2話 -顔合わせ-
「俺は龍神だ」
うん、もう何も驚くまい。徐々に麻痺してるんだかタフになってるのかわからないマイマインドで一瞬湧き上がった様々な感情を捩じ伏せて一つ大きく息を吐く。
「ということは、僕は龍神を継ぐんですね……」
「そうなるな」
「あ〜ん、りゅーちゃんカッコいい〜」とか言って龍神に絡んでる女神の声をBGMに、せめぎ合う龍神を継ぐというプレッシャーとマイマインド。
「僕人間なんですけど龍神なれるんですかね」
「修行してれば角くらい生えてくるから」
頑張れマイマインド。鋼の精神だ。
「修行って何をするんですか?」
「最高神の1柱だからな、この世界の様々な武術、魔法知識、言語、その他諸々を他の神から徹底的に叩き込んでもらう予定だ」
ごめん、鋼じゃ耐えられないかも。
「安心しろ、お前は今精神体だ。空っぽの容器だ。知識はどんどん溜まっていくから思いっきり学べ」
「戦闘経験は……?」
「………体で覚えろ、泉の力を信じるんだ!」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ついに耐えられなくなって頭を抱え始めたその時、今まで静かだった泉がなんだか騒がしくなってきた。
「お、来た来た。久しぶりだなぁ!」
龍神が嬉しそうに僕の背後に声を掛ける。その声を追うように振り向くと、3柱の神が現れた。
挨拶もそこそこに、龍神が彼らを紹介してくれた。
「フン、おいヒヨっ子。厳しくいくから覚悟しろよ」
そう言って僕を見下ろす、燃えるような
赤髪を逆立て、袴のようなものを履いた半裸の大男は武術神アスラ。あらゆる武術を習得し、日々研鑽を積む生粋の武術家だ。世界の武術を見守り、研鑽を積む者に加護を与えているらしい。上級神だ。
「魔法の……深淵を……見せてあげる」
そう言って僕をじーっと見つめる、翠の眼でストレートの黒髪を腰まで伸ばした少女は魔法神トート。あらゆる魔法を使いこなし、薬学、調合学何でもござれ。世界の魔術を見守り、才あるものに加護を与えているらしい。この子も上級神。
「上に立つ者として、あらゆる種族、文化を理解、尊重して欲しい。あ、音楽に興味あるかい?」
そう言って、長めの栗色ヘアーを揺らしてにこやかに笑うエルフの青年は旅神エルマー。
下級神だが、生前は吟遊詩人として様々な楽器を演奏しながら世界中を旅していたそうだ。吟遊詩人や世界を巡ろうとする旅人に加護を与えたり、たまに神界から降りて情報を集めたりしているらしい。
「そして、龍神としての力の使い方は俺が教える」
なるほど、この4柱が僕の師匠と言う訳か。
「精神体だから睡眠は不要。四肢が吹き飛んでも泉に入れば復活するから思いっきり修行出来るぞ」
と、にこやかにめちゃくちゃ物騒な事を言い出す最高神。
「よろしくお願いします!!」
頑張れ〜と美の女神が気の抜けた応援をする中、ここまできたらとことんやってやる!そんな気持ちを胸に、想像を絶する神界修行が始まったのだった。
旅立ちまで後2、3話かなぁ〜




