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いつもと同じ・・・じゃない!? 1
「うーん!」
私は大きく背伸びをした。
「今日も、部活終了だ!よっしゃー!」
「ありがとうございました!」
音楽室のドアを開け、元気良く一礼。
「ありがとうございました〜!」
皆が答えてくれる。
そう。私の所属している部活は吹奏楽部。
その中でも、吹奏楽部なのに、吹かないパートのパーカッション。いわゆる打楽器に所属している。
音楽室は「教科室棟」の3階で、外階段から正門へ出る。
外階段のて前の外廊下からは、いつも部活の帰宅時間に、はっきりとした月が見える。
「今日は満月だね〜!」
と、誰かがそう言った。
本当だ。本当に、綺麗な満月。
私は見とれていた。すると、
「ちさと〜!何やってるの〜?早くしないと正門閉まっちゃうよ〜?」
部活仲間で同級生の由美がそう言って、降りた階段を再び駆け登ってきた。
「ごめん、ごめん!今行くから!」
「もぉ〜!早くしなよ?」
でも、ずっとあの満月を見ていたかった。
とっても綺麗だった。今まで、あんなに綺麗な月に会った事があるだろうか?
この世のものとは思えなく、綺麗だった。
それも、怖いくらいに・・・。