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英国国教教会②

英国での拙僧の仕事は忙しくてでございます。


地図を見たら狭い英国だとイングランドを簡単に考えてございました。


各地から拙僧の教義を聞きたいと寄せられる仏教(ブッダ)のセミナーをこなす所存でございます。


この支部は得度をされた高僧が皆無でございます。


なんとでございますね僧侶の有資格は拙僧が初でございます。


聞けばドイツ支部の高齢な高僧が飛行機でロンドンまでわざわざやってきたそうでございます。


「会合セミナーはイングランド各地に散らばってございます。かなりの数でございますね。仏教普及は至難ですなあ」


英国はイングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドと4ヵ国にわかれそれぞれが自治をなしているようでございます。


その証拠に使っている紙幣が異なっています。


スコットランド紙幣と北アイルランド紙幣。


ローカル流通紙幣をロンドンで使ったら拒否されたりいたします。


拙僧は試しに出したのでございます。


「ドエライ嫌な顔をされて拒否されましたでございます」


拙僧はロンドンの近くの教会から教義セミナーに参ります。


行く先はカソリック教会で英国国教教会でございます。


拙僧は敬虔な教義するための特別の袈裟を着ていざ参ります。


ロンドンは女子高生ミドルトンもお供でございます。

拙僧の教義セミナーは初心者にもわかりやすくと座禅を中心にした道元禅師様の教えを説いてまいります。

カソリックの教義とはまったく違います。


ですから入門編が大切でございます。


教会で教義を始めたら…


とたんに信者のみなさんが

「あーんらっ!信者の皆さん、ちらほら居眠りしている。どうも話が堅いなあ。柔らかなものに変えて早く座禅に行こうかな」


こっくりこっくりと白河夜船を漕ぎ出します。


教義の補助はケイト・ミドルトンちゃん。


しっかり拙僧のサポートをしていただけます。教義の内容の英文を配布したり簡単な質問を受ける役ですね。


「仏(仏門)とは何か。禅(座禅)とは何か。むーぅ簡単ではございませんけどね」


居眠りするのも無理はないでございます。


拙僧は英語に馴れて場数を踏みますと教義セミナーの話すコツを体得でございます。


あらあらっ


体得したのでございました!


アチャア~次第次第に支部の取り巻き連中が減ってしまいました。


「拙僧の教義はどうにもつまらなかったのでございましたかね」


自尊心が傷つけられちゃうなあ。せっかく無い知恵しぼってセミナーしているのになあ。


なんと


気がついたら国教教会の役員さんはいなくなりケイトだけが補助者になっております。


「ケイト。君が一番頼りになります。ありがとうでございます」


ケイトは優しく微笑みました。ロンドン・セミナーでお供はケイトだけでございました。


「ムムッさては。美少女ケイトは拙僧に惚れたな!青い眼をした娘さんを日本に連れて帰るなんてことになりでございます」


拙僧の歴史あるお寺に青い目をした女将さんがでございます。


拙僧はケイトの笑顔をじろじろ見てしまいます。


ニヤニヤしながら妻にとか考えたりしてね。


ハッ…ハックション!


ブルブル、


けっ!


なんでございますか。クシャミでございます。


また拙僧の同級あたりが良からぬ噂しているんだろうなあ。


「拙僧の国際的な恋に水を差しに来て」


メッ!


この"くしゃみ"が連続したら…


日本にいやがる同期に苦情のメールしてやりたいでございます。


アノヤロー


拙僧を呪ってございますね。


なんせ同期のヤカラは日本で英国支部からのリポートを読み漁りでございます。

あれこれ拙僧への良からぬ指示を出しているようでございます。(と思うけど)


「まったく面白くないやつだなあ。俺はあいつの匙加減で英国をウロウロさせられているだけなんか」


しかし拙僧は幸せでございます。


美少女ケイトは支部で一番腕のいいパートナーになりました。


また宿舎でも頼りになる賢い娘さんでございます。


拙僧はケイトにお礼を申し上げます。


「ケイトはよくできた娘さんでございます。日本に来たいと思いましたら(ケイトは女子高生だから)一般の大学の留学生なり宗門の違うカソリック系大学にも便宜をはかってあげましょうでございます」


あらっ日本にケイト?


拙僧は大胆な男でございますなあ。


ダイレクトに"好きでございます"と伝えたと同じでございます。


「和尚さまありがとうございます。ケイトは日本に興味があります」


子供の頃に読んだ日本の歴史は今でも鮮明に覚えております。


「えっ日本へ留学ですか。嬉しいお話ですことオホホ」


ケイトはにっこりでございます。


拙僧と一緒に日本に行きたいと本当に思い始めていますかね。


拙僧もアッハハでございます。


「おケイちゃんが好き好きだやあムムッ。これからの宿舎の夜はシークレットでございます。皆さん邪魔をしないようにお願いでございます」


拙僧は個人的にケイトを教義して夢中にしたいでございます。


拙僧は毎朝ケイトより一日のスケジュールをもらいます。


ケイトはマネージャーさんですから。


大抵はスケジュールの通りに教義や大学の宗教セミナーとなっています。


今朝はちょっと様子が違いました。


「おはようございます和尚さま。昨夜は英国で大変なニュースが入って参りました。ご存じですございますか」

はてはてニュースでございますか?


