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ヲタッカーズ21 彼女は御機嫌ナナレ

作者: ヘンリィ

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

時空海賊、ギャング、宇宙人の聖都侵略が始まった!


聖都の危機にアキバのCharlie's angels

"ヲタッカーズ"が立ち上がる!

オトナのジュブナイル第21話です。


今回は、人類至上主義の科学者達が傭兵をサイボーグに改造、秋葉原への侵攻を開始します。


直ちに反撃するヲタッカーズとジャドーは"不機嫌ニウム"を用いるサイボーグに苦戦して…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 開戦前夜


中央通りでビル火災!

たちまち、煙が充満w


量販店"ノンキホーテ"から出火、ワンフロアを焼き払い、さらに延焼中だ。

既に神田消防(アキバファイア)が出動して、ハシゴ車がアームを伸ばして救急車が駆けつける。


「頼む!来てくれ!」


誰に祈るのか?


「来た!ヲタッカーズだ!」


突入待機中の消防士から歓呼の声が上がる。

ロケット兵装備のマリレが空中で敬礼スル。


「エアリ、貴女が仕切る?」

「いいえ、マリレ。私は裏方に回るわ。雲を集めて来る」

「そぉ?じゃ大きく息を吸って…」


飛ぶ系スーパーヒロインのマリレとエアリが素早く役割を分担。

マリレはスーパーブレスで鎮火し、マリレは呪文で雨雲を呼ぶ。


「ありがと、ヲタッカーズ!」

「…どーいたしまして!うーん。でも、ワンパターンだったカモ」

「そうねぇ。もし、飽きられたら考えましょ?あら、次の御座敷ょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


今度は銀行強盗だ!


「ズラかれ!」


トマト銀行の秋葉原支店からウサギが飛び出し…ん?ウサギのラバーマスクの男?

ウサギ男は、蔵前橋通りから急カーブをかけ突っ込んで来た黒いSUVに飛び乗り!


「飛ばせ!」


が、次の瞬間見えない壁にガツンとぶつかり急停車!

車内の強盗はつんのめって、フロントガラスに激突!


「あら?急用?」


逃走車の目の前で小声で停車呪文を唱えるエアリ。慌ててバックするが後にはマリレが…


「私は彼女の連れょ。あらぁバンパーが凹んじゃったカモ」

「な、何だ?姐ちゃん達?」

「畳んじめぇ!」


SUVのドアが開き、ワラワラ強盗が飛び出し前後に分かれ短機関銃を乱射。

ヲタッカーズに豪雨の如く弾丸が降り注ぐが胸で弾かれて路面に散らばる。


「あら?今度はパンチ?銃も通用しないのになぜ殴るの?理解不能だわ」


その場で銀行強盗を全員(市民)逮捕。


「あぁ最高の気分ね」

「私もょ…あら、電話だわ」

「ショーはそこまで!芳林公園に透明系の異次元人が出没したわ!」

了解(ログ)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジャドー司令部。


「まったくもって不愉快ょ。ホラ、ダマヤ分析官。仕事に集中して!」

「はい、レイカ長官。ねぇハンナ機長には親切にスル約束でしょ?」

「努力はスルわ」

「(レイカ司令官の声で)ヤルの?ヤラないの?中途半端が1番ダメょ」

「…ダマヤ。アンタ、覚えてなさい!」


ソコへヲタッカーズのエアリとマリレが帰還し…当のハンナ機長の拍手喝采を浴びてる。


「あぁもぅ頭が痛いわ。射撃訓練して来る」

「司令官、ストレス発散ですか?」

「うるさいわねっ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


疾走する黒いSUVの車列。

その中の1台は手術車だ←


「起きなさい、ゴル子13」

「ん?カラダが…おかしいわ」

「でしょうね」

「私、どうなったの?」

「ヲタッカーズに殺された貴女を我々が改造して蘇らせたの」

「アンタは?」

「通りすがりの科学者ょ。秘密科学結社の一員。長い間、私達は貴女のコトを待ち望んでいた」

「長い間?」

「YES」


ゴル子13が、恐る恐る自分の胸に手を当てると、服の下で何かが緑色の光を放っている。


「私に…何をしたの?」

「贈り物をしたわ。科学の敵に死をもたらす武器を与えた。貴女に新しい人生を与えた。そして…使命を与えた」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジャドー司令部。司令官は御機嫌ナナメだw


