表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
助けた犬獣人の破棄奴隷は伝説級の元冒険者?~そんなことよりもふもふしてもいいですか?~  作者: 有


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/57

だって、かわいい

「さっきのものの考え方といい、計算力といい、ねぇ、ギルドで働く気はない?汗臭い冒険者相手に仕事しなくちゃならないけど、むさくるしさはあるけれど、給料はそこそこもらえるし、ちょっと華やかさには欠けるけれどいい職場よ?」

 いろいろと、本音が駄々洩れになっていますよ、フィーネさん。周りの冒険者たちが微妙な顔をしています。

 ギルド……給料いいんですね。

 もし、妹の望結が見つかったら、この世界で生きていくために就職するにはいいかもしれない。でも、今は一か所にとどまっていることはできないんです。

「ごめんなさい。文字の読み書きができないので無理です。では、ありがとうございました」

 お金とレアポーションを受け取って逃げるようにして出張買取所を後にする。

 えへへへ。

 そして、銅貨8枚で買ったレアポーションの瓶を眺める。

 かわいい。

 めっちゃかわいい。

 中の液体が薄桃色。えーっと、乳桃色の入浴剤みたいな色。ほかのポーションはもうちょっとこう、シンプルな色。

 ダンジョン産は薄い黄色の透明。人工物は薬草が入っている関係で、ほとんどのものが青汁っぽい色をしています。

 それなのに、このレアポーションは乳桃色。しかも、瓶の蓋がハートになっているんです!めちゃくちゃかわいいんです!

 ポーションとしての効果なんて、どうでもいいです。この世界って割と武骨なデザインの物が多いなかで、これほどキュートでかわいいものに出会えるなんて。

「おかえり、ユーキ。どうだった?」

 ああ、そうでした。最高級のかわいいバーヌがいたのでした。

 もふもふしたいけど、解体の邪魔しちゃうといけないので我慢です。

「えっと、小銀貨4枚になったけれど、これを買い物しちゃったから、小銀貨3枚と銅貨2枚。勝手にごめんね、無駄遣いしちゃって」

「謝る必要はありません。ご主人様の欲しいものにお金は使うべぎゅにゃしゅs」

 ほっぺたぷにーです。

「ポーションを買うなんて、もしかしてユーキはどこか悪いのですか?」

 ふお!そうでした。

 私が買ってきたのはかわいくてもポーション。

 バーヌが心配そうな顔をしています。

「違うよ、この瓶が」

 すごくかわいかったから欲しくなっちゃっただけ……って、言えない!

 よく考えたら、私、男の子のふりしてました。まさか、かわいさのあまり思わず買っちゃったと、ピンクのポーションを嬉しそうに眺めるわけにも……。

「レ、レアポーションだって言ってたから、えっと、レアポーション見るの初めてで、その……」

 うう、目が泳いでしまいます。

「ユーキは、レアが好きなんですか?」

 えーっと、そういうわけじゃないけど、そう言うことにしておこう。

「う、うん。ボク、小さいけど鑑定が使えるし、珍しいものを鑑定するのは楽しいんだよ」

 と言えば、納得したようにバーヌが頷いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