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第33話:快刀乱麻(2)

 翌朝、俺は訓練場へと足を運んで朱雀団の訓練を観察する。

 エリート達と言われているだけあって全員何かしらの武功を会得しており、外功だけでなく内功もある程度は身についていた。


 霊力の解放と制御。

 二流武人はこの二つができる者を指す。


 だが、一流武人のように剣罡ビームを放つことはできない。

 霊糸を何重にも編み込んで剣の形を形成し、それを直線上に発射する。

 これが剣罡けんこうである。

 彼らも見よう見まねでビームを模倣することくらいはできるだろうが、霊力の掌握まで段階が進んでなければ何の意味もない。


 彼らのビームはせいぜい数メートル先の薄板に穴を空ける程度だが、ロゼのビームは数百メートル先の大岩を貫くほどである。

 それほどまでに剣罡けんこうには個人の練度差が生じるものだ。


 俺の記憶では、ロベルトの剣罡けんこうが最も優れており、その威力はロゼの剣罡けんこうの二倍くらいある。

 剣罡けんこうが勝敗のすべてを左右するわけではないが、強力な剣罡けんこうを扱えることは戦闘においてとても有利に働く。


 だから、剣罡けんこうは武人の強さの指標になる事が多い。

 また、霊力武装の有無も一流武人と二流武人の境目であろう。

 基本的に一流武人以上は、ほぼ全員が霊力武装を纏って、肉体の限界を超えた動きで立ち回ることができる。


 それほどまでに二流武人と一流武人とでは大きな壁があるのだ。

 だからこそ、霊力武装を纏いながらかつ数々の絶技を披露できるロゼは、超一流武人として彼らから尊敬の念を集めている。

 超一流武人。

 一般的にそれは剣式の完成形とも言える領域。

 化境という例外を除けば最強クラス。


 そして、ロゼは超一流武人の特権とも言える『心象具現』を獲得している。

 心象具現とは、使い手一人ひとりを象徴とする特殊能力である。


 先述の戦いで自然と具現化されていた黒い花びらが心象具現の証と言えるだろう。

 夜光暗花。

 月に咲いているとされる伝説上の花。

 月の霊力によって黒く染まり、幻想的な輝きを放っているそうだ。


 ロゼは、剣術の中でも最高峰とされる"暗花神剣"を会得しているため、自然と動きに合わせてこの"夜光暗花"が周囲に吹き荒れる。


 夜光暗花の特殊能力は萬毒不侵。

 萬毒不侵:すべての毒を無効化する。つまり、ロゼには毒が一切効かないということだ。毒を用いる流派として有名な"四川剣"を一方的に倒す事ができるのは大きな強みと言えるだろう。


 ロゼと同等の戦いができる同世代の武人は、俺が知る限りだとロベルトとセレナードくらいだろう。

 ロベルトは"勇者"なので言わずもがな強いとわかると思うが、

 実はセレナードも超一流の達人だ。

 普段は霊力を5程度に抑えているが、彼女の本気の霊力指数は3万以上だ。


 その性格は俺を暗殺しようとするほど醜く歪んでいるが、実力は紛れもなく本物と言える。

 また、彼女は徹底してサポートに徹するため、実力も周知されていない。


 俺もセレナードのそういう姿勢はとても評価しており、俺が普段から霊力を抑えているのも彼女に倣っての行いである。

 だからこそ、彼女が俺を殺そうとしたと知った時、とてもショックだった。

 俺なりに彼女のことは認めていたので、なぜ俺を殺そうとしているのかマジで理解できなかった。

 

 いずれにせよ、俺と彼らとの関係はすでに修復不可能なので、俺は俺の幸せを目指そうと思う。

【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。


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