だ。これを体に取り込み、日々の鍛錬によって体に馴染ませ、増幅させる。“龍気”を扱った技を覚える。これがお前さんの修行だッ」


会話を言い切るかどうかという内に、龍神は10メートル近くあった距離を全く知覚できない速度で移動すると、僕の胸にその銀の塊を叩きつけた。


「え?……アガッ……グァァァァァ!!!」


力の塊が僕の胸に沈むと同時に銀の奔流が僕を包み、凄まじい勢いで身体中を駆け巡る。体を内側から食い破られるような痛みが全身に走ると同時に景色が色あせ、ゆっくりと時間が流れ始める。遠くから微かに聞こえていた滝の音がやけにはっきり聞こえ、霞かかっていた崖がやけにはっきり見えた。思わず一歩下がってしまった足は地面を凹ませる。永遠とも一瞬ともとれる時間が過ぎると体の痛みが徐々に引いていき、光の奔流も収まり始めた。痛みも光も収まり、肩で大きく息をして呼吸を整えていると、今度は体の表面を金の光がゆらゆらと漂っていた。


「ほぅ、お前さんは金か」


「はぁ……はぁ……今の感覚は……身体強化……?」


そう、あそこまで強化はされなかったが、体に溢れる力、時間がゆっくり流れる感覚は間違いなく勇者時代何度もお世話になった身体強化魔法だった。


「身体強化でもあるな、しかし、“龍気”はそれだけじぁない。身体に纏わせて攻撃をそらしたり、魔力と練り合わせて魔法の威力を爆発的に増加させることも出来る。この世界では龍の名を冠する者にしか使えないまさしく神の力ってやつよ!」


ハッハッハァ!と高笑いしながら残像を残して反復横跳びを始める龍神。あの、痛いです、踏み込みで地面の破片が飛んできてます。


龍神の興奮が収まってから改めてこの力についてメリット、デメリットの説明を受けた。纏めると次のようだ。


・メリット 前述したような圧倒的な力を得 ることができる。


・デメリット 力を解放している時に制御を誤るとさっきのような激痛に見舞われる。下手をすると内側から身体を破壊される(これを聞いた時にかなり冷や汗が出た)、力を使い過ぎるとしばらくの間身体能力が大幅に下がる。

なお、これらのデメリットを軽減するために基本的には部分展開して力を使うのが一般的らしい。

新たな力が自分の物になっていくという実感を噛み締め、残りの時間はひたすら気を制御する練習に費やして龍神の初訓練は終了したのであった。



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