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驚愕の事実と初料理

総合評価100pt、並びにブックマーク40件越えました!本当にありがとうございます。




―――――ベロンッ



「うっひゃあ!?」



なんだ、なんだ!?今、ザラッとヌルッとしたんですけど!


「クゥ〜ン、クゥ〜ン」

「リ、リツ!?ビックリしたあ……」


リツが顔を舐めたんですね……これで2回目ですね。全然慣れないや。それよりも、何でベッドの上にいるんでしょうか?


えーと、確か魔法を教えてもらって、土魔法を試そうとして……そのあとの記憶がありません。急に頭が痛くなって気分が悪くなったから、多分倒れたんですよね?


「リツ、何か分かりませんか?……って話せないから無理ですよね」


リツを撫でながら思わず聞いてしまいました。満足そうに尻尾を振っています。はぁ……お話してみたいです。毛がモフモフして気持ちいいので、そのまま撫でていたらドアが開いてパウルとペーターが入ってきました。


「あ、よかったあ。もう大丈夫?リツに乗せてここまで運んだんだ」

「急に倒れたのでびっくりしましたよ。ポルンが泣いて大変でした。また泣いても面倒なので、長老様の所に置いてきました。後で声をかけてやって下さい」

「そ、そうですか……ありがとうございます」


しかめっ面をして話すペーターを見るにかなり大変だったみたいです。


「ボク、どれくらい寝てましたか?」

「んーとね、今が4時半だから……だいたい1時間ちょっとかな?」


結構寝た気がしましたけど、そうでもなかったみたいです。この世界の時間ももとの世界と同じみたいですね、よかったあ。

それはともかく、なんで倒れたか確認しないと……一応予想はしていますけどね。


「すみません、ボクの倒れた原因って……」

「「魔力の使い過ぎ」ですね」


「………………………………………………やっぱり」


ボクは初級魔法を6回使って倒れました。ということは、魔力を初級魔法6回分しか持っていないということですね。


「けど、君の魔力量がハッキリ分かりました。残存魔力が2割以下になると倒れるので……大体1,500位ですかね?ぎりぎり中級魔法1発分使えるかってところですね」

「……ちなみに人間の平均魔力量って」

「確か、5万位だったはずだよ。よく魔法使えたね〜普通だったら発動もできないのに」


今ここに自分最弱説が誕生しました。……ハァ。


「そ、そんなに落ち込むことないですよ。年齢を重ねるごとに魔力量は増えます。あと、魔力コントロールが良くなれば魔法1回分の消費量が少なくても威力が変わらずに魔法が発動しますから、練習すれば大丈夫ですよ」




確かに、魔力を効率よく使えるようにするのも大事だけど……


「……魔力そのものを上げる方法はないですか?」


「………………ないです」


ん?今、躊躇いましたね……ペーターの顔がビミョーな表情になっています。パウルを見ると目がものすっごく泳いでいます。




―――睨みあうこと、3分




「あ〜〜、もう、分かりましたよっ!喋れば良いんでしょ!まったく……」



へっへ〜ん、ボクの勝ちです♪……えっ、どうやったかですか?真顔でじいぃぃぃいとみてただけです。にらめっこの常套手段ですね。


「魔法を使い続けて、体内の魔力をギリギリまで減らすんです。そうすると命の危機だと判断され、魔力を溜める器が壊れて器を構成する魔力が生命維持に使われます。その後、器が再構築されます。その時に、器が以前よりも魔力を多く溜められる様になるんですよ」


な、なるほど……じゃあ今倒れたけど、魔力は少し上がったんですね!!これからバンバン魔法の練習をしましょう!


「ねえねえ、喋っちゃって大丈夫なのかな?長老様が無茶するから絶対に教えるな、って言ったよね?」

「咲夜に脅された、とでも言っておきましょうか。あの様子じゃ、絶対また倒れますからね」


ヒソヒソ話しててよく聞こえないですけど、気にしませーん♪リツをモフモフしましょう♪


「ハァ……それじゃ僕たちは行きますね。夕ご飯の時間はあと1時間位なので時間になったら降りてきて下さい」

「あっ、ボクも一緒に行きます!」

「まさか、魔法の練習するつもりじゃあないですよね?」


うっ、ぺ、ペーターがギロッと睨んで怖いよ〜!


