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助けた犬獣人の破棄奴隷は伝説級の元冒険者?~そんなことよりもふもふしてもいいですか?~  作者: 有


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注*修正前です1*

すいません、ここからまだ文章修正が終わってなくて、バーヌの嫉妬系少ないバージョン(別サイトでアップしたものと同じになっています。時間が取れ、修正が終わり次第差し替え予定ですので、1話分のボリュームも後で差し替えしやすいように話数少なく、つまり1話多くなってます。


さて、修正待ちで更新放置か、とりあえず更新して修正待ちか、好みが分かれると思います。

修正版でちゃんと読みたいというひとは、申し訳ございませんが修正前ですは読まずにそっと閉じて、修正版と差し替えが終わってからご覧いただければと思います。スイマセン。なんかややこしい状態になっていて。

「問題ない、ない。っていうか、レバー、うまいな。内臓は捨てる発想しかなかったが……」

「病気も治してくれたし、捨てるのなんて本当に勿体ないわね」

「あー、でも、レバーはほかの肉に比べて足が速い……腐りやすいんで、流通させるのはちょっとむつかしいかもしれないです。こうしてすぐに使うなら問題ないんですけど……」

 冷蔵庫ないし、見た目では分かりにくいし。特に生で食べることを考えると本当に鮮度が命だ。っていうか、生じゃないと効果がないのかな?

「ユーキは物知りね。分かったわ。信用置ける人から、新鮮なものだけを仕入れて調理しないと駄目なのね。で、この美味しいもの、作り方教えてもらってもいいかしら?」

「ええ、もちろんです。一緒に下ごしらえしましょう」

 順調に下ごしらえをしつつ、販売方法などについても確認する。それから、メニューの修正。フライの値段設定とか、いろいろ。

 空がオレンジ色に染まりだした。そろそろ販売開始の時間かな。

 看板を設置して、呼び込みを開始しようとしたその時。

 ガツンっと、看板を蹴り倒された。

「おい、お前ら!誰に許可を得てここで商売をしてるんだ!」

 ガラの悪そうな男が3人現れた。

 うご。

「勝手されると困るんだよ。ルールってもんがあるからなぁ」

 これ、ショバ代よこせとかいう系なあれでしょうか。

 ど、どうしよう。

「おい、お前、誰に許可を取ればこんなことができるんだ?」

 ガラの悪そうな3人組の後ろに、ルクマールさんが立った。

「はぁ、俺様に決まってるだろ!このあたりの場所は俺たちバードウイングの場所って……」

 看板を蹴り倒した男が振り返る。

「バードウイング?へー。そうか。しっかり覚えたよ。俺の作った看板を蹴り倒した男の所属するパーティー名」

 ルクマールさんが、倒れた看板を立て直した。

「え?ル、ル、ルクマールさんが、作った?」

 男が、明らかにうろたえだした。

「ここに、俺のサイン入ってるのが見えない?」

 そうなんだ。文字が読めないから何が書いてあるのか分からなかったけど、板の下の方にナイフでちょっと何か書いてある。

 ルクマールさんが、逃げようとした他の二人の襟首をつかんで、看板の文字に顔を近づけた。

「文字読めない?ほら、ここ、俺が作った看板。な?で、何?ここで商売するのに誰の許可が必要だったんだっけ?」

「ひー、す、すいません、あの、そのっ、まさか、灼熊の店だとは……」

 ん?何か勘違いしてるよ。この店はダタズさんの店なんだけど。

「何のもめごとかしら?ダンジョンやその周辺の管理は、私たちギルドの管轄です。問題があれば私たちが処理しますけれど」

 ほう、出張買取所のフィーネさんだ。ギルドからの出張だったんですね。

「いえ、あの……」

「なぁ、店出すのに許可って必要か?こいつら、ここは俺らの場所だからとか言ってたが?」

「いいえ。許可は必要ありません。問題があるような店であれば出て行ってもらうようには言いますが、美味しい食事を出す店だと調査済みなので何も問題ありません……むしろ、問題なのは……」