拙僧の夜は忙しいでございます。自由時間はいつも宿舎でゲームして…うんうん…。


いやいや


部屋で仏の勉強をしていますからテレビは見ないですね。


見ても英語だし。


「昨夜はミックジャガーの父親がなくなってしまいました。93歳でございます」

拙僧はミックジャガーが好きでございます。


何を隠そうザ・ローリングストーンズのファンでございます。


曹洞系学校時代にはロックの和尚と揶揄でございます。


「木魚でサティスファクションの乱れ打ちをいたしました。仲間は例の本部にいる同期でしたなあ」


ミックジャガーの父親がなくなって国教教会は葬儀を取り行う段取りになるようです。


「ケイトはミックジャガーのファンですの。また国教教会の信者さまでもあられます。ぜひ葬儀に参列できるよう和尚さまから便宜を図っていただきたく思います。お願いします」


国教教会の葬儀ならばケイトぐらいの女子高生(シスター見習い)ならばいけないこともなかろうに。


拙僧ちょっと不思議に感じておりました。


とにかくかわいいかわいいケイトですから願いを叶えたきでございます。


「いいですよケイトちゃん。日本男児の権化(ごんげ)の和尚がミックジャガーの父親の葬儀に教会から参列させてあげましょう。掛け合ってみせるけんなあ」ケイトは嬉しいと顔をくしゃくしゃにしてございます。


キャア~嬉しい


拙僧に抱きつきます


チュ~


幸せをしてくれました。


ダンディな拙僧は一瞬クラァ~。


我を忘れて


…しまいましたでございます。


頭には英国の旗ユニオンジャックがヒラヒラ駆け回りケイトのミニスカからチラッと白いパンティが覗きましたでございました。


女子高生だもんなあ。


早速拙僧は支部に参り教会からの参列者に拙僧を同席僧侶にするように依頼でございます。


この拙僧なる高僧はすぐに許可でございます。身分の高いのは効果ありました。

「ミックジャガーは世界で有名ですからね。仏教もイスラムもウェルカムらしいです。管轄のザローリングストーンズ事務所の返事でございました。


エッとですね


拙僧に対しては日本の他の高僧と2~3人でお経をあげていただきたい。


改めてローリングストーンズ事務所から依頼だそうです。


拙僧知らなかったでございますが日本の他の宗派は欧州にかなりいらっしゃいますなあ。


さて女子高生ケイトの同席僧侶(拙僧のアシスタント)を教会に依頼いたしました。


「拙僧はケイトが必要でございます。英国のセミナーと教義は女子高生シスターのケイトがアシスタントと通訳だからこそでございます」


カソリック教会にケイトをお供と強調しておきました。実際に拙僧の英語レベルで伝えるには無理ですからね。拙僧はケイトがいて始めて役に立つのでございます」

どうしたことですございますかね?


問合せの教会はケイトに関して返事を待ってもらいたいと来ました。


「うん?なんでかな。即答しないとは理由がなんでございますか。珍しいでございます。女子高生はローリングストーンズに関わってはならないのかな」


その日は拙僧とケイトは英国はブライトンの教会で教義でございます。


ロンドンから南に下がって港町ブライトン。


「和尚さま。ブライトンはロックバンドのクィーンが"ブライトンロック"で歌っております。1975年でしょうか。ケイトの母親は当時夢中になってクィーンを聴いたそうでございます」

ブライトンの爽やかな空気と海でございます。


海をケイトと二人して眺めておりました。英国ロックはいろいろ根づいているようでございますね。


拙僧ブライトンにある遊園地でケイトと一緒にジェットコースターに乗りました。


「ヒェー!怖いなあ。拙僧この手に弱いですなあ。初めから終わりまでずっとケイトにしがみついてしまいました」


何やらしがみつき無意識のうちにケイトに抱きついてでございます。


あらあらっ


ブラジャーをしっかり握って破ったようでございます。


コースターを降りましたらケイトはプイッと膨れてしまいました。


降りましたらすぐに個室に掛け込みなかなか出て来ないでございました。


あれだけ手荒におっぱいを揉まれまくられたら


そりゃあ拙僧を嫌になるでございますなあ。


「アチャアそんなこと言わないで!ケイトに新しいブラジャーをプレゼントしないといけないなあ。たぶんデッかいブラジャーだろうね。あの触った感触からはかなりでございます」


拙僧がいけないのでございます。


いえいえ


拙僧は無意識でございます。


夕方に拙僧は宿舎に戻りました。教会から電話でございます。


例のケイト同伴出席ミックジャガー父親葬儀でございます。


「ケイトのことでございますね。エッ!教会は許可しない」


教会はケイトの携帯に直接不許可を伝えておいたと申します。


「しかし不許可の理由はなんでありましょうか。拙僧にはさっぱりわかりませんでございます」


週末にケイトと逢いましたでございます。


ケイトは拙僧の顔を見るなり不機嫌な感じでございました。


「ケイト怒っているなあ。お詫びの印にデッかいブラジャー買うからさ」


ブラ…?