「あら?司令官?」

「ヲタッカーズから連絡がナイから、今から援護に行こうかと思って」

「異次元からの透明人間なら捕まえましたけど…」

「そぉ。じゃ解散ね」

「ごめん。チームヲタッカーズを楽しみ過ぎたわ。今日は特に…」

「次からは手順に従い、任務を終えたらすぐ報告をして。ヲタッカーズは、ジャドーと民間軍事会社(PMC)契約を結んでいるのでし

ょ?」

「すみません。私達は…」

「楽しみ過ぎたワケょね?」


その時、ジャドー司令部全域で電圧が降下w


「エネルギーがICU(集中治療室)に流れている….まただ!」

「昨夜から始まった。司令部の全エネルギーが"姫"へと流れ込んでる」

「ん?"姫"に"不機嫌ニウム"を浴びせているの?」

「安全のためのヤムを得ない措置ょ」


しかし、ハンナ機長は懐疑的な視線だ。


「電気が戻ったぞ。出力100%」

「"姫"のバイタルがまた上昇した」

「"姫"は、自分で体力を補充してるのか?」

「光合成みたいだ。電気を吸収し、化学エネルギーに変えている」


ハンナ機長が意見具申。


「"姫"を再検査すべきょ」

「私に任せて」

「…そうね」


レイカ司令官が直ちに応じ…うーんレイカ司令官はハンナ機長と上手く行ってナイ様子w

ソレを(つぶさ)に見た司令部のジャドーメンバーがレイカ司令官をヤイノヤイノと責め立てる←


「ウワベだけでもハンナ機長に親切にスル約束ですょ?」

「長官も努力するとおっしゃいました」

「"神田川の英雄"を邪険にするなんて」


同情票が多数でレイカ司令官の旗色悪いしw


「全くコレだからお仕着せ人事は嫌いょ。自分の組織なのに人事ひとつ思い通りにならない…わかったわ。仲良くするし」

「thank you です」

「さすがは司令官だわ」


苦虫を噛み潰したような顔のレイカ司令官を尻目に、マリレはハンナ機長に声をかける。


「…あのぉ司令官。今宵は"潜り酒場(スピークイージー)"で海外ドラマとチャイニーズですが、どぉですか?」

「え?北京の人が来るの?」

「違います。中華料理を食べながら"ビッグバンドセオリー"でも見ませんかって意味ですけど」

「素敵!私、熱々の棒餃子が大好物なの!でも、お邪魔じゃない?コロナで三密になるし?」

「今宵は、メンバー限定の"ヲタッカーズナイト"なんです。お気兼ねなく」

「楽しみょ。thank you!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御屋敷の裏を"潜り酒場(スピークイージー)"風に改装したらヤタラ居心地が良くなってスッカリ溜り場化w

常連やら何やらが溜まるが今宵はヲタッカーズ+御招待オンリーのスペシャルイベント。


で、御招待のハンナ機長が…ボヤく。


「あーあ。上手く行かないわ。せっかくのジャドー勤務が全然ワクワクしない」

「機長なら大丈夫ですょ。何たって"神田川の奇跡"ナンだから」

「いつまでも、英雄やってらんない。早く期待に応えたいの。ジャドーでは、調査部別班を率いるコトになったわ。ヲタッカーズに先行して潜行偵察を行うチームょ」

「えっ?とゆーコトは…コレからも現場を御一緒出来ルンですね?スゴく楽しみです。今まで以上に頑張らなきゃ」

「テイのいい左遷ょ。レイカは私を司令部から追い払いたいンだわ…ところで、ムーンライトセレナーダー、じゃなかったミユリさん?」

「はい?」

「テリィたんを眺めるのは癒し効果が抜群ね。どんな悩みも不安も。彼を拝めば泡のように弾けて消えていくの」

「ソ、ソレは良かったですね」

「秋葉原で最高の景色だわ。ミユリさんって趣味が良いのね」

「ソンな…珍しいです。誰かがテリィ様を褒めるなんて」


…なんてヤリトリの最中だったらしい。

僕が"潜り酒場(スピークイージー)"に入って逝ったのは。


「ハンナ機長は赤?白?」


僕がワインの瓶を見せると、ハンナ機長から可愛いハンドサインが返って来て面喰らうw

アレは…今宵、誘ってる?うーんカラカッてるのかな?ココは得意の優柔不断な笑顔で…


「…テリィたん、私はパイロットだから飲まないのょ。飲んでも酔えないクソ真面目な性格だし」


挑むような眼差し。しかし"クソ"が余計w


「じゃヲタッカーズのみなさん、テリィたんと2人きりにしてくれる?」

「もちろん」

「えっ?」


突然のオファに驚き慌てるのは僕とミユリさんだけで…エアリとマリレはミユリさんを引きずるようにして"潜り酒場(スピークイージー"を出て逝く…


あれ?ミユリさーん!


「…ありがとう。で、テリィたん」

「は、はい?」

「テリィたんには、話したいコト(ショートディスカス)があるの」


深いソファから身を乗り出すと…

あの、その、下着が見えそうだ←


「あのさ。僕はミユリさんのTO(トップヲタク)だから。ちょっち他の子のTOになるワケには…」

「えっ?秋葉原って一夫一婦制?今時流行らないわ…ってかソンなコトより、実は私もスーパーヒロインで…」


ところが!ココで臨時ニュースだ!

