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これからの事を考えましょう

「さて、もう少しで昼の時間じゃし、昼ご飯を食べて午後に勉強をしようかのう」


「あの、食堂で手伝いもしたいです。ご飯を作れないと、食べられる物が限られてくるので……」


ここ、重要です!あと、旅に出た後も美味しいものを食べたいという下心があります。



「ふむ、そうしたらトゥッタと相談してみなさい。聞いたと思うが、食堂はトゥッタが責任者じゃからな。あと、勉強するときはこの部屋を使いなさい。ほとんどここに来る者はおらんからの」


「僕はよくここを使いますので、知りたいことがあったら教えますよ」


「……僕も、魔法の勉強するときに時々使ってるよ」


「うん、そうしたら2人に聞きますね。……あれ、パウルは勉強しないんですか?」


そう言ってパウルを見ると、おもいっきり顔を反らしました。なんて分かりやすい反応、おもしろいから効果音付きで


「ジトー」


「ジトー」


「ジトー」


「「「ジトー」」」

「ワウー」


さすが、ノリがいいですね。リツも一緒にやってくれましたし、ノリがいいと楽しいですね♪


「ボ、ボクは剣が得意だからいいんだもん!!修行しよーよー、魔物をバッサバサとなぎ倒す!クウ〜カッコいいぜ!!」


「……いるんですね、魔物」


「?何いってるんですか、昨日のウルフ達も魔物ですよ。魔物は弱いものから強いもの、上位種から亜種まで確認されているもので約10,000位ですかね?実際、もっと多いと思いますよ?」


かなり重要なことが聞けました。そうなると、戦闘技術も必要ですね…


「パウルと修行頑張ります!けど、戦闘経験ゼロなので体力づくりから……」




「わーーーい!!やったーーー!!」


と、ピョンピョン跳ねて大喜び。体を動かすのが好きなんですね。


「ホレホレ、昼にするぞい。他に決めることは後からでもよいじゃろ」


……すっかり忘れてたけどお昼でしたっけ。うぅ、お昼だと意識するとお腹がすきますね。


「それじゃ、行こうかの」







再び食堂にやって来ました。席がかなり埋まってます。皆同じ顔に見えるからちょっと怖いですね……そんなことを考えていたら、長老様がいきなり手を叩きました。


「皆、すまんが少し話を聞いておくれ」


すると、皆食べたり作業をするのを止めて、こちらを向きました。う、視線がザクザク突き刺さってきます。


(…だれ?)


(…全っ然知らないよ?他から来た子かな?)


(シィーー長老様が話してくれるよ…)


ヒソヒソ話してても、人数が多いから聞こえてるんですけど!!

長老様が手招きしてますけど、この視線の中を動きたくない……ハァ、しょうがないですよね。

しぶしぶ長老様の側にいくと、紹介が始まりました。




「ウォッホン、この子は『迷い人』の時舘咲夜じゃ。しばらくこの村で暮らすことになったから皆仲良くするんじゃぞ」


うわっ、なんか転校生の紹介みたいだ!人生初体験!とっ、楽しんでる場合じゃないですね、何か喋らないと……


「えと、と、時舘咲夜といいます。知らないことばかりですけど、一生懸命頑張るので、よろしくお願いします!!」


喋り終わると同時に頭を下げたけれど、何も音が聞こえません。ボク、変なことしちゃいましたか!?



「「「「「スッッゴーーーーーイ!!!!」」」」」

「ふっみゃゃゃああああ!!?」



ビックリして変な声出しちゃいました…まさかの時間差ですか、しかも同じ台詞で。なんか色々喋ってくるけどさっぱり分かりません。ウオオオ、ボクは聖徳太子じゃないので、10人以上の声を聞き分けるなんてできないですよ!!


「全く……落ち着かんかいお主ら、話すときは1人ずつ喋ろとあれほど言うておるじゃろうが」


みんな慌てて口をおさえます。す、すごい長老様に後光が指して見えます!


