横浜シティーナイト1
秋の夕暮れが鮮やかだったが、秋風が、金髪の頭の幸一郎を
揺らし、悲しく降りかかる。
マルボロの煙草に、火をつけ、1LDKの自宅のアパートに帰る。
冷蔵庫の、缶ビールを飲んだ。幸一郎は思った。
(よし、飲みにでも行くかぁ)
ミニスカートに茶髪に派手な格好の若い女が、飲み屋の
客引きをしている。街のネオンは、欲望とストレス社会を
反映するが如くなりつつある。
横浜西口5番街。。。
道には、大学生らしき人が、サークルの打ち上げで、酔って
座ってる。くわえ煙草で、歩いていく、北原幸一郎。キャバク
ラのネオンを見つけ、何気なく入店。
うす暗く、やたらユーロビートのサウンドの音。客全員で20
人くらいいるだろう。派手な格好のキャバ嬢が15,6人。
店のソファーに座ると、すぐ香水の匂いがするキャバ嬢が、
幸一郎に、現れ。すかさず名刺を渡す。
『私、美紅といいます。』
幸一郎は、
(おー横浜の女は何て、美しいのだろう)
と、思った。
美紅は、馴れた手つきで、ハイボールを作る。
『お仕事、何してる方なんですか?』
『詩人』
『すご~い。』
そんな、会話をしていた。
渋い声の幸一郎と美しい声の美紅、この二人の声が
やがて、人が生きてゆく邪心を救うのだ。
二人は、まだ出会って1時間しか立ってないのに、天は
二人を運命のよに導いた。しかし若い男と女は、都会で
欲望のむくままにいる。
つづく