"潜り酒場"のモニターに流れるw


「…いったいどーしたコトでしょう!腐女子が万世橋から飛び降り自殺を図り欄干に登っています!この影響で、現在、万世橋は上下線共に通行止めになっています!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


白昼の万世橋。


非常線が張られ交通が制限される中、欄干に立つ腐女子に懸命の説得が続く。

ソコへ先ず飛ぶ系のエアリとマリレが現場に舞い降り万世橋警察(アキバP.D.)署員と交替。


「やめて!死んじゃだめよ!」

「リア充に負けないで…あ、貴女は?」

「フフフ。かかったな、ヲタッカーズ!死ね!」


え?女傭兵のゴル子13?生きてたの?


ヲタバレを避けるつもりか量産型ファッションだが、着こなしが明らかに腐女子…

とか思ってたらブラウスの下が不気味な緑色の輝きを放ち…イキナリ光弾を連射!


「ぎゃ!」

「あぅ!」

「どう?ヲタッカーズなんて怖くないわ!」


緑の光弾をマトモに喰らって、吹っ飛ぶエアリとマリレ。

無敵のヲタッカーズが!万世橋の端まで吹き飛ばされるw


さらにゴル子13が瞬間移動、のたうつスーパーヒロインを見下ろしチョークホールド!

暴れるヒロインをふたり同時に抑え込み、その目の前で胸の緑の光の光度を増して逝く…


「トドメを刺してやる!あの世へ行っちまいな、ヲタッカーズ…」


が、最後まで逝えない!


遅れて到着したミユリさん…ムーンライトセレナーダーが放つ電撃がゴル子13の背中を直撃!絶叫するゴル子13に体当りを食らわす!


「ぎゃあああぁぁぁ…」


今度は吹っ飛ぶのはゴル子13の方だ。

絶叫しつつ欄干を越え神田川に落下w


どっぷーん!


水柱を立てて黒い川面の下に消える!

しかし!咄嗟に放った緑色の光弾が…


「ムーンライトセレナーダー!」


ミユリさんの(薄いw)胸の谷間を貫き背中へと貫通!

瞬間、え?と逝う顔をしたミユリさんが崩れ落ちるw


「ミユリさん!」


僕がお姫様ダッコで抱き起すと、彼女の首はガクリと反り、両手がダラリと垂れ下がる。


僕は叫ぶ。


「ミユリさん!らめぇぇ!」


第2章 宣戦布告


もちろん、ミユリさんは生きてる←

薄く目を開き僕の胸の中で微笑む。


「も少し。お姫様抱っこプリーズです」

「あぁ良かった!」

「少し目眩がスルだけです」


僕は…安堵したコトも手伝い、ココぞとばかりにミユリさんの(薄いw)胸の谷間を凝視←

ミユリさんは、そんな僕を見てワザと谷間をチラ見せしてから、少し怒ったような顔w


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その勢いキープのままジャドー司令部に乗り込んだら、ハンナ機長がレイカ司令官にスゴい剣幕でまくし立てて…マズい、しまったw


「"不機嫌ニウム"は、ジャドーにしかないハズょね?でも"不機嫌ニウム"を動力源とするサイボーグ女子が現れたわょ!管理は、どうなってるの?」

「実は…4ヶ月前積み荷が消える事件があったの。いまだに行方不明」

「4ヶ月前?」

「盗まれたの。でも、輸送担当者はシロだった」

「ジャドーにスパイが?」

「わからない」

「"不機嫌ニウム"を廃棄さえしていれば!」

「でも"不機嫌ニウム"がなければ"リアルの裂け目"から襲来スル異次元人に対抗出来ないわ」

「ヲタッカーズが死んでも構わないと思ってるの?」

「口が過ぎる!」

「お黙り!」


ソコへ突如、司令部の全モニター画面がハッキングされて人間の脳の断面画像が流れるw


「秋葉原の皆さん。我々ヲタクは秋葉原を奪われた。奪ったのは、スーパーヒロインを装ったヲタッカーズだ。ヲタッカーズは、我々ヲタクを守っていると言う。だが、救世主ヅラした彼女達は、いずれ秋葉原を支配する。それを阻止すべく立ち上がったのが我々"脳髄帝國"だ。帝國臣民である我々科学者は、スーパーヒロインに人類の力を見せつける。ヲタッカーズの味方は容赦しない。我々を止めても無駄だ。我々は"脳髄帝國"」

