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龍ノ旅人(旧題 仮免龍神が行く!)  作者: まなしし
第3章 人間の国と勇者編
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8話 激闘

戦闘シーンって書くの難しいですね、楽しいですけど。

ガアァァァァァァァァ!!!


俺達を敵と認識した獅子が衝撃波を伴う咆哮を放つと、タテガミが白くなり、黒い毛皮に白銀の線が走った。メキメキと言う音とともに、俺の身長くらいだった体格がさらに2回り程大きくなる。


「あ、兄様!!あれは何なのですか⁉︎」


「魔皇獅子だ!特徴は祠の熊と同じだが、力と速度が段違いな上に雷撃まで放ってくるぞ!!」


魔皇獅子。魔国領の奥深くに生息しているSSSランク魔獣、通称黒獅子だ。神界では修行の準備運動としてよく戦っていたが、今の状態では出会いたくない相手だった。


「……大丈夫です!あれから3年も訓練してきたのです。兄様と2人なら倒せますよ!!」


俺の言葉に一瞬怯んだソフィアだが、そう俺に言うと、直ぐに“龍気"を纏わせ戦闘態勢をとる。それは自身に言い聞かせている言葉のつもりだったようだが、日和っていた俺を奮い立たせてくれた。


凄まじいプレッシャーを放ちながら佇んでいた黒獅子が軽く唸ったかと思うと、あっという間にソフィアに接近し豪腕を振るってきた。


「ハァッ! ……うわわわ!!」


加速した思考で電光石火の攻撃を見切り、カウンター気味に黒獅子の顔面に上段蹴りを叩き込んだソフィアだが、逆に弾き飛ばされて大きく態勢を崩してしまった。


顔面への攻撃を物ともせず、追撃を行おうとした黒獅子の脇腹へ俺がすかさず切り込み、吹き飛ばす。かなりの勢いで壁にぶち当たっていたがおそらく殆ど効いていないだろう。態勢を立て直したソフィアが俺の隣に並ぶと同時に、黒獅子も床に散らばった松明を踏み潰しながら壁から復帰し威嚇してくる。すると今度は毛皮に走る白銀の線が一際輝き出し、タテガミがスパークを発生させながら逆立ち始めた。


「兄様‼︎こ、これは⁉︎」


「離れろ!!!」


2人同時に大きく距離を取ったその瞬間。咆哮と共に黒獅子が雷撃を放つ。俺ら目掛けて放射状に放たれた雷撃は石畳の地面を爆砕しながら空間を蹂躙する。いくら龍人といえど当たればひとたまりもないだろう。


「全く隙が無いですね兄様。弱点はないのですか?」


「雷撃を放った直後は少しの間弱体化するから、こっちの攻撃がまともに通るのはその時だな。あと、あのパフォーマンスを維持するのにかなり魔力を消費するから長期戦は出来ない。2人で隙を縫って雷撃を誘い、力が弱まったら総攻撃だ!」


低く唸り声を上げている黒獅子と向き合い、ソフィアへ情報を伝える。言葉にすれば簡単だが、一撃一撃が尋常では無い威力を秘めた攻撃を掻い潜りダメージを与えるというのはかなり難易度が高い。俺達は視線を交わし短く頷くと、黒獅子を挟み込むように左右に散開し反撃を開始した。



ーーーーーー



お姫様の言う通り、日が高く登った頃、僕達12人は始まりの迷宮の入り口に集められた。


「では、これより迷宮での訓練を始める。君達の指導はこの私と5名の騎士により行われ、主な内容は最下層第三層でモンスターとの戦闘訓練となる。では行くぞ」


そう騎士団長は説明すると、僕達を連れて迷宮へと進んだ。


1層は何もないらしくただ進むだけだったが、ゲームでしか見た事のないような光景に男子は興味津々だった。


「おいノブ。お前まさか異世界に来ても荷物持ちになるとはな」


「よっ!収納の勇者様!」


そう言って僕に話しかけ、大笑いしているのは不良3人組だった。勇輝君は彼らに注意していたが、他の人達はそれを遠巻きに見て笑っていた……はぁ。


僕はこの異能を活かすため、ポーターと呼ばれる荷物持ちの役割をしていた。彼らの手に持ちきれない荷物を僕が預かっているため、僕を守るような陣形になっているが、こうして囲まれて馬鹿にされているのでとてもつらい。


2層はかなり本格的なトラップが設置されていたが、誰も歩かないような場所にあるのが殆どでサクサク進み目的地に辿り着いた。


「おぉ……」「本当に緑色だ……」「あれが……」


3層に辿り着いた僕達は、初めて見る魔物に興奮していた。


「おい、眺めていないでどんどん倒せ。城での訓練を思い出すんだ!もし怪我をしたら騎士団か回復魔法の使える仲間にすぐ教えるんだぞ。では始め!」


力を使いたくてウズウズしていた人達が雄叫びを上げながらゴブリンに突撃していくなか、僕も近くにいたゴブリンと戦う。


「くっ!……この!」


飛びかかって行った人達はほぼ一撃で倒しているので簡単かなと思ったが意外と強い。僕は自分のあまりの弱さに悲嘆しながら、ゴブリンと打ち合うのだった。



ーーーーーーー



薄暗い空間に白銀、翡翠、金の光が飛び交う。命を奪わんと振るわれる剛爪を躱し、弾き、すかさず攻撃を叩き込む。徐々に蓄積されていくダメージによって、最初の頃より黒獅子の動きが鈍くなってきた。


俺達による絶え間ない攻撃から逃れようと、黒獅子が何度目かの雷撃モーションを取る。

今までは、大きくバックステップしてから雷撃を放たれていたため追撃が出来ずにいたが、今度は様子が違う。これは……


(ソフィ、チャンスだ!アレを決めるぞ!!こっちへ来い!)


