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第17話:砂漠越え(3)

 夜の砂漠にて、

 ミノムシのように厚い布に包まって眠っているアリアンナ。

 そんな彼女を微笑ましく眺めていると、遠くの方から人の気配を感じ取った。


「どうかしたの? 突然立ち上がって」


 ロゼが首を傾げながら呼びかける。


「変な連中が近づいてきてる」

「え……? でも、霊力は感じないわよ」

「霊力を消してるんだろう」


 俺はそう答える。

 どうやらまだ信じきれていない表情をしているが、周囲を警戒するようにとロゼにそう伝えて、俺は単独で謎の連中のいる方角へと向かった。


 しばらく砂漠を歩くと、死角から突然、短剣が頭部めがけて飛んできた。

 即座に雷龍刀を引き抜いて、鞭のように鋭く振るい、短剣を地面に撃ち落とした。


 すると今度は、武人が七人出現する。

 俺を取り囲んで反時計回りにグルグルと回り始める。


「随分と派手なお出迎えだな。七人も同時に現れるなんて。お前らの目的はなんだ?」

「お前がそれを知る必要はない。お前はここで我々に殺されるからだ」


 いきなり殺人宣言か。

 まともな連中じゃないな。

 誰かに恨みを買うようなことをした記憶はないので彼らに対して心当たりはない。


 だが、彼らの反応を見る限り、対話による交渉は難しそうだ。

 人殺しはできる限り避けたいが、降りかかる火の粉は振り払う必要がある。

 彼らを見逃した所でまた追ってきそうなので、アリアンナの安全も考慮すると、ここで処理するのが最善だろう。


 幸いにもここは砂漠。

 死骸は大自然が勝手に処理してくれるだろう。


 すると、俺の背後から武人が一人飛び掛かってくる。

 俺は振り返ることなく、風に吹かれる一枚の紙のようにひらりとかわす。

 さらに、すれ違いざまに雷龍刀で敵の首を刎ねた。


「「「「!?」」」」


 頭部と胴体が切り離された仲間を見て、奴らに動揺が走った。

 俺は特段気にすることなく、感情を殺したまま、その場に立ち止まって彼らの反応を伺う。


「何を驚いているんだ? 剣を握ったのなら絶命する瞬間まで心を氷のように保てと師匠に教わらなかったのか?」

「……少しはやるようだな。だが、お前は今我々の術中にいる!!」


 彼らの動きがさらに早くなり、肉眼では捉えられない速度となる。

 同時に、砂を上空へと巻き上げて障壁のようになる。


「くくく、これは《連連砂殺》と呼ばれる上級陣法だ。どんな達人もこの陣法に囚われたのなら決して死から逃れることはできない、死ぬがよい」


 その言葉を合図に、全員が同時に攻撃を仕掛けてきた。


「絶招三式『雷神剣舞』」


 四方から飛んでくる刃を霊糸によって絡め取り、彼らの速度を遥かに上回る『雷速』の一撃で全方位に攻撃を放つ。

 ロゼの言葉を借りると、雷神剣舞は上級を遥かに上回る神級陣法。

 連連砂殺を破れない道理はない。

 今の一撃で、俺に攻撃を仕掛けてきたすべての武人が、断末魔と共に即死した。


「来世では気をつけるんだな。上級とは"一番上"という意味ではない」


 俺はそう告げると、彼らの屍をそこに放置してロゼのところへと帰還した。


【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

ロゼ:天魔の一人娘。

アリアンナ:エルフ族の女の子。


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― 新着の感想 ―
[一言] いや、草生えるわ。 なんで上級陣法で勝てると思ったし…。 というか、なんでこいつらが闇の部隊なんだろうな…。 まぁ、これでセレナーデの懐刀は消したわけだし、これ以上の部隊は来ないでしょ…
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