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助けた犬獣人の破棄奴隷は伝説級の元冒険者?~そんなことよりもふもふしてもいいですか?~  作者: 有


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(NEW)とは

「さ、三回回ってワンって言わせるからなっ」

 どうです、屈辱でしょう?

 三回回ってワンって言ってみろなんて、いじめっ子が、生徒を取り囲んで屈辱を与えるときの定番ですよっ。

 なんて思っていたら、すくっと立ち上がったイケメン破棄奴隷は、くるくるくると3回回って、私の前にまた立膝して上目づかいで嬉しそうに「ワンッ」て……。

 ああああああっ、もう無理、もう無理、もう無理ですってばぁ!

「バーヌッ!バーヌでしょう!やっぱり、生まれ変わりなんだよね?そうだよね!」

 ずるいです、尻尾まで出すなんて!フリフリ嬉しそうに振るとか、そんなの、そんなのっ。

 ぎゅーって抱き着いて頭なでなで。もふもふ。うわー、柔らかな髪。本当にバーヌみたいです。

「ご主人様、あの、僕を奴隷にしてくださるんですか?」

 しまった。違うんです、それとこれとは話が別で……。

 理性が、理性が吹っ飛んでしまったんです。

 慌てて体と手を離すと、びっくりした顔でバーヌが奴隷紋を見ています。

 赤く染まっていた3つ目のラインが、青くなっています。

「ご主人様が僕を受け入れてくれたから……」

 いやいや、奴隷は受けいれてません。

 フルフルと小刻みに首を横に振る。

「捨てないでくださいね?」

 だぁーっ!そのずるいしぐさやめて!悲しそうにしっかり耳を伏せないでよぉぉぉっ。

「バーヌは奴隷じゃない。家族だったんだよ。その家族に似てるから、その、一緒に旅してもいいかなって……」

「家族……?」

「とにかく、奴隷とかそういうつもりはないから。えっと、その、友達っていうか仲間っていうか、えーっと」

 どうにもいい言葉が見つかりません。どれも違う感じがして……。バーヌはどんな存在だったでしょうか。相棒……そう。

「今日から、ボクたちはバディだ。バディ。分かった?立場に上も下もなくって、えーっと、お互いに信頼しあい助け合う存在。それでいい?」

「はい。分かりましたご主人様。ご主人様の信頼を勝ち取れるよう誠心誠意お仕えいたしにゃむ」

 思わず手が伸びて、頬っぺたを思いっきり引っ張っります。

「だから、奴隷とかご主人様とかじゃなくって、バディ。僕のことはユーキって呼んで。敬語も必要ない。旅の間は不自然がないように兄弟みたいに話をしてくれると助かる。で、君の名前、教えてくれない?」

 手を離すと、ちょこっとだけ赤くなった頬っぺたをさすりながら、イケメンがにこっと笑いました。

 とろけるような笑顔とはこういうことか。

「バーヌ」

 はぁ?

「分かった。【鑑定】これで何でもお見通しなんだからね!」

【鑑定結果

 バーヌ(NEW)

 続きはWEBで】

「……、……」

 どういうことなんですかっ!確か、前は違う名前で出てましたよね?

 っていうか、NEWってことは、検索しても情報出てこないってことなのでは……。

 力が抜けたところで、ぐぅーっとお腹が鳴りました。

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