表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/110

第54話:神医(7)

 シャルロットは俺の乱入に動揺の色を見せた。

 しかし、その後の対応はとても冷静であった。

 地面から刃を引き抜いてすぐさま俺から大きく距離を取ると、俺の全身を舐め回すように観察する。


「恐ろしく速い縮地ですね。私の《制空園》を一瞬で掻い潜るなんて血の気が引きましたよ」

「ただの挨拶代わりだったんだけどな。現にお前の首はまだ繋がっているだろ?」

「アナタの善意に感謝しないといけませんね。ですが、さっきの一撃で私を殺さなかったこと、後悔しても知りませんよ」


 シャルロットはそう返事を残すと、全身に紅色の霊力を纏った。

 一流武人以上の証、『霊力武装』である。

 身の丈を遥かに超えるまでに霊力が膨れ上がり、まるで紅い炎が全身から噴き上がるようであった。


 次の瞬間、

 シャルロットの姿が音もなく消える。

 俺の首元を過ぎ去るように『紅い風』が駆け抜ける。


 ガキンッ!


 と、金属と金属がぶつかり合う音が響いた。


「……ッ!」


 俺の背後から、シャルロットの驚く声が聞こえた。

 一方、俺は肩越しに振り返って雷龍刀を見せる。


「俺が生きている事が信じられないか? ちゃんとコレで防いだんだから死んでるわけがないだろ?」

「だったら、攻め方を変えるだけです」


 シャルロットの姿が音もなくまた消えて、死角から死角へと移動するように続けざまに連続攻撃を仕掛けてくる。

 しかし、そのすべてを剣を以て対処していく。

 武器の大きさでは彼方に分があるが、俺の武器は雷龍の牙で造られた名剣である。

 たとえ神の一撃を受けようと、俺の心が折れなければ、決して折れることなどない。


 絶え間なく攻撃を仕掛けても俺が淡々と止めてくるので、シャルロットも徐々に焦りを見せてきた。

 あえて隙を作り、こちらの攻撃を誘ってくるような仕草を取るようになったのだ。

 格上を殺す際によく用いられるカウンター攻撃を狙っているのだろう。

 思慮が浅いな。

 それが通じるのは何重にも策を練って敵の心に油断が生まれた一瞬だけだ。

 油断しなければただの的に過ぎない。


 敵の要望通り、その地点めがけて斬撃を放つ。

 間髪入れずにシャルロットがそれに反応し、カウンター攻撃を放つが、来ると分かってる攻撃など怖くもなんともない。

 渾身の一振りをもって、容易くそれを上から捻り潰した。


「なっ!?」


 彼女にとっては完全な想定外。

 愕然としたシャルロットの顔が見えた。

 だが、嘆いてる暇はないぞ?


 続けざまにもう一発攻撃を放つ。


「かはっ……!?」


 シャルロットの喉元には俺の剣が深々と突き刺さっていた。

 彼女の動きが硬直する。

 それを確認し、俺は何の遠慮もなく、風を切るようにシャルロットの全身をバラバラにした。

 一瞬にして肉片と化し、絶命してしまう彼女。


「絶招一式『迅雷一閃』」


 そして、俺は『油断』をしない。

 俺は手を横に振って、シャルロットの肉体があった空間一帯を雷撃によりすべて消し飛ばした。

 これで、吸血鬼特有の超再生能力があったとしてもまず復活ができない。

 やりすぎ?

 そうかもね。

 でも、勝負の世界だから。

 相手が美人だからって俺は手加減しない。

 どんな相手でも全力で殺す。


 それを徹底できるから俺はこれまで生き残れた。

 なによりそれで仲間の命が守れるなら俺は喜んで心を鬼にしよう。


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

イェル:神医。

ザイン:朱雀団団主。

イーノック:青龍団団主。


【読者の皆さまへ】

この小説を読んで


「面白い!」

「続きが気になる!」


と思われたら、↓の☆☆☆☆☆ボタンを★★★★★に変えて応援していただけますと嬉しいです!

多くの皆様に読んでもらうためには、どうしてもブックマークと星が必要となります! 

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