 フィーネさんが男たちを見た。

「ひぃー、すいません、その、あの、俺たち、ずっとこのあたりで野営してたんで、なんか場所を取られたような気持ちになって……」

「わ、悪気は、悪気はなかったんです」

 男たちが後ずさる。

 ルクマールさん、ぽんっと手を打った。

「そうそう、勘違いしてるみたいだけど、ここは俺の店じゃないから、あっち見てみな」

 ルクマールさんに指さされた方向を3人が同時に見る。

 ダタズさんと奥さんとバーヌが下ごしらえをしている。バーヌがこちらを睨んでいる。

「金の……」

 一人が腰を抜かした。

 他の2人がガタガタと震えだす。

「も、申し訳ありませんでしたーっ!」

 2人が腰を抜かした人の両脇を抱えて、逃げていった。

 うん、過剰反応なのか、普通なのか。

 もしかして、ルクマールさんって、ちょっと権威のある人?

 それとも、ギルドが絶対なのかな。

「助けていただいてありがとうございました。えっと、ちょうど今からお店を」

 開店するのでと言おうとしたら、ピィープゥーピピピ、ピィープゥーピピピ、と独特のリズムで笛の音が鳴り響いた。

「何?何が起きたの?」

「強制クエストか……。笛2つってことは、緊急制も危険性も高いやつだな……ったく、しゃーねぇ」

 フィーネさんとルクマールさんが駆け出した。

「危険が迫っているかもしれない。すぐに逃げ出せる準備を」

 バーヌが心配そうにダンジョンの方向を見て、それから私たちを気遣うように荷物をまとめ出した。鍋や仕込んだ食材はそのままだ。

「ダンジョンの入り口付近にS級モンスター出現。S級A級B級冒険者は討伐へ。C級D級は万が一に備えてダンジョン入り口に待機。E級F級は怪我人の手当てに回れ。俊足もちの冒険者は街のギルドへ連絡ののち、不足するであろうポーションの運搬を頼む」

 拡声器でも使ったような大きな声が響いてきた。

「S級モンスター……何が現れたんだ?」

 バーヌが茫然としている。

 私やダタズさんはわけが分からなかったけれど、とにかく飛んでもないことが起きていて、ここから逃げたほうがいいって言うことは分かった。

 だけれど、せっかく作った料理が駄目になるのを見るの……。

 ぎゅっと両目をつむってから開く。

 何度も災害を経験した日本人だ。何か災害が起きた時に何がどう必要なのか分かっている。その一つが食事だ。無駄にするくらいなら。

「ダタズさん奥さんを連れて急いで逃げてください。それから、これらの食料はギルドに寄付しても構いませんか?商売どころではありませんが、せっかく作った物ですし、無駄にしたくはないです。必要としている人がいればその人たちに渡してもらおうと思います」

「ああ、そうだな。このまま捨てていくと料理が泣く、だが、ユーキが先に逃げなさい」

 首を横に振る。

「奥さんはまだ病み上がりだから、途中で何かあってもボクでは支えられないから、ダタズさん行ってください。出張買取所の見知った人に料理のこと伝えたらすぐにボクもバーヌと行きます」

 ダタズさんが申し訳なさそうな顔を見せてから頷いた。

「分かった。すまない」

「いいえ、ボクがここに連れて来てしまったからこんなことに……」

「何を言っているの?ユーキのおかげで私は今こうしていられるのよ?それに、ギルドで私たちの店の料理の宣伝をしてもらえるようなものでしょう?そう考えればラッキーじゃない?」

