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第7話:謎の少女(1)

 このまま順調に旅が進めば、あと二日程度で隣国に到着する。

 その国には武術連盟が存在しないので、彼らとの因縁を完全に消し去る事が可能だ。

 その代わり、武術連盟とは異なる別の武術組織が存在するので、彼らと敵対しないように注意したい。


 天魔神教。

 俺の国では、隣国の武術組織をそう呼んでいる。

 ~教という名前がついているので、根幹は宗教である。

 宗教と武術が一体化している点はエメロード教と同じであるが、天魔神教は実力さえあればどんな流派でも受け入れるという寛容さがある。


 俺はこの『どんな流派でも受け入れる』という部分に目を付けた。

 天魔神教の土地なら、誰からも差別されることなく、のんびりと暮らせそうだ。


 余談であるが、

 天魔神教は武術連盟からは"大邪教"として扱われている。

 武術連盟は四大門派でなければ全部大悪党と決めつけるからな……。


 まったく、他所様の国の宗教を問答無用で邪教扱いとか、同じ国の人間として恥ずかしい。

 俺は、天魔神教という"寛容な武術組織"に想いを馳せながらワクワク感を抱きながら進んでいった。


 その日の夜。

 湖の畔で暖をとって俺とアリアンナは隣国でどのように過ごすかを語り合った。


「当然俺はスローライフを送ると決めている。アリアンナは?」

「私はみかん園芸がやりたいです。旅に出る直前まで続けてましたので」

「みかんか。俺も好きだったな。冷やして食べるとすごく美味しいんだよな。そういえば最近みかんを食べてないなぁ……」

「みかんはいいですよ。まず栄養価が高く、腹持ちが良くて、霊気を回復する効果があります。普通に食べても美味しいのは言うまでもありませんが、みかんの美味しい調理方法として……」


 みかんの話題になった途端、急に饒舌になったアリアンナ。

 彼女のみかん好きは本物のようだ。


 隣国に近づくにつれて次第に緑が少なくなっていく。

 そして、ついにガラマ砂漠が見えた。

 このガラマ砂漠は、二つの国を隔てる大自然の国境である。

 砂漠の近くには町があり、俺達はここで砂漠越えの準備をすることに決めた。


 町の入り口には門番がいて、俺達が門に近づくと「止まれ!」と叫んで突然止めた。


「もしかしてルクスさんだとバレちゃったのでしょうか?」

「わからない。だが、不審な行動をすると疑われるから大人しくしよう」

「はい」


 俺とアリアンナは《霊糸伝心》によって会話をする。

 表向きは黙っているように見えるが、霊糸によってお互いが繋がっているので、声を使わずとも会話ができる。


「お前ら武人か?」

「俺は武人だが、彼女は武人ではない」

「なるほど。もう一つ確認させろ。お前は正派の武人か?」

「いいや。俺は正派ではない」


 俺はそう答えて、門番を静かに睨みつける。


「正派の関係者でないなら通っていいぞ」

「……???」


 なぜかわからないが門を通してもらった。

 これまでの経験上、正派でないなら馬鹿にされたりとか、罵られたりなどあまり良い対応はされなかった。

 だから今回の門番の対応は少し奇妙だった。


「なんだかあっさりと通れましたね。呼び止められたときはドキッとしちゃいました」

「ああ、そうだな。俺もだよ。ただ、なんであんなあっさりと通してくれたんだろう。なんか違和感があるなぁ……」

「まあまあルクスさん。いじわるされるよりはマシじゃないですか」


 疑問を抱く俺に対してアリアンナはあまり気にしていないようだ。

 大通りを歩くと、奇妙な八文字の言葉が記された大きな旗を見つけた。



『強尊弱死 天魔神教』



 なんだこれ?


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

アリアンナ:エルフの女の子。


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