「"脳髄帝國"?ついに正体を現したわね」

「ヲタッカーズへの宣戦布告?」

「私達スーパーヒロインを殺す気よ」

「アキバのヲタクを捕らえては、ゴル子13のように"不機嫌ニウム"で動くサイボーグに改造スル気だわ」

「何としても見つけ出して、阻止しなきゃ!」

「手がかりは?」

「私がサイボーグ女を殴った時、手に金属の粉が付着したの。ウチの"南極要塞"で分析してみるわ」

「わかった。ジャドーは"不機嫌ニウム"を無力化するシールドを改良してみるわ。ね?頼むわょ"国民的ヲタク"さん」

「え?僕でいいんですか?」

「貴方でパーフェクト」

「ハンナ機長。この際、私情は脇に置いて力を合わせましょう」


レイカ司令官とハンナ機長は堅く握手スル。


「南極は寒いですょおふたりさん」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


マリレは呉越同舟のレイカ司令官とハンナ機長を南極要塞までアテンドする。

ムーンライトセレナーダーことミユリさんとエアリがジャドー司令部に残る。


「ムーンライトセレナーダー、お話が」

「え?私に?私達、宣戦布告されたのょ?今、私が暇に見えるかしら?」

「すみません」

「30秒で」

「"脳髄帝國"とは何者でしょう?」

「さぁ?ジャドーにも資料は無いみたいょ」

「私、何をしたら良いのか…私は、スーパーヒロインとしては未熟ですが、任務さえもらえれば…」

「なるほど。で、私にどうしろと?」

「ミユリ姉様から御指示をいただこうと思って」

「何か言った?空耳?自立できない貴女の面倒を見ろと?」

「えぇ…まぁ」

「嫌よ。甘えないで。絶対にお断りよ。エアリ、貴女はもう大人ょ。賢くて才能もある。何回言わせるの?自信を持ちなさい。いい加減目を覚まして。独り立ちして。私は…いなくなるカモしれない」←

「いなくなる?おーまいが!死んじゃうんですか?」

「いいえ。違うわ」

「あぁ驚いた」

「私はね。死んだりはしないわ。でも、池袋に還るカモ。良いわ。この際だから、正直に話す。私、アキバから離れるカモ」

「そんな!」

「今、私は水槽のサメのように同じトコロを泳いでるだけって気がスル。もしかしたら、アキバでの仕事は終わったのカモって。私はテリィ様と組んでヲタッカーズを築き上げたわ。多少なりともアキバに愛と光を広めた。でも、同じ水槽で泳ぎ過ぎたの。新しい海へ飛び込む時期だわ」

「あああっ。全てが変わっていく。私、変化についていけないわ。どうしよう…ミユリ姉様が秋葉原を去るなんて」

「やめて、エアリ。貴女なら大丈夫。さぁ、ハグしましょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


アキバを疾駆スル"脳髄帝國"の黒い車列。

車内で背中に装着された装甲を見るゴル子。


ソレを尻目に手術台の脇で科学者達は議論。


「"不機嫌ニウム"駆動のサイボーグ"ナナレ"を実戦投入したのは間違いだったわ!」

「そうかしら?私は満足してる。だって、あのヲタッカーズに大怪我を負わせたのょ?」

「でも、未だ生きてる。彼女達は、直ぐに反撃してくるわ」

「同感よ。迎え撃つ準備を進めねば!戦力を増強して今度こそ片付けるわ。計画はフェイズ2に移行、"ナナレ2号"の完成を急ぐわ」

「え?でも、もうサイボーグ手術に適した候補者はいないのでしょ?」

「いいえ。完璧な人材がいるわ」

「誰?え?ねぇ!コレは何のマネ?」

「貴女も人類を救うのょ」

「嫌!ヤメてょ!私を放して!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


旧ドイツ軍"南極要塞"。


「第2次大戦末期、敗色濃厚な枢軸側が月に逃げ延びる際に使用した要塞か。自動化されているとはいえ、氷と雪に囲まれた白い廃墟ね」

「ヲタクには国境がない。だから、互いの歴史だけでも守り合いましょう」

「そのためにも"不機嫌ニウム"は廃棄されるべきょ」

「無理だわ」

「なぜなの?」

「"リアルの裂け目"が開いたから。人類が無力なせいで、ヲタクがさらわれる。もう無防備ではいられない。いくら憎まれても、ソレは譲れない」

「憎んでないわ。信用出来ないだけょ。人類が"不機嫌ニウム"を持つコトは、スーパーヒロインを味方にするコトより大事なの?…

あら、分子スキャンの結果が出たわ」

「どうなの?」

「放射性のプロメチウム。非常に硬い金属ね」

「プロメチウム?ソレは興味深いわ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御屋敷裏の"潜り酒場"風に改装したヲタッカーズの溜り場で、僕とミユリさんの会話。