プイッ~


ケイトは横を向いて怒ってしまいました。


そして


拙僧はケイトなしでミックジャガー父親葬儀に出掛けました。


ロンドン郊外のダートフォード。ミックジャガーがロンドン経済大学に進学をするまで育った町でございます。


葬儀はカソリック教会で厳かに執り行われました。


父親は享年93歳。


体育の教師さんでバスケットボールの普及に長年尽力されたそうです。


「体育教師だから子供さんからはミックジャガーの父親として親しまれていたんでありましょうね」


さて息子さんに当たるミックジャガーはどこにいるのかと言いますと。


ミックジャガーは全米ローリングストーンズツアーの真っ最中。


アメリカから大西洋をフライトしてなんと葬儀には数時間だけ出席でございました。


ミックは父親にこの世の最期の別れを言いますと涙を見せるか見せないの短時間で飛行機に載せられてアメリカに帰って行きます。


人気商売とはせち辛いでございますなあ。


お棺の父親をチラッと見てハンカチを取り出す。


涙を拭く。


マネージャーはその涙を拭く手を引っ張って空港に連れて行ってしまいました。

翌日の新聞記事はミックジャガーの数時間滞在の写真が掲載されておりました。

拙僧の袈裟姿もちょっと掲載されてでございますねアッハハ。


偶然にも写りました。拙僧はサティスファクションでございます。


ケイトの件ですが


ちょっと説明をいたしましょう。


ケイト・ミドルトン17歳は拙僧の通訳兼マネージャーおっぱいのデッかいかわいいお嬢さんですね。


ケイトはシスターになるためカソリック系女子高に在籍なのです。


がもうひとつの顔がございました。女子高生である以外に顔がございます。


「それは英国ウィリアム王子のお后さまでございます」


ケイトの学校とウィリアム王子のハイスクールは姉妹にあたるようで学校の間を行き来している際にウィリアム王子がどうやらケイトを見て惚れたようでございます。


それからはウィリアム王子とデートをしたりウィンザー城(エリザベス2世がいる)に出入りすることになっていくようでございます。


拙僧はこのケイトのもうひとつの顔を知り取り立てて驚くこともありません。


「だってケイトはそれだけ魅力があるお嬢さまでございます」

教会のスタッフや支部の事務職員は全員ケイトとウィリアム王子とのことはご存じでございます。


拙僧はまったく気がつきませんでした。


将来の英国お妃さま。


あれこれ言われてもピンとこないくらいでございます。


ケイトにはお忍びで警護もいるようです。拙僧とケイトがブライトンでジェットコースターに乗ったあの後ろ座席に警護がいたそうです。


確か降りましたら顔面真っ青だったアンチャンいましたでございますなあ。


というわけでケイトは将来のクィーンでございますね。


今からサイン貰いたいなあ。


「まあっ和尚さまったら嫌ですわ。誰がクィーンでございますの。先のことなどまだまだわかりませんわ」

ケイトはやんわりとウィリアム王子との恋愛を否定致します。


「王子さまとのお付き合いは教会スタッフから言われたからですの。ぜひ私に逢いたいからと」


教会から言われたからお逢いしているだけ。


「エリザベス2世女王様にもお逢いできて光栄でございます」


ヘェ~サイデッか!大変なことでございます。


それからでございます。ケイトは身分がわかって教会のアイドルになりました。

ニックネームはずばりプリンセスでございます。


「ニッコリ笑われたらダイアナ妃みたいにチャーミングでございましたね。拙僧もファンでございます。プリンセス・ケイトはかわいいなあ。もう夢中でございます」


「ニッコリ笑ったら。故ダイアナ妃みたいにチャーミングでございました」


美少女ケイトと仲良くやっている時間もおしまいがやって来たようでございます。


英国からさようならの時でございます。


「和尚さまなぜに英国を出て行かれるのでしょうか。このケイトを置いていかれようとは淋しいですわ」


そうなんでございます。


拙僧は英国を出て隣のアイルランドに向かうことになりました。


日本にいる同期が勝手に決めてしまったんだから致し方がないでございます。


"泣きじゃくる"ケイトとお別れして拙僧は一路ダブリンに向かうでございます。

隣近所でも飛行機に搭乗です。あっけない別れとなりました。


女子高生のケイトよ


お幸せにでございます

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