 ふっ。

「はい、そうですね。ありがとうございます!」

 奥さんの言葉に元気をもらう。

 ダタズさんと奥さんが屋台を離れる。

「バーヌ、できるだけすぐに食べられる状態にしておいた方がいいと思う。肉を急いで焼いて。フライもあげて置いて。ちょっと出張買取所へ行ってくる」

「分かりました。気を付けて」

 出張買取所……改め「ギルド出張所」はてんやわんやしていた。

「ほかに情報はないの?S級モンスターってどんなもの?」

「幸い、お宝祭りだったから冒険者が集まっているから、モンスターがダンジョンを出て街へ行くことは防げるでしょう」

「怪我人が運ばれてきました。A級2人、B級4名」

「A級2人?どういうこと?進行を止めるだけであれば、何名もA級冒険者がいれば怪我人が出るようなこと……」

「今、S級冒険者ルクマールがダンジョンへ行きました」

「運がいい。大丈夫。S級冒険者がいたんだから……」

 どうしよう、今話しかけるのは迷惑にしかならないかもしれない。

 と、話しかけるのを躊躇していると、フィーネさんと目が合った。

「何しているの!早く逃げなさい!」

 ちょうどいい。

「はい。すぐに逃げます。その前に、作った料理を寄付しに来ました。シチューとフライと肉とパンがあります。食事が必要になれば無料で皆さんに配ってください」

 フィーネさんがふっと息を吐きだした。

「それは助かるわ……ちょうど夕飯前だったからみな空腹のはずだし……。何日かかるかも分からないから……」

 よかった。役に立ちそうだ。

「D級で手の空いている者を2~3人連れて行ってこちらへ運んでもらえる?」

「はい、分かりました。あの、どなたかお願いします」

 と、私たちのやり取りを聞いていた3名がついてきてくれた。

「あ、あれは……」

 一人が肉を焼いてるバーヌを見て驚いた顔をする。

「なぜ金狼がここに……」

 きんろう……まただ。どうも、勤労と言っているわけじゃなさそう。バーヌのことを言っている?

「どうして、ダンジョンに行かないんだ!」

 冒険者の一人がバーヌの元に近づいた。怒っているようだ。

「みんな戦ってる、なのに……お前、強いんだろ?金狼、なんでいかねぇんだよっ!」

 バーヌが小さく首を振った。

「人違いだと思う……。僕は、奴隷のバーヌ。君の知っている冒険者の金狼とは違う」

 冒険者の男が、バーヌの手首に視線を落として奴隷紋を見た。

「人違い?」

 男が首を横に振った。

「いや、そんな色の耳と尻尾を持った奴なんてそうそういるわけないだろう、人違いっていうならそれでもかまわない。奴隷なら、奴隷らしく、ご主人様を守るために行って来いよっ!」

 男がバーヌの襟首をつかんで立ち上がらせた。

 せっかく焼けた肉が火の中に落ちてじゅわーっと煙を上げる。

「今もA級B級の冒険者の多くが怪我をして運ばれている。モンスターを引き付けるおとりくらいにはなれるだろう?モンスターの気を引くのは奴隷の役目だろ?」

 ギリリとのどの奥が熱い。

 バーヌは下を向いてしまいました。

 何か言い返したいのを我慢しているのか、それとも何も言い返すことがないのか分かりません。ですが……。

 バーヌの尻尾は垂れています。悲しそうに垂れています。

「奴隷の役目をなぜあなたが決めるんですか?奴隷なら危険をさらしても構わないっていうんですか?」

 男の手をつかんで、バーヌから引き離す。

「は?」

「人間ですよ。同じ。今は、奴隷という立場にあるかもしれませんが……」

 男が馬鹿にしたように私を見ます。

「はっ。奴隷は奴隷だろうが。俺ら奴隷じゃない者のために働くのが奴隷の役目だろう?人間?ああ、確かに人間かもしれないが、同じじゃない」

 何を言っているのか、理解できません。

 いいえ、いいえ、もしかすると、目の前の冒険者も私が言っていることが理解できないのかもしれません。

 この世界の常識、倫理観……当たり前だと思われていること、それを覆すなんて……。

 ふと、ダタズさんの奥さんの顔が浮かんだ。

「解放奴隷……」

 そういっていた。

 ああ、そうだ。

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[一言] 「はっ。奴隷は奴隷だろうが。俺ら奴隷じゃない者のために働くのが奴隷の役目だろう?人間?ああ、確かに人間かもしれないが、同じじゃない」 それがこの世界の常識だとしても、バーヌの主人はこの男じ…
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