「長官から連絡は?」

「ありません。テリィ様の方は?」

「ないけど…きっと手がかりを見つけてくれるハズだょ」

「あの2人喧嘩してないでしょか?」

「アイスでも食べる?元気出そ?」

「考えてたのです。私、池袋に戻ろうかなって」

「ええっ?!何だって」

「だって、私がいない方がアキバは安全ですょ?脳髄帝國とやらにも狙われない。レイカ司令官も"不機嫌ニウム"を置いておける。ヲタッカーズに引っ掻き回されズに"リアルの裂け目"からの防衛に集中出来ます。どうでしょうか?」

「あのさ。確かにミユリさんとは、最近この手の会話はしてなかったね。でも、いきなりステーキ、じゃなかったイキナリ池袋に還るだなんてw」

「テリィ様も、もう私を推さなくても良くなりますょ?」

「え?ちょっちミユリさん、あのさ。少し黙って聞けょ。僕達は、推しとヲタだ。アキバに来てから必死になってミユリさんを推してる。僕にとって、アキバはミユリさんがいる街だ。僕は、ミユリさんを守るために戦っている。サラリーマンの傍らではアルけれど」

「でも、テリィ様はソレが楽しいと…」

「逝ったさ。今だって楽しい。でも、ヲタ活のために多くも失ってルンだ」

「え?ソレなら、テリィ様が失ったモノを一緒にお探しします」

「池袋でメイドをやりながら?あのさ。どっちの街が大事かナンテ話はどーでも良いンだ。もう孤独を感じたく無いンだょ。ミユリさんといると、僕は安心出来る。同じヲタクだから、心から理解し合えルンだ」

「私は…私は、テリィ様のコトを誰かに任せ切りだったのかもしれません。誰か若くて、もっと巨乳の…」


げ!マズい方向へ話が転がり始めたら…ミユリさんのスマホが鳴動w天は我を見放さズ←


「レイカ司令官?進展は?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジャドー司令部。


「"不機嫌ニウム"で動くサイボーグ女の金属が特定出来たわ!アキバ全域のプロメチウム反応を調べるのょ。コンピューター衛星"シドレ"に衛星軌道から走査させて!」

了解(ログ)。プロメチウムは放射性金属(ホットメタル)です。放射線の痕跡を探査中…原子番号61。発見!」

「あら?アキバの街中を走り回ってるの?」

「少なくとも、ソコにサイボーグ女はいるハズです」

「シールドは、もう少しで完成しますが…」

「間に合わない。今回はシールドなしで行くわ。OK?ヲタッカーズ」

了解(ログ)。ヲタッカーズ、GO!」


第3章 決戦!乙女ロード


パーツ通りの外れに黒いSUVが1台停車中。

人影が現れ中からストレッチャーを出す←


「ゴル子13、いえ、元ゴル子13の"不機嫌ニウム"で動く女サイボーグさん。こんばんわ。貴女は、ココでゲームセットょ」

「任務に殉じるコトを恐れはしない。でも、未だゲームは終わらない。ソレから、私の名前は"ナナレ1号"」

「お名乗り thank you!おっと動かないで。私の電撃で灰になっちゃう」


ムーンライトセレナーダーが電撃のポーズ。

左右に飛ぶ系のエアリとマリレを従えてる。


「好きにして。でも、良いのかしら?私の妹は今、乙女ロードにいるのょ?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


池袋の乙女ロード。


コスプレした腐女子が、小グループに別れてソゾロ歩く中、不敵に笑い佇む女。

不意にブラウスの胸をはだけると…その胸部からは怪しい緑色の光が漏れ輝くw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「コッチは囮?急いで、エアリ!マリレ!」

了解(ログ)、姉様!」

「どーしたの、ムーンライトセレナーダー?貴女も乙女ロードに急がななきゃ。飛べないンだから走って行けば?…ソレとも、お尻に火を点けて欲しい?」


"ナナレ1号"の胸が緑色に輝くw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


乙女ロードは、約200m程度の横丁だが完全に破壊され、左右は(くすぶ)る瓦礫の山だw

煙が立ち込めチョロチョロと火の手も上がって負傷した腐女子がヨロヨロ彷徨う…


ココは…地獄だw


「まさか乙女ロードを狙うなんて」

「私達のせい?」

「気づいてさえいれば」


悲しげに首を振り肩を落とすエアリとマリレ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


同時刻。ジャドー司令部。


「わ!ショートしたwドライバーを」

「ホラ!」

「投げるなょ。僕は、イケメンだけど運動音痴ナンだ。そして、この手で飯を食ってる!女優の顔と同じ商売道具ナンだ!」

「あぁゴメンナサイ。考えゴトしてたから」


ジャドーに入隊した"国民的ヲタク"ダマヤが"不機嫌ニウム"用シールドを制作中だ。


「とにかく!このシールドが出来るまでは、乱暴はヤメてください。レイカ司令官」

「あぁ、まただわ!みんながヲタッカーズのために頑張ってる。私なんか、最後にデートしたのは2年前よ。ダマヤよりご無沙汰」

「そりゃヒドいな。養子の御経験は?」

「何?養子がどーしたの?」

「僕は、父親が逮捕されて里親に出されました。ソコでは、常に感謝しろと言われ続けて育った。面倒見てくれる人がいるってコトをありがたく思えってね。でも、家族ってソンなモノじゃない。ソバにいるだけで良い、そーゆーモンでしょ?だから、司令官も落ち着いて。"不機嫌ニウム"の痕跡のせいで、仕事が増えて大変ナンです」

