4話 金稼ぎ
「はぁ......」
体力を消耗しないとしても、流石に動きっぱなしはきついな。というか、何日経った?いや、そもそもここでは現世の一秒が何秒かわからない。まあいいか。あともう少しで宿屋、というか街の層に着く!
「疲れたか?」
顔色はいつもと変わっていない。
まだ余裕なのか?
「疲れました」
「無理もないか。だいたい一週間進み続けたからな」
「一週間!?ちなみに現世と進む時間が違ったり......」
「ない。そういう時間の差は、地球の外に出て初めて生まれる」
嘘だろ......一週間?僕はてっきり2,3日程度だと思ってたのに。
宿屋につけば休める、ってあれ?多分現世と通貨違うよね?お金とかどうするつもりなんだろう。
「宿屋に泊まるって言ってましたよね。お金とかはどうするんですか?」
「あぁ......まあなんとかなるだろ」
くっ...この人、なんも考えてなかった。
〜10分後〜
「ついに来た!街の層!」
質素な感じの家がいくつも並んでおり、崖際に建ってるものもある。溶岩の川には大きい橋が架けられている。所々に賑わっていそうな店や場所があり、すごく楽しそうだ。
「まず宿屋どうこうの前に金を稼がないと」
「そうだ!闘技場とかないんですか?」
闘技場があればきっと確実に稼げると思うんだけどなぁ。そりゃあ疲れてるけど、他の方法とかわからないからね。
「あった気がするが......どこにあるか忘れた。私はあっちの都の方へ、貴様は溶岩湖の方へ、二手に分かれるぞ」
「分かりました」
溶岩湖の方なんてあるのかな?というか、あんなに話す時間あったのに、全く自己紹介も何もしてなかった。
宿屋で落ち着いたらまた言うか。
〜1時間後〜
絶対こっちにないと思うんだけど......ん?
『←闘技場はこっちです』
看板があり、溶岩湖の真ん中を指していた。溶岩湖の真ん中......どうやっていくんだよ!?橋とか船もないしそもそも真ん中に島の影すら見えないんだけど?
「まあ看板は見つけたし、雷神に言いにいくか」
駆け足で反対側へ向かう。
「お〜い雷神さん!ありましたよ〜!」
「そうか!どこにあった?」
「看板があって、溶岩湖の真ん中を指してたんですけど」
「ああ!そうだったな」
「どうやって行くんですか?」
「素潜り......だろ?」
別に仮の身体が死んだとしても生き返れるんだが、僕は少しためらった。
「じゃ、奥で待ってるぞ」
「えっもう行くんでs......」
雷神は勢いよく溶岩湖に飛び込んで行った。
「仕方ない。行くか」