表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/110

第16話:砂漠越え(1)

 ガルマ砂漠は昼夜で気温差が激しいので霊気を纏って移動するのが基本となる。

 霊気を纏う事で気温による肉体へのダメージを減らせるからだ。

 だが、すべての人物が霊気を纏えるわけではない。

 武術訓練を受けていないアリアンナは霊気を纏う事が出来ないので、直射日光を避けるローブを纏っての移動となる。

 なので、現在のアリアンナは、目元以外の部位がすべて衣類に隠れている。

 美しいアリアンナの容姿を拝見できないのは少し残念であるが、霊気を纏えない以上仕方ない。

 一方、ロゼは霊気を纏えるので砂漠でも衣装があまり変わっていない。

 コートのような赤いマントは彼女のトレードマークとなっている。


 地図もあり、道具も充分に揃っているので俺達は順調に砂漠を進んでいく。

 しばらく歩いて進んでいるとゴブリンの群れと遭遇した。

 数は20体。そのすべてが棍棒を所持している。

 ゴブリンとは大陸全体に生息している人型のモンスターで環境適応能力と生殖力が高く、どこに行っても出現する。

 基本ステータスは場所によってまちまちで、環境が劣悪なほどステータスも高くなる特徴がある。


「ゴブゴブ!」


 ゴブリン達は俺達を発見すると叫び声を上げながら一斉に突っ込んできた。


「ルクス、アリアンナ。戦闘配置に付きなさい。彼らを撃退するわよ」

「りょー」「了解です!」


 現在、俺達のパーティではロゼが司令塔リーダーである。

 俺は人を先導するタイプではないし、流派も裏方寄りだ。

 影として動くほうが本領を発揮できる。

 なにより、ロゼはこの地にとても詳しいので、彼女をリーダーとして配置した方が色々と都合がよかった。


 まず先陣を切って飛び出したのはロゼ。

 右手に握っている短剣が光り輝くと、そこから美しい宝剣へと姿を変えた。

 彼女の異名『天魔宝剣』に相応しい名剣であった。

 ロゼは、それを存分に振るってゴブリンを蹴散らしていく。

 さながら戦場に咲く一輪の赤い花のようであった。


 また、戦闘能力も極めて高く、たった数回の攻撃でゴブリンを半分以上も蹴散らした。

 剣先には暗影色のオーラを纏っており、剣を振るうたびに剣罡ビームが放たれる。

 この剣罡を扱えるのは一流達人の証であり、彼女は高い実力を秘めた武人なのが見て取れた。


 剣も素晴らしいが、使い手であるロゼも素晴らしいな。

 俺は彼女の戦いに惚れ惚れする。


 ピュンピュンピュン!


 矢が空を切る音が聞こえる。

 ゴブリンの顔面に直撃した。


「ゴブ!?」


 こてんとゴブリンが倒れた。

 矢を放ったのはアリアンナ。

 彼女は弓矢の腕前が極めて高く、外した所を一度も見たことないほどだ。

 これほどまでに優れた弓力を得ているのに、武功を得ていないのが本当に不思議でならない。


 弓術を極めるということは、それほどまでに難しいということだろうか?


「ルクスさん! ゴブリンが目前まで迫ってきてますよ!」


 アリアンナの慌てる声が聞こえる。

 ついつい考え事をしていたせいで、ゴブリンの接近を許してしまっていたようだ。


 ゴブリンが棍棒を振り上げて、俺の頭部めがけて鋭く振り下ろす。

 俺はそれに合わせて、雷龍刀を袖から放ちながら一瞬でゴブリンの背後に回り込む。

 瞬間、ゴブリンの全身が刃によって無数に切り裂かれる。

 ゴブリンはなにが起きたのか理解できず、そのまま絶命する。


 それを一瞥し、残りのゴブリンに向けて雷龍刀を握る拳を集中させる。

 霊力によって発生する青い火花が雷のように激しく発光する。


「絶招一式『迅雷一閃』」


 腕を振り下ろし、前方に向けて極大の雷を落とした。

 この場にいたゴブリンはその一撃によってすべて消し飛んだ。



【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

ロゼ:天魔の一人娘。

アリアンナ:エルフ族の女の子。


【読者の皆さまへ】

この小説を読んで


「面白い!」

「続きが気になる!」


と思われたら、↓の☆☆☆☆☆ボタンを★★★★★に変えて応援していただけますと嬉しいです!

多くの皆様に読んでもらうためには、どうしてもブックマークと星が必要となります! 

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