「えっ?今、何て言ったの?」

「街に素粒子が充満してルンですょ」

「"不機嫌ニウム"って痕跡が残るの?」

「えぇ。何しろ放射性(ホット)ですからね」

「ソレだわっ!ソレを手がかりに、ジャドーに潜入したスパイを特定出来る。"脳髄帝國"に手を貸しているのは誰かが、わかるカモ!」

「あ、そっか。了解(ログ)。早速ガイガーカウンターで(女子)更衣室を調べてみましょう!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジャドー司令部の女子更衣室。


「うわー。憧れの女子更衣室だ!へぇこーなってるのか!」

「しっ!静かにして」

「わかりました。でも、駅のトイレみたいに"男子清掃員が作業中"とか札を出さなくても良いですか?」


女子ロッカーを1つ1つガイガーカウンターで調べて逝く。

あるロッカーの前で、ガイガーカウンターが激しく鳴動w


「マギヌ…さん?」

「彼女は輸送担当。でも、協力企業の社員で部外者だわ。彼女がスパイなのね?」

「どうしますか?」


レイカ司令官は、一計を案じ、司令部に戻ってから何食わぬ顔してマギヌに声をかける。


「マギヌさん」

「はい、レイカ司令官」

「"不機嫌ニウム"を1部、市ヶ谷の宇宙作戦群に移送します。輸送をお願い」

了解(イエス マム)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ジャドー司令部の"不機嫌ニウム"保管庫。


「動くな!マギヌ!」

「レイカ司令官、誤解です!」

「両手を挙げて!連行します。全て話してもらうわ!」


"不機嫌ニウム"のコンテナに"A級放射性物質"の偽りのラベルを貼るマギヌ。

輸送に紛れてデータを偽装し"不機嫌ニウム"の強奪を図る現行犯で逮捕される。


裏切者に拳銃を突きつけるレイカ司令官。

おとなしく両手を挙げるマギヌ輸送担当。


「大人しくコッチを向いて!」

「いやょ。お断り」

「えっ?」


いきなり、背後から後頭部を殴られ、前のめりに倒れるレイカ司令官。

振り向くと、白衣の科学者が拳銃を構え立っている。"脳髄帝國"か?


しかし、警戒厳重な司令部に侵入を?


「私を殺すの?」

「実は、未だ決めてないわ。ウチに協力するって道もアルにはアルけど?」

「協力などしない」

「司令官を見てると、幼少期に虐待された子を連想するわ。貴女は、ジャドーに洗脳されたのね。悪魔を天使だと信じ込まされてる。秋葉原のために人生を犠牲にしてるわ。ヲタクがいなければ、どんな人生だったかを考えてみて?私は、秋葉原を救いたいの。"脳髄帝國"に力を貸して」

