【海外作家】 詳細(一部)
挫折と敗北と、当時の私はあまりに無力でした。つまりそれは比類なき青春でした。
―――レフ・プーシュカ「回想録」
---【アジア】---
・チャウ・モウワン(ウォン・カーウァイ『花様年華』、『2046』(映画))
香港の新聞記者として活動していたが、後に小説を執筆する。
・ハッシュ・ランチェスター(冬目景「ACONY」シリーズ)
アメリカ合衆国出身の怪奇小説作家。
日本語で執筆している。しかも
400字詰め原稿用紙に手書きで原稿を書くなど
日本語を使いこなす。
妻は日本人だが行方不明であり、彼女を追って来日。
娘との二人暮らしだという。
・ミール・バハドゥール・アリ(ホルヘ・ルイス・ボルヘス「アル・ムターシムを求めて」)
インドはボンベイ(現ムンバイ)の弁護士であり、小説家となる。
著作に、発売後数カ月で千部ずつの四刷を売り尽した推理小説
『アル・ムターシムを求めて』(1932年)がある。
---【ヨーロッパ】---
・スレイド・ソーンダース(C・B・ギルフォード「探偵作家は天国へ行ける」)
(英国の?)探偵小説家。本名:アリグザンダー・アーリントン。
30代でデビューしてから20年の間に、長編を75冊書き、そのうちの
1ダースを超えるものが映画となった。エッセイや短編に関しては
自分でも数を憶えていないほどである。自宅にて刺殺される。
・セバスチャン・ナイト(ウラジーミル・ナボコフ『セバスチャン・ナイトの生涯』)
ロシア出身の小説家(1899~1936)。
イングランドで教育を受け、英語作家として活躍。
著作に、「プリズムの刃先」、「成功」、「滑稽な山」、
「黒衣のアルビノス」、「月の裏側」、「失われた財産」
「疑わしい不死の花」などがある。
・ソフィー・ウィンター(アンネ・シャプレ『Schrei nach Stille』)
ドイツの小説家。
・ニコル・ヴェイユ(清原なつの「金色のシルバーバック」)
女性。14歳までアフリカで育つ。
著書に、『雨の森の生活』、『続・雨の森の生活』がある。
・ハーバート・クエイン(ホルヘ・ルイス・ボルヘス「ハーバート・クエインの作品の検討」)
アイルランドのロスコモン州にて永眠。
『迷宮の神』というミステリ小説でデビュー。
著書多数。
・ハリー・ファーマー(森脇真末味「鏡の前のポダルゲー」)
英語圏の(おそらくは英国の?)小説家。
軽薄な通俗小説と言われながらも書いたものはみなベストセラー。
でもまぁ、貧乏作家(妻が浪費家)。
・ヴェロスラフ・ヒチル(山田尚子/監督『リズと青い鳥』(映画))
童話作家。小説家。
作品に、『リズと青い鳥』、『アニヤ・ハロネンの15の秘密』、
『ツンドラの王』、『櫂をとれ』、
『太陽の少女、月の少年』などがある。
・ヴァイダ・ウィンター(ダイアン・セッターフィールド『13番目の物語』)
英国の女流小説家。
国民的人気を誇る超ベスト・セラー作家である。
イギリス人だが、フランス人とのクォーター。
双子の姉妹がいたが死別している。
・マッジ・ペンローズ(さいとうたかを『ゴルゴ13』第43巻151話「ミステリーの女王」)
英国の推理作家。「ミステリーの女王」と称される。
ゴルゴ13をモデルにした小説執筆をしようとした。
・モイリータ・ケイン(クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』と諸作品)
女流作家。カウラーの社会理論に基づいた1000ページ超えの大作、
『肯定』にて作家デビューした。
---【南・北アメリカ】---
・ウィリアム・フォレスター(『小説家を見つけたら』(映画))
初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーが演じた。
数十年前に発表した処女作が絶大な評価を受け、
ピュリツァー賞を受賞した作家。
アメリカ国内で活動していたようだが、
故郷はスコットランド(ショーン・コネリーと同じ)のよう。
しかしながらその一作のみを発表しただけで遁世し、
現在はアパートに引きこもっている偏屈な老人である。
・カーター・ベンスン(フレドリック・ブラウン『火星人ゴーホーム』)
米国の小説家。金がある様子。
バーンステイン書房から本を出版している。
・キルゴア・トラウト(カート・ヴォネガットの諸作品)
米国の売れないSF作家。
ニューヨーク州のイリアム、あるいはコーホーズに住む。
未完の長編を含め、209作品を執筆した。
1979年にノーベル医学賞を受賞(ヴォネガット『チャンピオンたちの朝食』など)。
おもな著書に、『貝殻の上のヴィーナス』、『おお、きみは匂うか?』
『サンキュー第一地方裁判所』、『宇宙の三日間通行券』
『第四次元の狂気』、『宇宙からの福音書』
『腑抜けの英雄』、『株式取引惑星』、
