第4話:謝罪
「拓ちゃん」
拓ちゃんに、謝ってもらいたい。
拓ちゃんがしっかり謝ってくれないと、解決しないような気がするから。
「…あの、さ。あいちゃんに…」
「…分かってるよ」
静かに、拓ちゃんが口を開く。
「分かってるんだよ…、謝らなくちゃいけないことくらい…。」
拓ちゃんは、頭をかかえてうずくまってしまう。
「でも、あんなにひどいこと言ったんだぞ?…それなのに…」
「だからこそ、だ。」
ぽつりと、ひろちゃんが言った。
「だからこそ、謝らなくちゃいけないんだ」
ひろちゃんの力強い言葉に、
「でも…、あんなにも、あいつを傷つけてしまったのに…、今更謝っても…。」
小さく…、小さく、拓ちゃんが言う。
「今からでも遅くないよ!まずは謝らなくちゃ!」
今からでも遅くない。
遅いかもしれない。
でも、遅くない。
今からでも、遅くない。
まだ間に合う。
だから…。
「謝ろう」
それで、すべてが元通りになるのなら。
***
「藍ちゃん」
「…美緒…ちゃん…」
藍ちゃんは、一人だけで帰り道を歩いていた。
私は、藍ちゃんに話しかける。
「藍ちゃん。…何で一週間も来なかったのか…、教えてくれない?」
「あたし…は…」
藍ちゃんはそう言いかけ、ポケットに手をのばした。
***
「あっ、いたいた。あいちゃ――」
「待てよ、何か二人で話してる」
その時、私はあいちゃんたちの姿を見つけ、手を振ろうとするが、ひろちゃんにさえぎられる。
「…?何か、取り出してる…?」
私達は、あいちゃんが持っている物を見ようとじっと目を細めてみた。
すると…。
そろそろ毎日更新はきつくなってきました…。
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