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第55話:神医(8)

 黒幕であるシャルロットの討伐後、朱雀団・青龍団による俺の評価は最高潮と化した。


「すげえぜおっさん! マジでクールだった!」

「やっぱりルクスさんはすごいです!」

「今の強さを見て、アリアンナさんやロゼさんが慕っているのが改めてわかりました!」


 やれやれ、また必要以上に目立ってしまった。

 こういう時にロゼがいると代わりに『天魔宝剣!(ドンッ☆』してくれるから便利だったのだが、生憎彼女はいま病院でお留守番中だ。


「俺が奴に勝てたのはお前達が奴を疲労させてくれたからだ。俺一人の力じゃないよ」


 俺は適当にそう答え、みんなのおかげで強敵に勝てました感を醸し出す。

 しかし、俺の言葉は別の意味に受け取られてしまった。


「おっさんの人としての器のデカさを知って、朱雀団を敵視してた自分が馬鹿らしくなってきたぜ……」

「こんな時ですらボク達の立場を考えて労わって下さるなんて……!」

「ルクスさんの偉大さはお饅頭10万個分です!」


 イーノック、ザイン、凛花の順番で感想を述べる。

 先程から俺を褒める時は大体この順番だがすばやさ順なのだろうか?

 他の団員達も彼ら同様の反応を見せた。


 そんなこんなで、俺は自分でも気がつかないうちに朱雀団と青龍団の敵対関係すらも改善してしまったのだった。


 しかし、新たな問題も発生した。

 シャルロットを倒したはずなのに太陽が顔を出さないのだ。

 世界はまだ暗闇に覆われたままだ。




 もしやシャルロットは黒幕じゃなかった……?




 じゃあアイツ結局なんだったんだよ。

 マジで意味わかんねえ奴じゃん。

 何の前触れもなく急にポップしてきた超一流武人に恐怖を覚える形になった。

 調査を再開する前に、その場でいったん休憩を挟むことになった。


 野外活動に必要な道具は持ち合わせているようで、まるでキャンプのような和やかな雰囲気で和気藹々で食事と休憩を挟んだ。


「ルクス。大変です」


 木に寄りかかって仮眠を取っているとイェルが近づいてきた。


「何かあったのか?」

「枕を病院に忘れてきたです。それがないと私眠れないです」


 枕にこだわるタイプの子だったのか。


「俺はどこでも寝れるんだけどな」

「羨ましい特技ですね。私は枕がないと気になって寝付けないんです。困りましたです」

「それだったら俺の膝枕を試してみるか?」

「ルクスの?」

「もちろん無理にとは言わんぞ」

「うーん、眠れないよりはマシですので試してみるです」


 イェルはそう答えると、膝枕の体勢で座ってる俺の太ももに頭を乗せた。


「……微妙に高低差があるです。私はもうちょっと低めがいいです」

「注文が多いお医者様だな~」

「ルクス。膝枕ではなく腕枕を要望するです」

「う、腕枕!?」

「ハイです。そっちなら眠れそうな気がするです」


 俺は別に構わないけど、腕枕だと添い寝みたいな体勢になっちゃうぞ。

 俺達って別に恋人でもなんでもないし、知り合って間もないただの友人だよ?


 しかし、そんな俺のピュアな気持ちを嘲笑うかのように俺はイェルを腕枕することになった。


「ああ、これ、すごくいいです。すごくちょうどいいです。温かくていい感じの弾力もあっていい匂いもするです」


 イェルはさらに俺に密着して、顔面を服に擦り付けるような仕草をした。

 完全に恋人相手にするような動きであった。


 その後ほどなくしてイェルの寝息が聞こえてきた。

 仰向けから横向きの体勢となっており、彼女の顔を間近で観察できた。

 お人形のような綺麗な顔に自然と癒されながら俺達は十分な休憩を取る事が出来た。


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

イェル:神医。

ザイン:朱雀団団主。

イーノック:青龍団団主。


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