(わ、分かりました兄様!!)


激しいスパーク音の中、念話で素早く指示を出すと俺はバレーのレシーブのような構えを取る。駆け付けたソフィアがしっかりと俺の両手に飛び乗ったのを確認すると、天井目掛けてソフィアを投げ上げた。俺が素早く後退すると同時に、上昇したソフィアが天井を蹴り抜き、体を逆さまに固定する。


その直後、黒獅子は雷撃を放射状に放つのではなく自身の周囲を覆うように解放した。

神界での戦闘経験によって技の違いを見抜く事が出来たのだ。


「いけぇぇぇソフィィィ!!」


俺が叫ぶと、雷撃が終了するかしないかのギリギリのタイミングを見計らい、天井からソフィアが急降下した。空中で素早く反転し、全てを出し切る勢いで全身に“龍気"纏う。翡翠の光を放出しながら降下する様はまるで彗星のようだった。


「うぉりゃぁぁぁぁぁ!!!!!」


叫びながら猛烈な勢いで突撃したソフィアが、翡翠の旋風を巻き起こしながら地面に巨大なクレーターを穿った。技の硬直で動けない黒獅子に、ついに渾身の一撃が届いたのだ。


土煙が晴れると、黒獅子が地面に縫い付けらたように地に叩きつけられていた。


「へへへ……やりましたよ!兄様!」


そう言うと、黒獅子の上から飛び降りるソフィア。疲労の色を見せながらも晴れやかな表情をしている。


「あぁ、お疲れ様。見事だった……ソフィ!避けろ‼︎‼︎」


「ふぇ?兄様何を……きゃああああ!!!」


安堵の空気が流れたその瞬間。地に伏していた黒獅子の目に光が灯り飛び起きると、ソフィアを殴り飛ばしたのだ。あの一撃を受けてまだ立ち上がるとは恐ろしい耐久力である。


「ソフィ!!大丈夫か⁉︎」


咄嗟の出来事だったが、反射的に体が動きソフィアを受け止める事ができた。


「ゆ、油断しました兄様……ゲホッ。た、大した事はありません」


防具のおかげで外傷は無い。流石エンシェントドラゴンで作られているだけはある、が“龍気"の切れた状態での衝撃はかなり堪えたようだ。


「お前は良くやったよ。後は俺に任せろ……とっておきを使うからしっかり見ておくんだぞ」


そう言って俺はソフィアを優しく撫でて安心させ、壁際に後退し比較的安全な場所へ置き、先程の場所まで戻る。黒獅子は流石に満身創痍のようで足が震えていたが、その紅い目は光を失っておらず、力強く俺を睨みつけていた。あの一撃で決まると思っていたので使うつもりは無かったが、その闘志に敬意を表し、俺の全力をもって終わらせてやる。


俺は一つ息を吐くと、“龍気"を循環させる。金の燐光が体から発生し、その全てが右手に収束していく。


それを見た黒獅子は血を吐きながら唸ると、身体を白銀に輝かせタテガミを逆立てる。どうやらあちらも一撃に賭けるようだ。


俺はその姿に、最後まで足掻こうとするその意思に心を昂らせながら“龍気"の供給を止め、左手に魔力を集める。使う属性は聖属性、一番得意なこの属性で真向勝負を挑む。


黒獅子が今まで以上のスパークを発生させながら魔力を高めている。限界を迎えかけているその身体からは血が噴き出し始めていた。


それと同時に俺は左右の力を融合させる。黒獅子に負けないくらいのスパークが発生し、白と金の莫大な力が手の中で暴れ出す。


互いに力が臨界に達したその瞬間。特に合図をした訳ではないが、両者同時にその力を解放した。


「ゴアァァァァァァァァァァァ!!!!」


「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」


次の瞬間、命を削った渾身の雷撃と神の奥義、龍の息吹ドラゴンブレス が炸裂し、衝突する。


両者の中間でぶつかり合った莫大なエネルギーは、中心部の地面を蒸発させ、周囲の石畳を融解させる。激しい衝撃波を撒き散らしながらしばらく拮抗したエネルギーは徐々に雷撃が押され始め、そして大爆発を起こした。
















強烈な閃光と爆音にやられた聴覚と視覚が徐々に回復し、景色が戻ってくる。


まだ耳鳴りの残る頭を振り、前を見ると


炭化した巨大な獅子が、ブレスを放った姿勢のままその命を散らしていた。



エンシェントドラゴンはかなり昔に龍人族総掛かりで倒したそうですよ

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