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第13話:謎の少女(7)

 気のせいだと思いたいが、何度読み返しても石板に記されているのは雷天剣の心法だった。

 これはただの偶然だろうか?

 学問とは多少の差異はあれど形式的には繋がっているので終着点は同じとされている。

 武術の陣法も極めていけば同じ答えに行き着くのだろうか。

 いずれにせよ、ここに記されている情報は全部俺が知っているものばかりだった。


「お二人とも。ここに書かれている文章が理解できますか? 私にはさっぱりです……」

「うふふ、これは神級の陣法よ。いくら武術の心得を持っている私達でもそうやすやすとは解析が……「わかるぞ」……えええええええええええええええええっ!?」


 ロゼは大きな声を上げて驚いた。


「いくらルクスでも流石にそれはありえないわ! これは超超超一流の武人でなければ習得できないとされている超最高級の陣法なのよ!」


 どうやらロゼは信じられないようだ。

 普段冷静な彼女がここまで取り乱すのは珍しい。

 でも理解できてしまったものは仕方ないじゃないか。

 言葉で説明するよりも実際に動きで示したほうがいいかもしれないな。


 雷龍刀を手に取って俺はその場で雷神剣舞を行った。

 周囲に雷が発生して荒れ狂う嵐のように洞窟全体を大きく揺らした。

 それを目の当たりにしたロゼが両膝をついて驚愕した。


「う、うそ……これはまさしく天衣無縫の動き……。私のお父さんしか使えなかった世界最強の陣法……。それを彼がそう易々と実践するなんて……彼は怪物……いや、怪物を超える怪物だわ」


「流石ですルクスさん! すぐに天衣無縫が使えるようになるなんてルクスさんはやっぱりすごいです!」


 正確には"雷神剣舞"という名称なのだが、天衣無縫だと思い込んでいる彼らに説明しても混乱を招くだけだろう。

 まさか天衣無縫の起源が雷天剣の雷神剣舞だったとはな。


 少し拍子抜けだ。

 雷神剣舞なんて、雷天剣の持つ神法の中でも下から数えた方が早い。


 特に目新しい文章もなかったので、俺達は洞窟を後にした。

 洞窟を出ると、剣を所持した武官が100人、俺たちを待ち構えていた。


「な、なんですかアナタ達!?」

「武官が100人もいるなんて……」


「へへへ、サラザール先生! こいつが俺に暴力を働いたクソ悪党です!」


 すると、午前中に俺が電撃で倒した武官が、俺の顔を指差しながら、隊長らしき人物に告げていた。

 サラザールという人物は60歳ほどの老人で、いかにも経験豊富な武人って感じだ。

 オーラの大きさも他の武人と比べると圧倒的に多い。


 おそらく魔将級の武人だと思われる。


「お前が私の部下に暴力を働いた不届きものか」

「暴力とは失敬な。こいつが店の中で弱い者いじめをしていたから止めに入っただけですよ」

「でたらめを抜かすな! 武官である俺が嘘を言っているとでも言いたいのか!」


 やれやれ……。

 クソ野郎だとは思っていたが性根まで腐っていたか。

 攻撃性が高い屑は生きているだけで周囲に害をもたらすとよく言うが、こいつの場合はそれがよくあてはまるな。


 俺はゆっくりと彼らの前に出る。


「な、なんだお前やる気か! 言っておくがサラザール先生は魔将級なんだぞ」

「そうか。じゃあその先生とやらをどかした後にお前をこの世から消してやるよ。懺悔の用意はできているか?」


 俺はそう告げると、敵の大群に向けて駆け出す。

 サラザールを先頭に奴らは応戦してくるが、俺は即座に雷神剣舞を発動する。


「絶招三式 《雷神剣舞》!」


 次の瞬間、俺の姿が文字通り、消える。

 雷の速度に達した俺は肉眼では捉えることができない。

 そこにあるのは一方的な殺戮。

 雷の巨大竜巻が戦場で巻き起こり、周囲の武人達を呑み込んでゆく。


 ものの数秒で、目の前に広がっている武人達を全員倒してしまった。

【強さの段階】

神和境>入神境>化境>超一流武人>一流武人>二流武人>三流武人>一般人


【登場人物】

ルクス:化境の武人。

アリアンナ:エルフの女の子。


【読者の皆さまへ】

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― 新着の感想 ―
[一言] うわぁ…。やる事なす事、まさに噛ませ犬だな。 それにしても、天衣無縫か…。世界最高であり、世界最強の陣法を覚えたら、敵なんて居ないじゃん。 というか、ルクスに無礼を働いて、他の国に行かれ…
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