「今まで"リアルの裂け目"から襲来した異次元人と数え切れないくらい闘って来た。私は、貴女の望むコトをズッとやって来たのょ」

「感心だわ」

「でも、覚悟しなさい。ジャドーは必ず貴女を片付ける」

「ワォ。ソレなら仕方ないわね」


科学者の背後から現れた屈強な男達に連行されるレイカ司令官。

が、目にも止まらぬ早業でふたり同時に殴り倒し、拳銃を奪う。


「追え!逃すな!」


白衣の女科学者の、ラスボス感たっぷりなドスの効いた叫び声。

たちまち、狭い保管庫内には拳銃弾が飛び交って火花を散らす。


レイカ司令官は、ひとりを射殺、ひとりを格闘で倒したトコロで最後のひとりに背後から…


「動くな!」

「命令しないで!私は司令官よっ!」

「そりゃ好都合だ。死ね!」


司令官のオデコに狙いをつけて銃声が響く!狙いすました弾丸はレイカ司令官へと飛び…


「大丈夫?」

「ムーンライトセレナーダー!」

「やっと間に合ったわ」


ムーンライトセレナーダーことミユリさんが右手でOKサインをつくって弾丸を摘んでるw

電撃を放ち最後のひとりは感電して倒れ床を転げ回るがラスボスの女科学者は姿を消す。


「ミユリさん、ありがと!」

「お怪我は?司令官」

「ヲタッカーズは、秋葉原にとって大事な存在ょ。貴女達のおかげで、ヲタクは秋葉原に居場所を見つけられる」

「私達、アキバにいた方が良いかしら?」

「もちろんょ。貴女達がアキバにいれば、奴らを出し抜けるわ」

「奴ら?」

「"不機嫌ニウム"で動く女サイボーグ"ナナレ"の1号と2号。私達が力を合わせれば、どっちも同時に倒せる。ねぇ力を貸して?」

「もちろん!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


一方、スパイ潜入騒ぎを尻目に、ダマヤは"不機嫌ニウム"用のシールドを完成させる。


「さぁコレさえ着けていれば、スーパーヒロインも死なずに済むょ。どう?」

「上出来だわ!ん?ちょっちチッチャイ?」

「あら?私にはピッタリ」


シールドは掌サイズのメタルプレートで胸の辺りに装着し、緑の光弾を跳ね返す(予定)。

巨乳系のエアリが装着スルとオモチャみたいに小さく見えるが微乳系のミユリさんだと…


ブカブカだ←


「ミユリ姉様、泣いてるの?」

「ま、まさか…とにかく!作戦だけど"脳髄帝國"は、ヲタッカーズとジャドーはバラバラだと思ってる。ソレゾレが勝手に闘い、互いにカバーし合うとは夢にも思ってないハズょ」

「なるほど。で?続けて…」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


街を疾駆スル"脳髄帝國"の黒いSUVの車列。


「ジャドーとヲタッカーズは仲が悪い。加えてヲタッカーズ内部も、助け合うフリして、実は巨乳と微乳が互いの脚を引っ張り合ってる。ソコが弱点ょ。つまり、利己主義の塊なのね」


ナナレ1号&2号が胸を緑に光らせる。


「今こそ、ヲタッカーズとジャドーを共倒れにして葬り去るチャンスよ。今なら、彼女達は孤立したアパッチ砦みたいなモノ。頼みの騎兵隊は永遠に来ない。さぁアキバのスーパーヒロインを殲滅するわよっ!」


ナナレ1号&2号は白衣の女科学者を見る。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


コンピューター衛星"シドレ"から、メイド通りにナナレ1号出現の警報。

一方、乙女ロードのジャドー調査部別班からはナナレ2号出現の報が入る。


"脳髄帝國"は二手に分かれる。

調査部別班指揮官はハンナ機長。


「復興作業中だった乙女ロードは、再び火の海ょ。ナナレ2号は、あらゆる弾丸を跳ね返して破壊行為を続行、別班は退却中」

「ナナレ2号の破壊行為に対しジャドーの撤退はアリ得ズ。別班は現在死守スル場所にて闘え。もし生きて止まるコト(あた)わねば、死してソコに止まるべし。飛ぶ系ヲタッカーズの到着まで、時間を稼げ!」

「秋葉原メイド通りにムーンライトセレナーダー&テリィたん到着。ナナレ1号との戦闘を開始!」


僕も、ミユリさん…じゃなかったムーンライトセレナーダーとメイド通りに駆け付ける。

パーラー角を曲がると秋葉原ZONEの三叉路にナナレ1号が立っている。間に合ったか?


「戻ったわょ。ゴル子13改め"不機嫌ニウム"で動くナナレ1号さん?」

「あら?先にメイド通りを破壊しようと思ってたのに…よほど死にたいみたいね。喰らえ!」

「うっ!…素敵!コレ気に入ったわ!」


ムーンライトセレナーダーの胸甲がナナレ1号が胸から撃ち出す緑色の光弾を跳ね返す!

無敵の光弾を跳ね返され、呆然となるナナレ1号だが、破れかぶれで殴りかかって来る!


正悪スーパーヒロインがボクシング対決!


カウンターパンチを喰らい、ムーンライトセレナーダーの胸甲が火花を散らしショートw

もう光弾を防げない!接近戦に持ち込むミユリさん!バックをとりドラゴンスリーパー!


「テリィ様!今です!破甲爆雷を…」

「吸着地雷だ!喰らえ!」

「な、何ょコレ?」


ミユリさんに技を締められ喘ぐナナレの胸の谷間に漏斗形地雷を押し付け点火紐を引く!

次の瞬間、モンロー効果の成形炸薬から(ほとばし)るジェット噴流が緑の光を焼き尽くして逝くw


「貴女は…終わりょ」


胸の谷間に開いた真っ黒に焼けた穴を見て、信じられないと逝う顔で崩れ落ちるナナレ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


池袋へ急行するヲタッカーズだがエアリが緑の光弾に"撃墜"されるw

乙女ロードに舞い降りる瞬間だったが巨乳で胸甲が正面を向いてない?


