続・マネージャー探し
事件は2時間目が終わり、10分休みに入ってすぐ起きた。
「うっせーんだよ!少しは静かにできねーのかよ?人が寝てるのによ。あ?!」
後ろでなんかもめている。最初は馬鹿が騒いでると思ったが
「瞬、平内が絡まれてるよ」
この言葉で体が動いた。近くにあった自分の教科書を投げた。
シュッ
それはさっきまで騒いでいた、不良の横を通る。一瞬クラスの動きが止まった。
今まで奴に逆らった奴はいないからだ。
「平内さん、もう、もう大丈夫ですから。任して下さい」
「いやいや、だめだって」
「大丈夫ですって。僕もそんなにやわじゃないですから。
さぁ、席で座ってまた友達と話してて下さい。あ、あとマネージャーになってくれませんか?」
「ふざけんなよ。何してんだテメー」
「何してんだはこっちが言いたいね。」
「あ」
「女に絡んで何やってんだって言ってんだよ!」
右のこぶしを構えた。
相手はそれに反応した。
それを伏線として、狙ったのは左での、目つぶし。これは決っ
ガコッ左の頬に衝撃が走った。
それを踏ん張り、股間へ
「うらぁぁぁぁ」
けりを入れた。何度も何度も何度も。そして倒れたところを馬乗りにして顔面にこぶしを入れた
そうこうしているうちに、体の右側からさっきより大きな衝撃を受けた。
「何をしてるんだ瞬!!!!!」
監督が止めに入ってくれた
「このままやっていたらこいつ入院並みの怪我になるぞ。そしたら、もう試合できないんだぞ」
「すいません」つかんで俺が言われなくちゃならないんだよ。
「キャプテンなんだからさ。それぐらい気をつけろよな」
先生の言っていることは正しい。けど・・・怒りは収まらない。
「まぁ、今日のところはプロレスごっこで通してやるけど、次はかばえないからな。」
「はい」
昼休みに入った。
さっきまでの怒りはどこへやら・・・とまではいかないが、大分頭を冷やせた。
「瞬、やるねぇ~奴に逆らった奴見たの初めてだよ」
「イヤミか?」
「違う違う。いや、曲がったことを許さないで偉いなと思ってさ」
カエルにそこまで言われて悪い気はしないが、やっぱし許せない。あいつあのまま帰るし・・・
ところであいつの名前知らないし・・・
「カエル、あいつの名前ってなんて言うの?」
「あいつは、清森 大貴っていうの」
「あっそ」
ガラガラガラッ
教室のドアが開く
「瞬、喧嘩したってホントか?」心配そうな顔でカメが聞く
「ま、まぁ」
「ばかやろぉぉぉぉ」その言葉と同時にカメのパンチがクリーンヒットする。
「痛った」
「怪我したらどうすんだよ。たく」
その言葉を聞いて悪い事をしたと改めて思った。
「ごめん」
「いや、いいけどさ。怪我したら・・・
テルがかわいそうだろ!バッテリー組めなくなって。だからだよ。んじゃ、バスケしてくるかな」
カメが去っていく。そうだよな俺が怪我したら誰がキャッチャーやんだろな。感慨に吹けそうになるとふいに
「瞬」
呼ばれて振り返ると平内がいた
「瞬、あのさ、さっきさ、マネージャーやってほしいって言ってたけどさ」
「やってくれるんですか?」
「う、うん。でも、野球全然知らないからさ」
「それなら大丈夫ですよ。僕も含め、野球部全員でスコアの付け方教えますから」ニカッと笑って言った。
「それならやってみる」
「ありがとう」
「う、うん」
その光景を少し離れて見ていたカエルが、ホレ見ろと言わんばかりに、にやついてきたが今は気にならなかった。
春大まであと1カ月