「ち、違いますっ!長老様とポルンに会って食堂に行こうと思ったんです!」

「そうですか、なら会議室に行けば多分2人ともいると思いますよ?」

「会議室?」

「一番最初に入るたくさん椅子とテーブルがある部屋です。」

「なるほど〜分かりました!行ってみます」



階段を降りてパウルとペーターと別れてリツと会議室に向かいます。会議室に繋がるドアを開けると長老様がポルンの頭を撫でていました。


「おお、咲夜。もう平気かのう?………………ほれ、咲夜も元気になったんじゃから、いい加減泣き止みなさい。」

「グスッ………ヒィック、ざ、ざくやば、だいじょうぶだの?」

「うん、この通りピンピンしてますから、心配かけてごめんなさい」

「……………………うん」


ホッ、良かった。かすかにだけど笑みを返してくれました。リツにアイコンタクトをとると尻尾でポルンの頭を撫で始めました。よし、ポルンはリツに任せましょう。



「さて、ペーターたちから聞いたと思うがお主は魔力が極端に少ない………が、属性は多いし、魔力の質はかなり良い。練習を重ねれば、強力な魔法を使えるようになるから頑張りなさい。ただし、無茶はせんようにな」


「ひ、ひゃい!」


一瞬、眼光が鋭く光りました!さ、さすがペーターとは迫力が全然違います。


「もう少ししたら、夕飯じゃから食堂にお行き。儂はちょっと休んでから行くからの」

「そうします……リツはどうする?残りますか?」

「ワウ、ワウ」


ポルンを心配そうに見てるので声をかけたら、返事が返ってきました。フフッ、リツは本当に優しいですね。それじゃ、ボクは食堂に行くとしましょうか。


食堂に着くと、まだ準備中だからか、人がほとんどいません。カウンターに近づくとトゥッタさんが声をかけてくれました。


「あれ、咲夜?まだ夕飯の時間には早いよ。今日は手伝いはなし、って言った筈だけど…」

「えーと、ちょっと厨房を見たいな〜なんて……えへへ」

「ああ、別に構わないよ。そうだ、他の奴も紹介するよ。ケント、ネイン、ちょっとこっち来て」



呼ばれて来たのは色違いの服を着た2人の要請さんです。


「オイラはケントさ。おじょーちゃん、オイラに惚れたら火傷するぜい?」

「おれ、ネイン。だいたいトゥッタの手伝いしてる……ケント、うっさい」

「グボファ!」


面白コンビで暗めの赤い服のきざな方がケント、緑の服の静かな方がネインですね。あ……今、見事なアッパーカットが決まりました。


「だ、大丈夫ですか?」

「お、オイラはもうだめだ……せめて、カワイイ女の子に殴られたかった、ガクッ」

「いつもこんなんだから放っといて、オケだよ」

「……あんまりふざけてると、しばらく甘味禁止にするぞ?」

「どうも、すみませんでしたあぁぁあ!!」


ひっくい声と冷めた眼で見るトゥッタさんにケントはスライディング土下座をしました。

なんて見事な土下座……この人、できるっ……!


「はあ……もういいから、仕事しなさい」

「はいいい!」

「さて、咲夜。まだ早い時間に来たってことは、料理したかったの?」

「料理リクエストしたんですけどやってみたいなあと思いまして。カウンター越しに見るだけでもいいので!」

「うん、いいよ。材料は準備終わってるし後は捏ねて焼くだけだし」

「やったあ!ありがとうございます!」

―――30分後、



「えーと……は、初めてにしては上出来だよ!」

「……初めてじゃないです。人生2回目です」


……トゥッタさんの優しさがイタイです。

具材を混ぜ、捏ねて、空気を抜くのは出来たんです。ひっくり返すのに失敗したんです。焦げはしなかったけど……フライパンにべちょって落ちて丸かったのに歪な形になりました。形を整えようとしたら、ひびがはいって真っ二つ。全然笑えません。皿に盛り付けてソースをかけ、他のハンバーグと並べると酷さがわかりますね。


「練習次第で上手くなりますよね。これから頑張ります!」

「その意気だよ!とりあえずはい、パンとスープ。食べてきなよ」「あ、ありがとうございます。いただきます」


座ってハンバーグを食べると、ちょっぴり生でした……うん、ホントに頑張りましょう。


食べてる間に、リツも来てハンバーグ(トゥッタさん作)を食べました。

リツは雑食なんでしょうか?付け合わせの野菜のソテーも食べてたけど……まあ、まだ会って1日しか経ってないですしこれから分かるでしょう。



咲夜は魔力を持ってましたが、非常に少ないです。が、がんばれ!

ハンバーグって、定番料理だと思います。調理実習で作った記憶がかすかにあります。


次回、1日を振り返って。お風呂でまったりします。

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