表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

第5話:写真

「写真…?」

「…うん。あたしの…、あたし達の、思い出の写真。」


藍ちゃんはそう、ぽつりと言った。

その藍の表情は、とても満ち足りていて、どこかうれしそうな様子がうかがえる。

その写真に写っているのは、五人の子供。

皆、楽しそうに笑っている写真だった。


「あ…、これ、私だ…」


私がその事実に気付き、その写真の一人の少女を指差して言う。


「私だけじゃない…、藍ちゃんも、みーちゃんもいる…。拓也もいるし、弘斗もいるよ…。藍ちゃん、これ、いつの写真なの?」

「…あたしが、引っ越してきて一週間がたったくらいのときのだよ…。一年生の…」


写真に写っているのは、今の仲良し五人組の小さな姿。


「あのとき、引っ越してきたばかりで、友達が居なかったあたしを…友達にしてくれたのは…。みんなだったよね。」



そう…あの時…。あの時、藍ちゃんの友達になったのは…



***


私達が一年生のとき。

あいちゃんが、転入してきた。

あの時のあいちゃんは、友達がひとりも居なかった。だから、私達は…


「ねぇねぇ。わたしたちと、ともだちにならない?」



そしてあいちゃんはあっという間に私達の大切な存在となっていった。



それから、いろいろあった。

喧嘩したり、協力しあったり、笑いあったり…。

春には、同じクラスだとかそうじゃないとかで盛り上がったね。

五人そろって同じクラスだったときには、感動してずっと喜びあったよね。

そういえば、夏休みの宿題と称して夜中にみんなで星を見に行ったっけ。

あのときの星は、とても綺麗に輝いていたよね。

たしか秋には、風に舞う落ち葉を追いかけて遊んだね。

そしたら必ず一人が転んで大騒ぎになっちゃったよね。

冬には、雪だるまとかまくらをつくったね。

みんなと協力してつくったのに、かまくらは結局ひとりくらいしか入れなかったね。


…楽しかったなぁ、あの日々は。

私は、今でもあんなふうに楽しい日々を過ごしたいよ。

みんなも、きっとそうだと思う。

あの、楽しかった日々を、取り戻したいと願っているに違いない。

その証拠に、

あいちゃんは、その頃の写真を今でも持っているし、

みおちゃんは、懐かしそうだけど、少し寂しそうにその写真を見ているし、

拓ちゃんは、あいちゃんと喧嘩したのをとても後悔しているような表情をしているし、

ひろちゃんは、少し寂しそうにその様子を見ていた。


何とか更新することができました。

これも、この小説を読んでくださっている方々のおかげです。

これからも、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