表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/110

第25話:獣王剣(5)

追記:サブタイトルを獣王剣に変更しました。

 夕食までもう少し時間があるので近くを散歩しよう。

 アリアンナを連れ添って宿の敷地内を適当にぶらついた。

 宿屋の裏には修練場が併設されており、そこにはロゼの姿があった。

 真剣な表情で剣を振るい、厳しい修行をしている。

 部屋にいないと思ったらこんな所にいたのか。


 天翔七星斬、覇天烈結斬、血抹白蓮突。

 三才剣の有名な大技を繰り出している。

 三才剣とは武林全体でよく用いられている片手剣のことだ。

 両手剣のような破壊力はないが、扱いやすいため使い手の数も多い。

 ロゼの所有する宝剣の形状はこの三才剣に近いため、訓練でもこれを用いるのだろう。


 大技の次は、独自の歩法と組み合わせながら武術の基本となる欄、螺、擦の三つを繰り返す。


 欄とは、上下もしくは左右に素早く剣を鋭く振るう"快"の動き。

 螺とは、サザエのように螺旋を描く"円"の動き。

 擦とは、弾丸のように真っすぐ突く"射"の動き。


 どれをとっても超一流。洗練された剣技には当然美しさもある。

 ロゼは俗にいう天才だ。

 だが、努力もする。

 霊力武装を使用できるのも武功の基盤ができているからだろう。


 修行の邪魔をしないように遠目から観察してるとロゼが俺達に気づいて手を止めた。

 首に巻いているタオルで額の汗を拭いながらこちらにやってきた。


「この時間帯は人がいないから修行にぴったりなのよ」

「あまり人に見られたくないのか?」

「そういうわけじゃないけど、一人で修行してると輩に絡まれる事が多いの」

「なるほど。ロゼさんは綺麗ですからね」

「アリアンナほどではないわ」


 ロゼは謙遜するが、彼女も負けず劣らずとても魅力的な女性だ。

 艶やかな黒髪に目鼻立ちの整った容姿。

 オリエンタルな雰囲気の漂う紅色と黒色の混合した衣装。

 剣を握る彼女の佇まいは、さながら、月夜に咲く暗花のようである。


「ねえルクス。夕食の時間まで少しまだ時間があるし、手合わせしてくれないかしら?」

「ついさっき風呂に入ったばかりなんだが」


 と断りを入れたが、


「また入ればいいじゃない」


 ロゼは平然と返事を返した。

 そういう問題ではないのだが、体を動かして気分が高揚している今の彼女にはなんと言ってもあまり効果はないだろう。

 やれやれ、武人というものは本当に修行が好きなんだな。俺は少々呆れつつも彼女の修行に付き合ってやった。


 この手合わせにおいて、ロゼは狂風暴雨と魂魄滅壁と神龍流水という剣技を新たに披露した。

 狂風暴雨は、擦の絶招の一つ。豪雨のように繰り出される連続の突きによって相手を倒す技。

 魂魄滅壁は、欄の絶招の一つ。天井と地面に杭を打ち込むように剣を動かし、斬撃によって壁を形成する技。

 神龍流水は、螺の絶招の一つ。砂塵の竜巻を形成して解き放つ技。その剣の軌道は龍が顕現するかのようだ。

 魔力武装によって強化されたロゼは、この三つを同時に使用できるようだ。


 どれも相手を確実に殺せる超一級品の殺人技。

 ロゼも俺相手だったら大丈夫だと判断して使ってるんだろうが、いくらなんでも俺を過大評価しすぎてないか?

 一応全部対処できるから無傷だったが、彼女の訓練相手は毎回命懸けなのであった。


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

ロゼ:天魔の一人娘。

アリアンナ:エルフ族の一人娘。


【読者の皆さまへ】

この小説を読んで


「面白い!」

「続きが気になる!」


と思われたら、↓の☆☆☆☆☆ボタンを★★★★★に変えて応援していただけますと嬉しいです!

多くの皆様に読んでもらうためには、どうしてもブックマークと星が必要となります! 

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