始動
やっと試合へ向けて動き出します
朝の会の予鈴が鳴る。いつも聞きなれた音だ。だがその日の朝は少しだけ違ったそれは
「グッドモ~二~ングっ」やかましい野球部顧問の声が鳴り響くそこへ瞬が
「なんであんたが朝の会にいるんだよ。副担任だろ」
「あんたじゃない。監督だぁ。それにその質問は愚問だな。」
「なんで」
「昨日、佐藤先生が親の看病で今日から来ないと言ってたであろう。」
「ホントかカエル?」
「うん帰りの会で言ってた。」
「まァいいではないか。それと創部条件が決まった」
「「は?」」今度はちゃんとカエルも疑問を持った。カエルが
「先生もう創部は決定したって?」
「言い忘れていた。実は条件があったのだ。それが、明日の土曜日に山野中と試合していい試合だったらということだ。」
「わかった。」瞬がうなずく。
「昨日野球について勉強したんだ。それと君たちの話を聞いて、ポジションと打順背番号も考えてきたから放課後集まるように。」
「あいよ」
放課後
「よ~し皆集まったな。それではまず背番号の発表だ。背番号と同じ守備位置を守ってもらう」
「「うす」」一同が同意した。
「そんじゃまず1番エースはてる!お前だ」
「はい」テルがきちっと一礼して背番号をもらうそこへアキラが
「てかユニホームないのに背番号渡していいのか?」
「大丈夫。きちんと揃えた。公務員をなめるなぁ。」
アキラが圧倒される
「続けるぞ。エースの相棒は、瞬きみだぁ」
「あいよ」
「3番フッフー左利き吉田」
「はい」
「4番カエル」
「カエルって言うなって~。」
「5番か~め」
「はい」テルと同じく真面目にもらう
「6番団長。てか言いにくい、ダチョウ」
「なんすかダチョウってまぁいいですけどねw」
「外野行くぞ7加持」
「イエ~イラッキーセブン」
「8番ノリ」
眼鏡を直してから「はい」
「9番アキラ!外野は任せた」
「おっす」
「そして、10番はカズキお前だ。何でかわかるよな」
その問いにカズキが
「実力不足ですか?」
「違う!!だからお前を外したんだよ」
「え」
「お前は仲間を信じていないからだ」
「だからなんで?」どんどん口調が強くなる
「瞬、お前こいつが怪我してたの知ってたか。」
「いえ、全然。てか怪我してるってホントか?」
「あ、ああ。けどたいしたことないよ。ドアで挟んだだけだからさ」そこへ監督が
「挟んだだけだと!?ふざけるな!お前がだいぶ左手薬指を気にしてるのは授業でもわかるくらいだ」
「わかった。俺が間違ってたよ」
「分かったようだな。とりゃ~」
バコッ!
「て~な~。なにすんだよ先生」
「いやぁこういうときは殴るもんだろ。」
「余計怪我すんだろ。でも俺、ちゃんと治してからにするよ。それまで俺は野球部に入らない。」
「そこまではしなくてもいいけど」先生が言う。それに対し晴れやかに
「先生が仲間信じてないって言ったんだろ。だから俺への罰則」
「そうかわかったんじゃまたあとでな」
「はい。それじゃみんな。」
そうしてカズキが去って行った。また会える日を待ちどうしにして
「続きまして打順。1番」
―当然ノリだろ― 瞬は思ったが
「加持」
「なぜ」瞬が問う
「理由はあとで話すだから黙って聞け。」いつになくゴリラいや監督が真面目な目で言った。
「2番瞬。3番吉田。4番アキラ。5番かめ。6番ダチョウ。7番かえる。8番テル。9番ノリ」
「んでその理由は」瞬が聞く
「俺は昨日野球をして思った。少ないチャンスをものにしないと野球はいや、中学野球は勝てないだからこそ確実につなぐ野球に徹するのだ。そのために重要なのは1、2、3、4、5、7、9番だと俺は思ったね。だからこそチーム1の足の加持を1番に2番目に速くまた1番につなぐ役割はノリしかいないと思ってこの打順だ。」
―そこまで思ってたのかよ― 瞬は驚嘆した。
「その、なんだ悪かったよ」瞬が謝る
「あはははは気にするな」先生は笑いとばす。
「あとキャプテン決めたから。キャプテンは瞬。副はかめと外野の中心アキラ。」
「え、あのそういうのは」瞬がうろたえると
「英語の評価1でもいいぞ」先生の一言に
「やります。やりたいです。」瞬が答える
―なんつーヤローだよ― 瞬が心の中で愚痴る
「明日はここに6時30分に集合。9時開始それまでアップとグランド整備。あとこれがユニホームだ。」
それは白を基調とし胸の部分に学校名の「峰元」が黒のローマ字で入っている。
それに黒のアンダーシャツ。ソックスは白。ストッキングは黒に白の横ラインが3つ
「それじゃ各自、明日に備えるようにじゃぁ~な~」
「んじゃキャプテンの初仕事として、円陣でもやっか。しゅ~ご~」
「「オイ!!!」」全員が返事する
「勝って野球部作んぞぉ~」
バン!!足を鳴らし
「「「オイ!!!!」」」
次話へつづく
すいません次から試合です