撃墜されたエアリは乙女ロードに尻餅をつき緑の光弾の連射を浴びるw

目前の至近距離から光弾を撃ち込まれナナレ2号を前にエアリは絶叫←


「ぎゃあああっ!」

「ヲタッカーズ!"不機嫌ニウム"に勝てるとでも?死ね!」

「あの胸の緑の光を!あの緑の光だけを狙って!全力射撃!」


瓦礫に潜む別班は全員が負傷していたが、手持ちの武器で一斉に狙い撃ち!

たちまち、ナナレ2号の胸に擲弾、ロケット弾、手榴弾その他の十字砲火!


焔と爆煙の中で緑の光が弱々しく明滅、フラフラになったナナレ2号がヨロヨロ立つが…


「今ょ!マリレ、貴女も一緒にドロップキックでトドメを刺してっ!」

「OK!私達の結束力を見せてあげる!」

「行くわよっ!ダブルライダーキック!」


明滅スル胸の緑の光を(えぐ)るように蹴られて、乙女ロードの端まで吹っ飛ぶナナレ2号w

既に光を失っているナナレ2号の瞳に向かって中指を立てたエアリが思い切り挑発する←


「"脳髄帝國"に告ぐ!私が見えてる?聞こえてる?ジャドーとヲタッカーズが、貴女達を必ず見つけ出してやるわ!」


第4章 終戦秘話


アキバを疾駆する車列の中、スクリーンで吠えるマリレに向かって、女科学者が答える。


「望むトコロだわ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ワラッタ・ワールドワイド・メディアHQタワー最上階のサリアCEO専用バルコニー。


「ムーンライトセレナーダー?秋葉原を卒業しかけたンだって?」

「あら、サリアさん。誰に聞いたの?」

「ある人」

「テリィ様?」

「…もし貴女がいなくなったら、この街も寂しくなる。きっと毎日思い出すわ。貴女だって、慣れた場所を離れるのは怖いでしょうに」

「あ!引っ掛け問題ね?答えは No だわ。だって、未知の世界に飛び込むのょ?ワクワクしなきゃ。何が待っているのかわからない。心が躍る…そう教えてくれたのは、貴女ょね?」

「人生は長いわ。何度でも生まれ変われる。今回は秋葉原に踏み止まり、目の前の使命を果たして。確かに変化は必要だけど、時には踏み止まる勇気も必要ょ」

「わかってます。明日からもよろしくね。サリアCEO」

「私の本名は…」

「ヤメて。私も教えない」

「ソレは、残念だわ」

「でしょ?」

「久しぶりに記者魂が疼いたのに」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


同時刻。ジャドー司令部では、帰還したハンナ機長にダマヤが盛んに売り込みをかけるw


「お帰りなさい!今回の"不機嫌ニウム駆動の女サイボーグ(ナナレモン)および不機嫌ニウムビーム用シールド」に関するレポートを徹夜でまとめました!」

「え?何ょその"ナナレモン"って?彼女達は"ナナレ"としか名乗ってなかったわょ?」

「シールドの性能評価と別班からアンケートをとった用兵サイドからのコメント付き、裏取りもバッチリですょ!」

「要らないわ」

「ソンな!」

「私は認めないわ」

「先ず読んでください!」

「ゴミ箱行きね」

「じゃあ、ワラッタのサリアCEOに渡します!」

「…待って。私はね。貴方のコトが大嫌いょ」

「嫌いで結構です!クソ機長さん!」

「悪態をつくのも下手ね。そんなんじゃ戦場で使えないわ。今日は疲れたから、明日出直して。指導してあげるわ」

「え?では、俺を調査部別班に?」

「ダメょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


さらに同時刻。ジャドー司令部の、さらに深層にある"不機嫌ニウム"保管庫。

秋葉原に墜落した通称"姫"の力を弱めていた"不機嫌ニウム"が収納される。


「"姫"対策でメッド(メディカルセンター)に配置してた"不機嫌ニウム"を撤去するコトになった。ハンナ機長が強硬に意見したらしい」

「"神田川の奇跡"に突っ込まれたンじゃ、レイカ司令官も無視は出来ないょな」

「コレで、地球上にある"不機嫌ニウム"は、全量この保管庫に収まったコトになる。保管を任されたジャドーの責任は重大だ」


ジャドー隊員は気を引き締め合い施錠スル。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


さらに、さらに同時刻。

"姫"が覚醒スル…


「ココは…」



おしまい

今回は海外ドラマでよくモチーフになる"悪者サイボーグ"を軸に、遂に姿を現した人類至上主義の科学者集団、集団にサイボーグにされる傭兵、迎え撃つ防衛組織の別班、その班長となった神田川の英雄、池袋に還りたがるメイド長などが登場しました。


海外ドラマで見かけるNYの都市風景を、第2次コロナ宣言の延長が早くも期限前で切れるのではと噂され出した秋葉原に当てはめて展開しています。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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