『銀河系の手配師(改題されて)悦楽の口』
『転轍手の居眠り』、『車輪の災厄』など多数。
・デレク・ハートフィールド(村上春樹『風の歌を聴け』)
米国の作家。1909年にオハイオ州で生まれる。
1930年からプロとして活動。速筆であり量産家。
1938年6月のとある晴れた日曜の朝、右手にヒットラーの肖像を抱え、
左手に傘を差したままエンパイア・ステート・ビルの屋上から飛び降りた。
著作に、「気分が良くてなにが悪い?」(1936年)、
「虹のまわりを一周半」(1937年)、
「火星の井戸」、「冒険児ウォルド」シリーズ など多数。
詳しくは、村上春樹『風の歌を聴け』(講談社文庫)をお読みいただきたい。
・ハリー・ブロック(デイヴィッド・ゴードン『二流小説家』)
米国の作家。
多数のペンネームを使用して、ジャンルを問わず書き続ける二流小説家。
・ホースラヴァ―・ファット(フィリップ・K・ディック『ヴァリス』)
米国のSF作家。
・モート・レイニー(スティーヴン・キング『秘密の窓、秘密の庭』)
米国の人気作家。
映画版ではジョニー・デップが演じた。
・ルーク・デヴァルウ (フレドリック・ブラウン『火星人ゴーホーム』)
SF作家、西部物作家。身長5フィート6インチ(1m67cmほど)。
頭髪は乱れた赤毛。
バーンステイン書房から本を出版している。
ロスアンジェルスでスランプに陥る。
著作に「牧場の雷鳴」、『エルドラドの地獄』などがある。
・ロバート・ハリスン・ブレイク(H・P・ラブクラフト「闇をさまようもの」)
小説家、画家。主に1930年代ごろ活動。
米国、ウィスコンシン州ミルウォーキー、
イースト・ナップ街620に彼の家があった。
著作に「地底に棲むもの」、「窖に通じる階段」、「シャガイ」
「ナスの谷」、「星から来て餐宴に列する者」などの怪奇物がある。
---【ロシア・東欧】---
・レフ・プーシュカ(高村透『金星で待っている』)
本名:セルゲイ・イリイチ・コロリョフ。
ソヴィエト連邦誕生前後に活躍した、ロシアの劇作家。
ロシア・アヴァンギャルド(ロシア未来派――モダニズム芸術の一派)期の人物で、
演出家・俳優のメイエルホリドと同時代の人物。
日本では著作のほとんどが邦訳されておらず、無名である。
幼少期より秀才であったが、モスクワ大学を中退して左翼活動へ傾倒。
投獄もされる。ウラジーミル・マヤコフスキーに誘われて
機関誌『レフ(Журнал Левого Фронта Искусств)』に参加。
当初は前衛的な作風で娯楽性を排し政治的メッセージを伝えようとする手法を用いたが、後には突然政治的活動をぱったりとやめ、純粋さ故に陳腐ともとれる恋愛劇の執筆へと、作風を転換した。
1934年、モスクワのパトリアルシュ公園で、遺作になる「ベネラ」の原稿を抱き、
ベンチの上で眠るように亡くなっているのが発見された。
作品に、「動物的惑星」「回想録」「ベネラ」など多数。
詳しくは、高村透『金星で待っている』(MW文庫)をお読み頂きたい。
・ボリス・アレクセーエヴィチ・トリゴーリン(アントン・チェーホフ「かもめ」)
19世紀末ごろの、ロシアの流行作家。文士。
・ヘンリック・カプリンスキー(遠藤周作「カプリンスキー氏」「女の一生〈2部〉サチ子の場合」)
1920年代半ば生まれのポーランド人作家。もと詩人。クラコフに住む。
第二次世界大戦の時期、アウシュヴィッツ強制収容所の囚人となる。
アウシュヴィッツにて姉が死亡。おそらくは非ユダヤ人。
ポーランドにおける反ナチ・レジスタンスの生き残りか。
---【不明・それ以外】---
・リビー・ホワイト(神林長平『ルナティカン』)
地球のノンフィクション・ライター。
・T・フロゥイング(谷川流「涼宮ハルヒ」シリーズ)
作家。男性と思われる。
著作に『火星にて大地を想う』など。
小説家であるのか歴史著述家であるのか明らかでない。
名前が、TANIGAWA Flowing(=谷川流)であるという説もあるが定かでない。
・W・スコッペ(矢川澄子「ワ゛ッケル氏とその犬」「修辞法」など)
W.Scoppé
専門の職業作家ではない。
フルネームが"ワ゛ッケル・スコッペ"であるかどうか、定かではない。
語り出すものが退屈でないか、それも
定かではない。
お読みいただき、ありがとうございます。
さて、筒井康隆『夢の木坂分岐点』
小林信彦『悪魔の下回り』
綾辻行人『迷路館の殺人』
古野谷敦「純文学の祭り」
いとうせいこう『存在しない小説』
北村薫『中野のお父さん』
ジェシー・ケラーマン『駄作』
ジョナサン・キャロル『死者の書』
などに登場する作家さんは、
現在手元に本が無いものもあり、
また数が多いため、
後回しになっています。
時間を見つけて徐々に補完していこうと思っています。
どうか、ご理解のほどよろしくお願いします<(_ _)>