「とりあえず、話は終わりじゃ。ホレ、早く食べんとせっかくの飯が冷めてしまうぞ」


長老様の話が終わるとご飯を食べ始めたり、食器の片付けが始まりました。


だけど、何が「すごい」のでしょうか?さっぱり分かりません。気になったのでペーターに聞いてみると、


「それは数十年ぶりに『迷い人』が訪れたからでしょう。『迷い人』に会ったことのある者はほとんどいませんから」


え、希少生物と同じ扱い!?そんなこと言われるとスッゴク不安になるんですけど…


「あの…みんな珍しいだけだから、イヤじゃなかったらお話してもらえるかな?」


「僕も異世界の話聞きたい!!おいしい食べ物ある?」


「プッ…クックッ、うん、もう大丈夫です。ありがとうございます。お話は後でしますね」


ポルンは気を使いすぎで、パウルはやりたいことをする、という感じですね。


話ながら歩いていたので、カウンターにすぐ着きました。よし、トゥッタさんに頼んでみましょう!!


「トゥッタさん、こんにちは。あの…ちょっとお願いしたいことかあるんですけど……」


「うん、こんにちは。なんだい改まって、厨房を使いたいのかい?」




「ちょっと違います。出来れば食堂の手伝いをさせてもらえませんか?」


「えっ!?う〜ん……君、料理経験ある?」


「…………………すみません、数回作ったことがあるくらいです。」


「ん〜……火の起こし方とか分かる?」


「……知らないです」


「そっかーどうしようかな、長老から聞いたけど料理を覚えたいんだよね?」


「そ……そうです」


すごく、悩んでる様に見えます。やっぱり素人が厨房うろついたら邪魔ですよね…


「よし、こうしよう!きみのご飯は自分で作りなさい。火の起こし方とかは教えてあげるから」


「うえええええ!?」


いきなりハードル高くないですか!?


「うん。包丁持ったことない人だと、正直邪魔だからね。危ないから。それに、自分のペースで作業したほうが覚えやすいだろう?端の作業場はいつも空いているからさ、そこを使いなよ。あ、条件はあるよ。朝と夜の皿洗いとか台拭きを手伝ってもらうから」


「は、はいっ。頑張ります!!それじゃあ、今日から始め……」


「おっと、手伝いは明日からにしてもらうよ。今日はこれからの予定を考えなよ。言葉や魔法も覚えるつもりなんだろう?」


「!!な、なんでわかったんですか!?」


「あははっ、君の顔に描いてあるよ。それにしても……遭難したのに、手伝わせてくれって言われたの初めてだよ。焦らず、ゆっくり、1つずつやっていけばいいんだよ」


「そう…ですね。焦ってもいいことないですよね。ありがとうございます。トゥッタさん」


「そうそう、一心不乱にやるのもいいけど、時にはテキトーさも重要だよ?さて、話も終わったことだし…はい、これ。きみのご飯。お騒がせトリオと食べてきなよ」


プッ、確かにお騒がせトリオですね。…トゥッタさんは本当にいい人です。


ご飯を持ってテーブルに行くと4人ともご飯を食べていました。


「おお、どうやら話も終わったようじゃな。疲れたじゃろうから、午後は休んでもらおうと思っとったが……」


「あ、大丈夫です!えっと、皆優しいですし、最初に説明してくれたおかげで、自分のこれから先になんとなくの見通しもついて、ホッとしました。なにより美味しいご飯がありますしね!」


エヘヘ、なんかすごくあったかいです。本当にここの人たちは優しいです。


「そうか、無理はせんようにな。」


長老様が心配そうな顔をしています。う〜ん、本当に平気なんだけどな……


「本人が平気と言ってるんですから大丈夫でしょう。それより、早く食べた方がいいですよ。トゥッタさんに怒られますよ」


ペーターは……もう食べ終わっていますね。パウルもポルンも食べ終わって食後のお茶を飲んでまったりしています。ボクも早く食べよっと。




「まあ、ええじゃろ。そうしたら、午後はこの世界の事を簡単に教えて、その後は魔法を教えようかの。儂らは魔法を使って暮らしておるから、使えないと不便が多いからのう」


「ほんとですか!?やったあ!」


まっほう♪まっほう♪スッゴク楽しみ!水がドッバーて出たり風がビュオーと吹いたりするのかな!?いやいや、生活に使うんだからポルンが使った魔法とか教えてくれるんだろうな。

とにかく早く食べ終わって、教えてもらいましょう!!

妖精はみんな賑やかで楽しく気のいい人たちです。



次回、世界についてと魔法を教わります。咲夜に魔法は使えるのか!?

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