賑やかな人?
ブックマークが10件越えました!
未熟な部分もまだまだございますが、「子どもなボクの異世界行脚〜お家に帰るまで頑張ります〜」をよろしくお願い致します。
……10分位泉眺めながら待ってみたけど、まだひそひそ喋ってて動く気配がないよ。ちょうど茂みにかくれてて姿は確認できないなぁ。
待つのも飽きたし、こっちから接触してみる?
「……ょっと、……ませんよー」
「……ないよ〜」
「……い、……すな、押すなってば」
「「「うわぁぁ!?」」」
ドタッと雪崩れ込んできたのは、今の自分と変わらない見た目の3人の子どもたちです。
……というか、3人とも見た目がほぼ同じ。多分茶色の髪に緑色の目。着てるものはアレですよ、アレ。よくゲームや絵本にでてくる小人や妖精が着てる服といえば、想像しやすいとおもいます。
「イテテ、重いよ〜降りて〜」
「ふぇぇぇぇん、だから言ったのにー」
「とにかく、早く立ちましょう」
……おい、下敷きになっている1番目と2番目はわかるけど、3番目!!お前がどかんと2人はたてないだろ!
なんか、身構えて損したよ。気が抜けたし、起きるの手伝うか。
近づくと、此方に気付いたのか、ビクッとされた。特にサンドイッチ状態の真ん中の子は真っ青になってる。わ、私のせいっ!?
「あ〜その、大丈夫ですか〜?」
恐る恐る声をかけたら、
「あ、すみません、起きるの手伝ってもらえませんか?」
「お、お゛もい〜はやぐお゛り゛ろ゛〜」
ヤバい、下敷きになっている子が圧死する!?
一番上の子から順番に引っ張り起こしてあげる。
「いやはや、助かりました。どうもウルフたちが騒いでいるようなので此方に足を運ぶことになったのですよ」
……随分口達者な子だなあ、それに理屈っぽい。将来丸眼鏡が似合うよ。
「ウンウン、それでいきなりウルフがこっちに逃げてきたんだよ。だから、戦おうとおもったんだけどさ」
「逃げてゆくウルフたちを全て倒すのは、無駄です。それよりも原因究明が先だと考えました」
「えーそんなのつまんないじゃないか、僕のきゅーきょく奥義の出番が……」
「だいたい、どうやって戦うんですか。キミ、いま武器になるもの持ってないじゃないですか。」
なんか、途中から話しについていけないぞ。あ、けど『きゅーきょく奥義』は気になる。
……ん?会話に入らずオドオドしてた子がそばによってきたけど、なんだろう?
「あの……その……えっと……傷だらけだけど平気なの?」
この子、めっちゃいい子だ!!だけど、自分でもすっかり忘れてたから、言われて身体中ジンジンして痛いよー!!
「えっとね、ここの水を使えばいいよ。この泉はね癒しと浄化の力をもっているんだ」
ナ、ナンダッテー!?
そしたら、襲われる前にペットボトルに汲んだ水を使おう!!
……カバン、どこにやったっけ?見、見当たらないデスネー
ポスッと音がしたので振り向くと、リツの足下にカバンが。リ、リツー!!なんて優秀なんだ!これぞ、以心伝心ってやつだね。え、違う?そんなこと知りません。
カバンからペットボトルを取り出すと、
「それなに!?それなに!?」
「へぇ、面白い形の容器ですね。素材も見たことがないですね……」
のわっ!?いつ近くに来たのさ!?無視だ、無視。怪我を治すほうが先だ。
水を2、3口飲んで残りは服脱いで傷にかけたほうがいいんだろうが……えぇい、知るか、ここにいるのは幼児だ。羞恥心なぞ捨ててやるっ!!
服を脱いで水を背中にかける。最初は滲みたが、痛みがだんだん薄れていった。おおーこれはすごいや。なんてファンタジー!!痛み止めも傷薬もいらないね。
ボロボロになった服を着直し、さて改めて小人トリオと話をしてみましょうか。
ちびっこ集団との出会いでした。個性が中々強そうです。
傷の治る泉や湖は、お約束ですね!!
次回、この世界について少し学びます。