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第6.5話:武功座学

 日が暮れてきたので本日の移動はこれくらいにしておくか。

 俺達は、枯れ木を集めて焚き木をする。

 暖をとりながら食事を済ませた。

 今日の夕食は羊肉のあつもの

 羊肉でダシを取って山菜と一緒に煮るスープ料理だ。

 結構美味しいので俺も好んで作っている。

 アリアンナの評価は「すごく美味しいです」と100点の評価を貰っている。

 夕食後は自由時間となり、各自自分のやりたい事をやっている。

 普段なら武術の修行をするところだが、今日はアリアンナが武術を体系的に学びたいと言い出したので彼女に武術を教えることになった。


 とはいえ、いきなり肉体訓練を始めたらアリアンナが確実に壊れるので、数か月程度は学術的な指導になるだろう。

 それに俺は弓術には明るくない。

 本格的な武功を教えようと思っても教えられないのが実状だ。


 とはいえ、武術を学ぶこと自体は悪い事ではない。

 知識として知っておけば、敵として現れた時に対応しやすくなる。


 俺は木の枝を握ると、地面に文字を書きながら説明を始めた。


 武術の大部分は霊気(別名:霊力)によって成立している。

 霊力とは生命エネルギーのことだ。

 武功によって高める事ができ、蓄積できる霊力の量は修行日数に比例する。

 一日の修行で1の霊力を蓄積できるので、千日間修行すれば1000の霊力を確保できる。

 技を使えば霊力を消費するが、筋肉と同じで、よほど無理をしなければ一度手にいれた霊力は自動で回復する。


 修行は裏切らない。

 俺はそのように考えている。


 そして、霊力は修行によって属性が変化する。

 火属性、水属性、風属性、土属性、雷属性、闇属性、光属性。

 それぞれの霊力には色彩があり、技を使用する際に何の属性か判断できる。


 火属性は赤色。

 水属性は青色。

 風属性は緑色。

 土属性は橙色。

 雷属性は黄色。

 闇属性は黒色。

 光属性は白色。


 例えば、エメロード教の剣士が用いる技は光属性が多いので、技を使用する際に発生する光の色は大部分が白色だ。

 余談であるが、光属性は治癒を専門とする属性であるため、攻撃としての運用はほとんど行われない。

 もっぱらサポートが基本となる。


 そして、俺の流派である"雷天剣"は、ほぼすべての剣技が雷属性である。

 初級技は"黄色"に発光するが、上級技になると天候も操るようになるので、"群青色"に変化する性質がある。

 なぜ群青色になるのかまでは俺もわからない。

 そういうものだと考えている。


 武功には外功と内功が存在する。

 外功がいこうとは体の頑健さのこと。

 内功ないこうとは霊力の流れを操る能力のこと。原則としては霊気の運用法のことを内功という。


 外功よりも内功のほうが上位とされており、内功をどれだけ扱えるかで武人のランクがわかる。

 師匠の言葉をそのまま引用するなら、



 ■三流武人

 外功のみを鍛えている武人。


 ■二流武人

 外功に加えて、内功も鍛えている状態。

 武人の大半はこれとされている。


 ■一流武人

 内功によって、霊力を武器や肉体に乗せて戦える状態。

 武器や体に「剣罡」と呼ばれるオーラをまとわせることができる。


 ■超一流武人

 上記に加えて、《心象具現》と呼ばれる特殊な技を使用できる者。


 ・全包囲に同時攻撃できる。

 ・射程が無限に伸びる。

 ・体内の血を操る。

 ・万物を手で触れずとも自由に動かす。


 このように物理法則をガン無視した攻撃をしてくる。

 ちなみに今挙げたのは。魔王軍幹部がこれまでに使用してきた《心象具現》である。

 上弦魔将級の強敵が使ってきたものだ。


 ちなみに俺は、心象具現は持っていないので、超一流武人の域には達していない。


 魔王軍トップの魔王や、最高幹部である四天王は、超一流武人を越える実力があり『化境』とされている。

 化境は特例・例外・チート・規格外。

 このような性質を持ち、この世の常識が当てはまらない。

 神に最も近い存在と言えるだろう。


 余談であるが、神の領域に至った者は入神境、神と調和した者は神和境とされている。

 まあ、この段階まで来ると神話みたいなもんなので知識として知っておく程度でいいだろう。

 俺も入神境や神和境の武人は見たことがないし、どんな強さなのかも想像できない。


 まとめると、

 神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人となる。


「とまあ、武術の概要はこんな感じだ。何か質問があればなんでも答えるぞ」

「属性の質問です。修行に合わせて霊力の属性が変化するなら、他の属性の技は使えなくなるんですか?」

「いや、霊力の属性はその場で変化させることが可能だ。だが、その分、内功の消費も多いから、あまりオススメされない。俺もよほどのことがなければ雷属性以外の技は使わないよ」


 俺が四大門派の剣術を使わないのもこれが理由だ。

 四大門派の属性は炎属性・光属性・水属性・土属性で構成されている。

 雷属性の流派は一つも存在しない。


 自分の流派の技を大切にしたいという考えもあるので、他の流派の技は基本的に使わない。

 あくまで、"基本的に"、なので必要に駆られたら使うけどね。


 それから就寝まで、俺はアリアンナと有意義な時間を過ごした。

【補足】

ルクスのような一部の例外を除けば、基本的に年齢を重ねている武人の方が強いです。

霊力量と年齢(鍛錬期間)は比例します。


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人

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